生食用生鮮食品(ヒラメ、馬刺し)による食中毒に注意しましょう
厚生労働省が実施した全国調査の結果、食後数時間で一過性の嘔吐や下痢を呈する原因不明の有症事例のうち、ヒラメや馬刺しが関連した事例について、それぞれ特定の寄生虫が関与していることが判明しました。
○ 生食用生鮮食品による病因物質不明有症事例についての提言 (PDFファイル)(187KB)
○ 生食用生鮮食品による原因不明有症事例への対応について(Q&A) (PDFファイル)(134KB)
これを受け、平成23年6月17日、厚生労働省から、これらの寄生虫に起因すると考えられる有症事例は食中毒として取り扱うとともに、食中毒の発生防止に努めるよう通知がありました。
○ 生食用生鮮食品による病因物質不明有症事例への対応について (PDFファイル)(20KB)
ヒラメや馬肉の生食が原因となる寄生虫は?
■ ヒラメ : クドア・セプテンプンクタータ
(Kudoa septempunctata)(クドア属粘液胞子虫の一種)
※以下クドアという。
■ 馬刺し : ザルコシスティス・フェアリー
(Sarcocystis fayeri)(ザルコシスティス属住肉胞子虫の一種)
どのような症状が出るのでしょうか?
食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢が認められるものの、症状は軽度であり、速やかに快復するとされています。
これらの食中毒を防止するためにはどうしたらよいでしょうか?
よく加熱することが最も有効な対策です。また、それぞれ一定の条件で冷凍することにより、食中毒のリスクを減らせることが分かっています。
クドアについて
- 中心温度75℃、5分以上の加熱
- -15℃~-20℃で4時間以上の冷凍
ザルコシスティス・フェアリーについて
- -20℃で48時間以上の冷凍等
どのような対策がとられているのでしょうか?
ヒラメについて
ヒラメの養殖場において、以下のように、クドアがヒラメに寄生することを防止する取り組みが行われています。
- 養殖段階におけるクドア属保有稚魚の排除
- 飼育環境の清浄化
- 養殖場における出荷前のモニタリング検査
馬刺しについて
- 加工流通過程等において、馬肉を冷凍することでザルコシスティス・フェアリーによる食中毒のリスクを低くすることができるとされています。
その他の注意点
■ いずれの寄生虫もすべての「ヒラメ」、「馬刺し」の中にいるものではありません。
■ これまでの事例から、この寄生虫が含まれる食品を食べたとしても、必ずしも発症するものではないとされています。
■ いずれの寄生虫も、肉眼で確認することはできません。
関連情報
生食用生鮮食品による原因不明有症事例について(厚生労働省ホームページ)
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