内海大橋(うつみおおはし)
諸元
路線 | 主要地方道沼隈横田港線 |
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所在地 | 福山市沼隈町~福山市内海町(千年港) |
完成 | 平成元年10月4日(供用開始) |
橋長 | 832.0m |
最大支間長 | 219.6m |
設計荷重 | 1等橋 TL-20 |
上部工形式 | ニールセンローゼ橋(バスケットハンドル型)2連 |
アーチライズ | 31.0m |
有効幅員 | 8.0m |
車道幅員 | 5.5m |
歩道幅員 | 1.5m |
桁下高さ(航路) | 30.0m |
塗装色 | ペールスカイ |
管理者 | 広島県 |
多島美に映え南国ムード漂うエレガントな2連アーチ橋
広島県の南東部,沼隈半島の沖合に浮かぶ内海町は,田島・横島の二つの島からなり,温暖な気候と自然環境に恵まれたのどかな町である。
一方で,島外への移動はすべて海上交通に依存せざるを得ず,制約が多い状況は離島の宿命でもあった。
こうした中,地元では昭和44年に,島民福祉の向上と民生の安定,地域産業の育成による島民定住化の達成を目的とした架橋運動が始まり,広島県では翌45年より調査を開始,昭和54年度には橋梁整備事業として採択され,待望の「内海大橋」架橋が実現することとなった。
架橋位置となる海峡幅は,直線距離で550mほどであるが,海峡中央部の「マナイタゾワイ」と呼ばれる岩礁により,航行水域が二分されていたことから,架橋による橋脚の増加で航行水域に制約を与えることが困難であった。
この課題を解決するため,岩礁を利用し橋脚を設置し,線形を独特の「く」の字型として航行水域への影響を最小限に抑えるルートが浮上した。
通常,橋長が長くなれば工事費が増大するため,最短距離を検討するのが一般的であるが,本橋の場合は,岩礁が橋脚を設置するための十分な地盤条件を備えていたことや,取付道路の線形を無理なく計画できることなどから,直線橋に比較して経済性でも優位性が認められた。
橋梁形式は,航行水域となる岩礁の左右の主橋梁をニールセンローゼ橋とし,さらに横方向の剛性を高めるためアーチ面を内側に傾斜させた「バスケットハンドル型」を採用した。
この結果,曲線とアーチが織り成すペールスカイの内海大橋は,瀬戸内海の光景に絶妙のアクセントを与えるデザイン性に優れた橋梁となったのである。
なお,本土側P4~P5間の支間長219.6mは,ニールセンローゼ橋としては建設当時我が国最大であり,同形式で初めて200mを突破するものであった。
海中部橋脚の多柱式基礎の施工では,重錘式掘削機を用いるなど,施工例の少ないユニークな工法を採用した。
上部工の架設では,フローティングクレーン船による大ブロック一括架設工法を採用し,工期の短縮を図った。
取付道路を含めた全線は,「アメニティーロード」と位置付け,親柱や高欄,照明施設や歩道の舗装色に至るまで,南国風情漂う瀬戸内海の景観になじむ美しさをコンセプトに計画されている。
受賞履歴
- 平成元年度全建賞(道路部門)
パンフレット
位置図
アクセス情報
バス
- JR福山駅より鞆鉄バスにて,新川線,瀬戸経由内海農協行き「敷名」バス停下車,徒歩約200m
お車
- 山陽自動車道福山西ICより,約16km,約35分
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