2.西城川・神野瀬川ブロック河川整備計画の目標に関する事項
2-1. 計画対象区間及び計画対象期間
- 河川整備計画対象区間は,広島県知事管理区間とします。
- 河川整備計画対象期間は,概ね30年とします。
2-2. 洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する事項
災害発生の防止又は軽減に関しては,西城川本川において,概ね30年に1回発生すると予測される洪水に対して,人口・資産が集中している庄原(しょうばら)市街地の家屋浸水被害を解消することとします。
さらに,想定される規模を超える洪水が発生した際の被害を最小限に抑えるため,防災情報システムの有効活用など,関係機関や沿川住民と連携し,情報伝達方法,警戒避難体制等の強化に努めます。
2-3. 河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項
河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関しては,動植物の生息・生育環境,景観,流水の清潔の保持等の水環境を良好に維持するとともに,既得の水利使用の安定取水が可能となるよう,洪水調節施設を活用し必要な流量の確保を図るものとします。また,渇水時には関連情報を収集し,状況把握や河川流量等に関する情報提供を行うなど円滑な渇水調整に努めます。
水利権の設定や水質環境基準の指定状況及び貴重な観光資源などの集中する河川については,必要に応じ,流量観測所を新設するなど,その流況を把握するとともに,水利用実態調査,動植物に関する環境調査などを実施し,流水の正常な機能を維持するために必要な流量の把握を行います。
2-4. 河川環境の整備と保全に関する事項
河川環境の整備と保全に関しては,神之瀬(かんのせ)峡などの貴重な観光資源や,アユやゴギなどの動植物の生息・生育環境の保全に努めるほか,河川環境の現状と課題について地域住民に広報し,河川に興味を持ち住民が河川に親しみを感じるような川づくりを進めることや,河川愛護の啓発・促進を図ります。また,水質については,関係機関と協力し,現在の良好な状況を維持するように努めます。
河川改修や維持工事にあたっては,水際に変化をつけるなど,川に棲む様々な生物の良好な生息生育環境に配慮した多自然型川づくりを推進するとともに,魚道の設置により,上下流の連続性を確保します。あわせて,河川に近づける親水護岸などの整備により人々に潤いとふれあいを与える水辺づくりを推進します。
さらに,地域住民のコミュニティ活動やレクリェーションの拠点としての河川空間利用を可能とするため,市街地からの散策路の整備を含めて関係機関と連携するなど,まちづくりと一体となった河川空間整備について検討します。
なお,洪水調節施設の建設等,現況の河道状況を大きく変える際には,事前の環境調査を十分に行い,動植物の生息・生育環境や水質等を保全するため,必要な対策を講じるとともに,施設完成後も調査を継続的に実施することとします。