「どんなことが起こっても、前だけを向いてやっていきたい。」
リーグ3連覇の祝勝会であいさつをさせてもらった際に、チームのことを「家族」と呼び、クライマックスシリーズのお立ち台でも「家族一丸となって頑張りたい」と話しました。カープは僕にとって家族のような存在。ずっとそう感じてきたので、若い選手たちは弟も同然です。子供のころから、夢は「野球の選手」ではなく「カープの選手」になることでした。そのくらいカープは、僕にとって身近であり特別な存在です。球団スタッフも、そしてファンの皆さんも含めて、「大きな家族」だと思っています。
昨年は豪雨災害があり、多くの方々にとって試練の年になりました。「野球どころではない」という状況の方もいらっしゃったと思います。それでも僕たちには野球をすることしかできないので、一生懸命にやってきました。20年間のプロ生活を引退し、今年は僕も次のステージへ向かいます。本当に新しい年が始まるので、まだ何をやるのか、どんなことが起こるのか分かりません。けれども今まで通り、どんな時も前だけを向いてやっていきたいと思っています。いろんなところへ行って、いろんな人に会い、いろんなことを感じる。そんなチャレンジをしていきたいですね。そして妻や子供達とも、もっと一緒に過ごしたいと思います。
今後のカープとの関わりは、ファンの皆さんと同じです。弟たちがグランドで必死に戦っているのを、子供のころのように一ファンとして応援します。もちろんマツダスタジアムにも変装して行きますよ(笑)。選手たちに期待するのは、見る人が明るい気持ちになれるような、わくわくする試合。応援することで、嫌なことを忘れられ、明日も頑張ろうと思えるような試合です。カープは広島県の象徴ですから、次のシーズンも、全力でプレーしてくれると思います。勝ち負け以上に、そういう姿が見られると嬉しいですね。
新年の抱負は、「2019年のドラフトでカープに指名してもらえるよう、練習をがんばる」(笑)。引退するなって言われてしまいますね(笑)。
ともに、新たな一歩を。
県内各地では、昨年発生した豪雨災害の被害からの復旧・復興に向けて、それぞれのペース・分野で新たな歩みが始まっています。
「人の繋がりを大事に、地域づくりをすることが私の使命です。」
坂町地域支え合いセンター センター長
木下健一さん
多くの方々のご尽力により、少しずつ災害以前の生活に戻られる方がおられることは嬉しいことです。しかし、これから中長期的に向き合うべき「心のケア」に関する課題も出てきます。そのために最も重要なことはお互いに助け合う、「互助」です。当センターでは、交流会の開催などを通じて、地域の方が仮設住宅などの新たな住居で新しい繋がりをつくれるよう取組を続けていきます。私はこの地域に住む住民でもあるので、地域や子供たちのためにも自分の使命だと思って全力を尽くしたいと思います。
【県の取組】生活支援や相談の拠点として、9月に「広島県地域支え合いセンター」を開設。県の呼びかけに応じて、現在13市町で市町のセンターが開設され、木下さんのような相談員の方々が個別訪問による見守りや、生活再建に向けた相談対応、地域交流等の支援をしています。
「この上ない喜びと感謝の気持ちで収穫しています。」
大崎下島 上神農園
上神洋司さん(写真右端)
先祖から受け継いだ畑で様々な柑橘を栽培しています。収穫はいつも嬉しいのですが、今年はこの上ない喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。災害によって、この島でも土砂崩れが多発。うちの木も40〜50本が流されて途方に暮れましたが、家族の前向きさに引っ張られ、私も「やるしかない」と思えるように。土作りに力を入れた甲斐あって、元気な実ができました。おいしい柑橘が島の子供たちの誇りになればと願っています。美しい段々畑を未来に残せるよう、これからもしっかり育てていきます。
【県の取組】県では、上神さんのような営農・生産意欲の高い担い手を離農・離職させることなく早期に生産活動が再開できるよう支援しています。例えば、国の支援策を活用した経営再建に向けた支援や、普及指導活動等を通じた経営・技術支援などに取り組んでいます。
「対話を大切にし、目指すのは活気ある呉の玄関口。」
西日本旅客鉄道(株) 呉管理駅 管理駅長
池田和久さん
災害当時は社員一同、お客様の不安な気持ちに寄り添うことを常に心がけ、真摯な態度で業務に取り組みました。多くの皆様方にお力添えをいただき、呉線は全線開通の日を迎えることができました。大変な経験でしたが、これまで以上に地域の皆様との結びつきが強くなったと思います。これからも呉駅という場所が、観光などを中心に街全体を盛り上げていく玄関口として役割を果たすよう、地域の皆様と積極的な対話を大切にしながら、信頼される地域共生企業を目指して活動をしたいと考えています。
【県の取組】発災直後より、各市町やJRを含む関係企業・団体と連携し、県民の皆さまの移動手段の確保に努めてきました。引き続き連携を密にし、各交通インフラの復旧に努めるとともに、今回の災害における取組の検証をふまえ、災害に強い体制づくりを進めていきます。
「私の経験を地域の経験に。力を合わせて安心な暮らしを実現したい。」
防災士
若本智子さん
7月の豪雨災害当時は、情報を適切なタイミングで住民の方々にお知らせすべく、地域の防災士が奔走していました。今回のことを通じて、ご近所同士で声をかけ合うことの大切さや、普段のご近所付き合いを見直す必要性を改めて実感しています。私の住む地域では月に一度防災会議を開き、様々な助成を受けながらオリジナルの防災グッズや立て看板などを協力して作っています。過去の出来事や個人の経験を前向きに活かし、地域の自主防災活動がもっと機能するように、これからも努力していきたいと思います。
【県の取組】災害から命を守るための行動を地域に浸透させるため、自主防災組織の活動をリードする若本さんのような人材の育成や、地域で開かれる防災研修会など、自主防災組織の行う取組を市町と一緒に支援しています。
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