「イクボスミーティングひろしま」~イクボス同盟ひろしま取組成果発表会[平成30年2月2日]
広島でも続々と増えている「イクボス」。働き方改革のトップランナーである「イクボス」らが取り組みや未来を語り合います。
イクボスのことをよく知らないあなたも、この機会に理解を深め、時代が求めるリーダー「イクボス」への一歩を踏み出しましょう!
イベントレポート
イクボス同盟ひろしまとして初の取組成果発表を開催しました。湯崎知事が「広島県では,これまでの男性を中心とした長時間労働を前提とした働き方を見直し,生産性の向上を図りながら誰もが働きやすい職場環境づくりを行う働き方改革を推進しています。県民の皆様の,仕事も暮らしも,どちらもあきらめない“欲張りなライフスタイル”の実現につなげたいと考えており,そのカギとなるのがイクボスです」とあいさつし,イベントが始まりました。
第1部はサイボウズ株式会社青野慶久代表取締役社長による基調講演「企業成長とイクボスの相関関係」。
サイボウズ(株)では,自社の社員の離職率があまりに高かったことをきっかけとして,誰もが働きやすい職場づくりのために,働き方の多様化を進めたそうです。
“働き方改革は,働き方の多様化”
「最高28%まで上がっていた離職率が,働き方の多様化を進める人事制度を取り入れることで,直近6年連続5%を切るまで下がりました。一方で,サイボウズの売り上げは,右肩上がりだった売り上げが,働き方の多様化を進め始めた矢先に,2008年のリーマンショックや世界的大企業の業界参入があり,以降売り上げが横ばいになりました。ただ,そんな中でも社内の雰囲気は良かったです。2011年,新製品が生まれ,今新たな急成長期を迎えています。働き方の多様化で売り上げが必ず上がるとは言えませんが,ロイヤリティの高い従業員がモチベーション高く働ける環境の中では,イノベーションが生まれてくるということを経験しました。」
「また,“育自分休暇制度”や“複業解禁”を導入するにあたっては不安もありましたが,結果は,オープンイノベーションが起き,新たな販路拡大などの効果がありました。ただ,注意しないといけないのは,働き方の多様化のためには,“制度”だけではなく,“ツール”や“風土”も同時に変えていかないとうまくいきません。また,業務のやり方も,“個人戦”では活かせず,仕事をシェアし”チーム戦”にしていかないと仕事が止まってしまいます。」
“石垣を作るように,人の個性を活かす”
「働き方の多様化を進めることは,従業員一人ひとりの個性を活かすこと。そうすれば石垣のように,大きさや形が違う素材を組み合わせることにより強い組織が出来上がり,大きな仕事が今までより効率的に行うことができます。」
第2部は,イクボス同盟ひろしまメンバーによる成果発表「イクボストーク」です。ここからは,ファシリテーターとしてNOP法人ひろしまジン大学平尾順平代表理事が加わり,同盟メンバー企業から6名が登壇し,自身がイクボスとして経験してきたことの発表がありました。
平尾氏には,昨年度と今年度の同盟内勉強会で,ファシリテーターとしてこれまでのメンバーの活動を一緒に見てもらっていました。
こちらのパートは,様々な意見の飛び交う発表でした。イクボスという言葉は最近できた言葉ですが,企業によっては,イクボスの要素が既に経営理念として組み込まれている企業もあり,経営理念に立ち返る大切さについても語られました。女性マネジャーとして社内のロールモデルとなったことで,社内のワークライフバランスへの考えが浸透していった事例,高齢者と若手社員が共に働くことで“ダイバーシティマネジメント”の基盤となる社風が醸成してきたことなどがあげられました。
また,同盟での活動をきっかけに新規採用ができた事例が発表されたときに,青野氏からは「サイボウズでも,今は制度に惹かれて採用応募があり,採用戦略としてのイクボスも,とても効果があると思います」とコメントがありました。
社内コミュニケーションにおいては,経営者も社員と話す機会の重要性や,チーム内でお互いのプライベート情報を共有し合える職場も,助け合う風土を作っていく上で重要だという意見が出ました。
ただ,女性が会社を辞める理由として,夫からの一言で辞めてしまう事例もあり,男性を含めた意識改革がまだまだ必要であるとの意見もありました。
第3部はワークショップ。参加者自身が,今日のイクボスミーティングで聞いてきた後援や発表をもとに,自身について考えてもらうパートです。
始めに簡単なクイズを通して,部下とのコミュニケーションがどこまでできているかを振り返ってもらいました。子育て世代だから残業ができないとか,独身だから仕事中心でいい,といった誤解を生んでいないでしょうか。個人それぞれによって事情は違うもので,一人一人に向き合うことも大切ではないかという問題提起のあるクイズでした。
次に,グループに分かれてディスカッションです。今日聞いてきたことでどんな気づきがあったか,自身がどんなことができるかを書き出し意見交換をしてもらいました。
グループディスカッションの中では,「こんなにも様々な取組をされている会社があると知って驚いた。自身の会社でできることをしっかり考えて取り組んでいけたらと感じた」という声や,生き生きと働ける職場づくりに向けた発見があったという意見が出ていました。
知事からは,「今日の議論では,ただ理解のあるボスになりましょう,時間短縮するボスになりましょうというわけではなく,経営理念の話など幅広い視点でイクボスを受け止めていただいているのでよかったと思います。社会全体の認識が変わっていかないとどこかにしわ寄せが起きてくるので,行政として全体を変えていきたいです。自身が変わるに至らなくても,少なくとも他の人が変わっていくことを許容してもらえるような風土を作っていきたいです。」と発言されました。
青野氏からは,「固定概念を変えていくのは難しいです。その一歩が踏み出せないために,権力がない人たちがしわ寄せを受けてしまうことはよくありません。全体が変わっていくことは必要だと思います。ただ,古い考えが間違っているということではなく,その意見も尊重した中で,多様性を受け入れていきたいです。来年サイボウズ広島が立ち上がる予定で,立上げメンバーはサイボウズ広島の独自性を出していこうと頑張っています。広島としても新たなことを発信していく土地となっていってもらいたいです。」というメッセージをもらいました。
最後に,みんなで各自のイクボス宣言シートを持って記念撮影しました。
今後も広島県内にイクボスの輪が広がっていくように活動していきます。
イベント概要
名称 | イクボス同盟ひろしま取組成果発表会「イクボスミーティングひろしま」 |
日時 | 平成30年2月2日(金) 14:00開演 |
会場 |
CLiPHIROSHIMA(クリップヒロシマ) |
定員 | 先着100名(参加費無料) |
主催 | 広島県 |
イベントプログラム
14:00~ |
開演・主催挨拶 |
14:10~15:00 | 基調講演「企業成長とイクボスの相関関係」 |
15:00~15:10 | 休憩 |
15:10~16:00 | イクボス同盟ひろしま 同盟メンバーによる取組発表 |
16:00~16:50 | ワークショップ「日常におけるイクボスの判断(仮)」 |
16:50~17:00 | 閉会挨拶 |
※内容は予告なく変更することがございます。予めご了承ください。
登壇者紹介
基調講演講師
サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野 慶久(アオノ ヨシヒサ)氏
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。
社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進め、2016年にクラウド事業の売上が全体の50%を超えるまで成長。
総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーや一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある。
取組発表・ワークショップ ファシリテーター
NPO 法人ひろしまジン大学代表理事 平尾 順平(ヒラオ ジュンペイ)氏
1976 年広島県生まれ。1 児のパパでイクボス。広島市立大学国際学部卒業。財団法人日本国際協力センターに入団。JICA(国際協力機構)への出向も含め、各種人材育成、教育案件を担当。平和祈念資料館を管理する広島平和文化センターに2年間勤務。2010 年5 月にひろしまジン大学を立ち上げ。昨年度より「イクボス同盟ひろしま」勉強会のファシリテーションを担った同氏が今年度も継続して担う。
参加申込 ⇒定員に達しましたので申込受付は終了しました。
申込期間 | 平成29年12月19日(火)~平成30年1月31日(水) |
申込方法 |
(1)ホームページ申込フォームで申込 (2)申込用紙を記載しFAXで申込 ≪本事業委託先≫ |
イベントチラシ
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