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令和4年度 イクボス同盟ひろしま備後部会の取組

2023年7月4日

備後部会メンバー写真

令和2年度からイクボス同盟ひろしまメンバー有志により結成された組織(部会)が県内4か所で組成され、各部会がテーマを決めて活動しています。

備後部会では「持続可能な企業・地域を育てる。備後イクボス同盟」をキャッチフレーズに9名が活動しています。令和4年度は、“事業継承”をテーマとした勉強会を開催し、参加者自身が経験した内容などを意見交換し、学び合う場としました。

部会の詳細についてはこちら⇒(イクボス同盟ひろしま「部会活動」状況)

 

令和4年度 備後部会 活動レポート​

■令和4年度の備後部会活動テーマを検討する意見交換ミーティングを開催​

〇日時:令和4年9月21日(水)
〇場所:オンライン(Zoom会場)
〇概要:広島県内でも、備後地域は特徴がある中小企業が多く、次の世代にどう会社を繋ぐか、どう発展させていくか、多くの経営者が頭を悩ませています。イクボスとして「次世代を育てる=後継者を育てる」という考えのもと、令和4年度は「事業承継」をテーマとした勉強会を開催することを決定しました。ミーティングでは、勉強会の企画検討に向けた意見交換を行いました。


■令和4年度備後部会 勉強会「事例から学ぶ事業承継」

〇日時:令和4年11月30日(水)
〇場所:福山市生涯学習プラザ(学びの館ローズコム)4階 中会議室
〇概要:「事業承継」について本気で考えたいメンバーが、着実にその輪を広げるため、「会社を継がせたい・継がせた側」「継ぐ・継いだ側」が双方向型で学び・実践できる仕組みやノウハウを構築していくことを目的に勉強会を開催しました。

 

令和4年度備後部会 勉強会「事例から学ぶ事業承継」​

 

事業承継勉強会写真

「事業承継」のノウハウを「事例」から知り、学びあうことをテーマに、事業承継アドバイザーをお招きするとともに、備後部会メンバーの中から実際に事業承継を行った2名が登壇し、自社の事例をご紹介いただきました。
第1部では、株式会社タテイシ広美社 立石克昭氏から「継がせた側」として事業承継を行った際の工夫点や思いを、第2部では、株式会社明電 代表取締役 大塚真氏から「継いだ側」として親子間で事業承継をする上でのポイント等をお話しいただきました。

 

第1部「継がせた側」講演(株式会社タテイシ広美社)

株式会社タテイシ広美社 会長 立石 克昭 氏​

事業承継勉強会写真

​“大事なのは「感謝」と「覚悟」”

看板製作やLED電光表示システムなどを開発する当社は、45年前に私自身が創業しました。自分が元気なうちに承継を実行しようと、創業40年の節目の年に、娘婿へ事業承継を行いました。
事業承継は、大きく3つの「継承ステージ」に分けることができ、それぞれのステージで意識すべきポイントが異なります(詳細は下図のとおり)。一貫して「継ぐ側」「継がせる側」「社員」の三者がそれぞれが、感謝の気持ちと覚悟をもつことが重要だと考えています。

事業承継ステージとポイント
承継ステージ ポイント
(1)後継者が決まるまで ○「継がせる側」が経営を楽しんでいるか
(2)後継者が決まって継ぐまで ○対話・教育を行う(会社の魅力を知ってもらう)
(3)後継者に継いだ後 ○信頼関係を構築する
○「継ぐ側」「継がせる側」「社員」それぞれのビジョンを明確化する
事業承継勉強会写真

参加者の感想

  • 以前立石会長から「タクシーに乗ったときに、行き先を告げるように、社員にもビジョンを伝える」というお話を伺いました。「継ぐ側」へ会社の目的・方向性を告げることは「継がせる側」の大事なミッションだと感じました。
  • 私は今後会社を「継ぐ側」ですが、現社長のビジョンも、自分自身が考えるオリジナルな考え方も、両方大事にしていきたいジレンマがあります。
  • 先代と同じことをやりたくない気持ちもわかります。「継がせる側」「継ぐ側」にはお互いの思いがありますが、守るべきものと守らなくてもいいものがあります。私は、自分のカラーを出したいと思ってやっています。
  • 「三者が覚悟をする」というお話がとても印象的でした。当社でも、将来を考えている社員に向けて、何らかのビジョンを見せることで後押しになれば良いと思います。
 
 

第2部「継いだ側」講演(株式会社明電)

株式会社明電 代表取締役 大塚 真 氏​

事業承継勉強会写真

“「継がせる側」の想いを理解する”

当社は、筐体(きょうたい)の製造・自動制御盤の設計・製作を手掛ける会社です。私は、関東にある企業でサラリーマンを経験し、2015年に広島へ戻ると、創業者である父親から製造のイロハを覚えるところから事業に入り、会社を受け継ぎました。しかし、会社の代表となり経営をスタートすると、徐々に齟齬が生じ、組織としての危機を迎えてしまったのです。
その原因は、父親との直接のコミュニケーションが不足し、創業者である父親が求めることと、自身が実現したいことのズレが生じてしまっていたことにありました。
私は、父親とのコミュニケーションの重要性を再認識し、創業の想い、会社の歴史、過去の失敗など、『過去の話』を中心に対話を進めることで父親の想いへ理解を深めることにしました。『過去』にこだわったった理由は、『今現在』のことを議論するとお互いにアツくなり、ケンカになりやすいという考えがあったからです。

気持ちの「スイッチ」で親子間での敬意を再認識
親子間のコミュニケーションで大切なのは、継ぐ側の『かつて親からキャッチボールを教わった頃の父への敬意に似た気持ち』、継がせる側の『かつて子育てした頃の「この子は何にだってなれる」というまぶしい気持ち』。これらの気持ちの“スイッチ”をそっと入れ、お互いへの敬意を再確認することです。会社と父が積み上げてきた歴史を知り、そしてこの難しくも何気ないスイッチの切り替えをすることが、親子間でのぶつかり合いを防ぎ、歩み寄りや尊重に繋がると思います。

事業承継勉強会写真

参加者の感想

  • 先代と後継者はライバル関係になることもあり、親子間での承継では「口をきかない」などよく聞きます。お話にあったように、お互いの歩みよりは大切です。「不易流行」「創業新築・承継リフォーム」など、もともとあるものを、どう活かして発展させていくかは後継者の使命になりますね。
  • これから息子に会社を継がせる準備を始めないといけない立場です。なかなかうまくいかないことが多いですが、本日は講演を聞き、継いでくれることに感謝し仕事の楽しさ、魅力を少しずつでも伝えられたらと思いました。

事業承継アドバイザーのコメント

広島県事業承継・引継ぎ支援センター 承継コーディネーター 平野 勝正氏

事業承継勉強会写真

広島県事業承継・引継ぎ支援センター 承継コーディネーター 平野 勝正氏「継がせる側」と「継ぐ側」の経験をされた方の生の声を聞く機会は貴重です。事業承継の問題は、2014年中小企業白書で中小企業の事業承継が危ないと警笛をならされたこともありましたが、どうしても事業承継問題は後手にまわり進まないと言われています。このような勉強会を通じて多くの方に、事業承継が重要だということを理解していただくことが大切だと思います。

 
 

開催報告チラシ

 

事業承継勉強会広報チラシ
 
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