記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。
会見日:令和2年3月18日(水曜日)
(司会)
ただ今から,令和2年度組織改正及び人事異動についての発表を行います。それでは湯崎知事お願いいたします。
(知事)
それでは,本日は,令和2年度の組織改正及び人事異動について,発表させていただきたいと思います。お手元の資料を開けていただきまして1ページをご覧ください。今回の組織改正は,創造的復興を力強く推し進めるとともに,ひろしま未来チャレンジビジョンの総仕上げの年としまして,県政運営の基本方針2020に掲げる重要施策を着実に実施していくため,組織づくりを行うものであります。さらに来年度は,次期総合計画を見据えた仕込みの年となるものでありますので,ミッション性と実効性をより重視した組織体制の構築を図ることとしております。2ページをご覧ください。今回の組織改正のポイントですけれども大きく三つ,3点ございます。まずは,創造的復興による新たな広島県づくりに,引き続き最優先で取り組むため,必要な組織体制の整備を行います。次に,ひろしま未来チャレンジビジョンの総仕上げを行うため,子供の健やかな育ちを支える環境の充実,そして,地域共生社会の実現,また新たな観光推進体制の3つについて,組織改正を行います。次に,新たな次期総合計画を見据えた基盤をしっかりとつくっていくため,ブランド戦略とデジタルトランスフォーメーションに係る体制を強化いたします。なお,特定ミッションのさらなる推進によりまして,組織全体のパフォーマンスを一層向上させるために,令和2年度より,部長の職名を「総括官」という形に見直します。それでは,具体的な内容について,3ページをご覧ください。まず,1点目でありますが,災害に強い広島県の実現に向けた体制の整備についてであります。「みんなで減災」県民総ぐるみ運動の取組をより強化いたしまして,災害に強い広島県の実現を目指すため,「みんなで減災推進課」を新設いたします。あわせまして,同課を中心とする全庁横断の「広島型避難行動推進プロジェクト・チーム」を新設しまして,自助,共助,公助にわたる,より効果の高い被害防止策を推進してまいります。続いて,4ページですが,子供の健やかな育ちを支える環境の充実に向けた体制の整備についてであります。全ての子供たちが成育環境の違いに関わらず,健やかに夢を育むことのできる社会を実現していくため,「子供未来応援課」を新設するとともに,「ネウボラ推進担当監」を置きまして,ひろしま版ネウボラの推進や,育ちに関するさまざまな情報の共有など,最適な予防的支援の新たな仕組みづくりを一体的に推進いたします。また,児童虐待防止対策を強力に進めていくために,介入,虐待の案件があった場合に対応していくということです。介入から支援,これは心理ケアが中心になりますけれども,〔介入から支援〕まで一貫して対応ができるように,県内3地域にあります,こども家庭センターの組織体制を再編いたします。続いて,おめくりいただいて5ページになりますが,地域共生社会の実現に向けた体制の整備についてであります。多様な主体が世代を超えて繋がる「地域共生社会」を実現していくため,健康福祉局に「地域共生社会推進課」を新設いたします。あわせまして,同課を中心とする全庁横断の「地域共生社会推進プロジェクト・チーム」も新設いたします。その下の,6ページであります。新たな観光推進体制の構築についてでございます。東京オリンピック・パラリンピック等,国内外の高まる旅行需要,これは今,足元では〔新型コロナウイルス対応で〕ちょっと揺らいでいるところですけれども,いずれ通常状態に戻った際の旅行需要を確実に捉えるため,マーケティング戦略に基づいた効果的な観光施策を実施することとし,広島県観光連盟と県の観光課が一体となりました,新たな観光推進体制を構築いたします。あわせまして,来年度行われます「ひろしまトリエンナーレ」や「新たな観光振興財源の検討」等の総合的な対応に向けまして,「総括官」観光魅力創造担当と「観光魅力創造担当監」を設置いたします。続いて,おめくりいただいて7ページになります。ブランド戦略とコミュニケーション戦略の一体的な展開に向けた体制の強化についてでございます。国内外から選ばれる広島県の実現のために,「総括官」ブランド・コミュニケーション戦略担当と,「ブランド・コミュニケーション戦略チーム」を新設いたします。さらに,ブランド戦略については,「CBO」チーフ・ブランディング・オフィサーを新設いたしまして,高度な専門的知見と実績を有する外部人材を登用いたします。このCBOには,キリンビール株式会社企画部部長の山田精二さんに就任していただきます。本日,東京から来ていただいておりますので,この記者会見の後に,囲み取材を設けております。ぜひ,取材をお願いできればと思います。続いて,その下の8ページになりますが,デジタルトランスフォーメーションを牽引していく体制の強化についてであります。「スーパー・スマート広島県」に向けまして,全庁のデジタルトランスフォーメーションを戦略的に推進していくため,「総括官」デジタルトランスフォーメーション戦略担当と「デジタルトランスフォーメーション推進チーム」を新設いたします。続きまして,おめくりいただいて9ページです。先ほどから,でてきているのですが,令和2年度は,ひろしま未来チャレンジビジョンの総仕上げと次期総合計画の仕込みの年となることから,部長級の職員が持つ特定のミッションのさらなる推進を図って,組織全体のパフォーマンスを一層向上させるために,「職名」の見直しを行うことといたします。これまで,何とか部長というタイトルでしたけれども,全員,これを総括官と呼んで,何担当というような形の呼称になります。いわゆる,我々はミッション部長と呼んでいるのですけれども,ライン部長は従来どおり,何とか部長と呼ぶこととなっております。それから,資料の中には,記載していないのですけれども,旧陸軍被服支廠に係る検討体制についても,若干〔組織改正が〕ございまして,この〔旧陸軍〕被服支廠については,昨年以降,いろいろ県民の意見,国会でのさまざまな議論,あるいは広島県議会議長からの要請など,さまざまなご意見をいただいたところでありまして,こうした状況を踏まえまして,幅広い観点から検討を行なっていくために,県政全体の経営戦略を担う,経営戦略審議官組織に「政策監」被服支廠担当を新設いたしまして,さまざまな課題を整理するとともに,さらなる議論を深めていきたいと考えております。それから,10ページでありますけれども,来年度の組織・定員管理の状況についてであります。上段「本庁組織の状況」というのがございますが,この度の組織改正で組織の統廃合がございまして,本庁知事部局の〔組織の〕数は,前年度から3つ減りまして,99課となります。また,下段の「定員管理の状況」についてご覧いただきますと,増減見込みの欄にありますように,全体で66人増の見込みとなっています。これは,ネット〔正味〕66人増えるということです。これは右の欄に書いてありますけれども,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興への対応といたしまして,92人増を見込んでおりまして,それが主な要因となって,ネット66人増と〔なっています〕。その他で,26人減っているわけですけれども,もろもろあわせまして66人の増という形になっております。最後,11ページをご覧ください。今回の人事異動におけます「女性職員の活躍推進プログラム」実施状況でございます。今回の人事異動は,プログラム期間中,最後の定期人事異動となるものでございます。〔それ〕で,人数について,病院医療職を含む数字と,病院医療職を含まない数字の両方を記載してございます。まず,女性職員の登用状況についてですが,局長級については,昨年度から1人増となりまして3人,プログラム実施前の平成27年度からは2人の増になります。部長級については,昨年度から2人減の4人,〔それ〕で,平成27年度からは,増減なしというところであります。課長級については,昨年度から12人増の36人,〔それ〕で,平成27年度からは23人の増となっております。合計すると43人の女性管理職〔員〕を配置することになります。なお,局長級に3人の女性職員を登用するのは,本県では初めてとなります。〔それ〕で,速報値ですけれども,女性管理職につきましては,目標13.0パーセントに対して,12.4パーセントとなっております。ちょっと足りなかったというところでありますけれども,知事部局だけでみますと13.2パーセントとなっておりまして,病院は若干,ちょっと性別の構成が違うとか,いろんなこともありまして,最終的にはそこも含めてやっていく予定になっていますけれども,現状こういうことになっているというところであります。それから,参事級,あるいはGL・係長職においても,女性職員が着実に増えているというところでありまして,女性管理職の計画的な登用のため,将来に向けての人材登用も進んでいるという状況であります。次期プログラムについては,今月内に策定するというところを目指しておりまして,現在,とりまとめを進めているところであります。〔それ〕で,その中で,女性登用についても,引き続き,意欲的な目標を掲げて,計画的な女性人材の育成・登用に努めてまいりたいと考えているところであります。以上が,令和2年度の組織改正及び人事異動の概要についてでございます。この新たな体制をもとに,創造的復興を力強く推し進めるとともに,ひろしま未来チャレンジビジョンの総仕上げの年として,県政運営の基本方針2020に掲げる重要施策を着実に推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
(司会)
それでは発表事項に関する質問に入ります。終了時間は14時05分を目安としたいと思います。ご質問がございましたら,社名を名乗ってから発言をお願いいたします。それではお願いします。
(中国新聞)
中国新聞の樋口です。3点ほどお願いします。まず,女性登用のところなのですけれども,かなり局長の3人というのは,これまで最多ということだったのですけれども,〔資料の〕課長のところを見ても,この5年間でかなり増えてきたなというふうに受け止めていますけれども。すいません,まず基本的なところで,まず女性を積極的に登用していく意義というか,そういうことについて,今,知事どういうふうな思いでいらっしゃるかというのを,ちょっともう一度確認させていただいてよろしいですか。
(答)
そもそも,いくつか観点がありますけれども,一つは男女共同参画という観点からの取組です。それからもう一つは,単純に女性の比率が低いというのは,女性の能力開発が十分にできていなかったのではないかというようなこともありまして,庁内にいる人材の能力,これを最大限活用していくのは,組織の力を引き出していく上で,必要なものでありまして,それを行っていくということです。それから,これ〔は〕今,多様性という観点も言われておりますけれども,やはりこれまでの男性中心的な社会,あるいは組織にあって,女性の視点というのが入るのは,やはり,多様性に繋がる部分がありますので,そういったことを通じて,やはり多様な考え方,それに伴う成果の拡大と〔いうことを目指しています〕。単に一人一人の能力ということだけではなくて,集合体としての能力拡大といったようなことがあるかと考えておりまして,そのために女性の活躍促進を積極的に取り組んでいくというところでございます。
(中国新聞)
それにちょっと関連してなのですけれども,実際その,就任以来だと思うのですけれども,女性登用を進めてこられて,実際に指揮をとっていく,組織を見ていく中で,良い方向に変わってきたなと思うこととかですね,そういうことってやっぱりかなりあるのでしょうか。
(答)
もちろんです。やはり議論が活発になったりとか,そういう効果があると思っていますし,我々が内部でいろいろ議論していく中でも,女性の発言が増えると,そうすると何が起きるかというと全体の発言が増えると,〔そう〕いったようなことが起きます。やはり議論が活発になるということは,いい知恵が生まれる,そういうことに繋がっているのではないかと思います。
(中国新聞)
今月内に,次の目標を策定ということだったのですけれども,プログラムですかね。一方で,ここまで増えてきて,まだ13パーセントという状況で,管理職でいうとですね,そういう状況なのですけれども,まだまだ高めていきたいという基本的なお考えはそういうことでたぶん良いと思うんですけれども,逆に課題というか,これからの女性登用を進める上での課題というのは,どういったところと考えられていますか。
(答)
課題というのは,女性登用ということだけではなく,やはり人材開発全般の課題だと思っていまして,やはり県庁において,あるいは,新しい時代において求められるスキルであるとか,視点であるとか,あるいは能力というか,そういうものを育成していかなければいけないわけですけれども,そういう中でいわゆる,アンコンシャスバイアス〔無意識の思い込み〕と言われるようなものを取り除いていけば,おのずと女性のポスト登用というのも増えていくと思っています。そういう意味では,このアンコンシャスバイアスと言われるようなものをいかに取り除いていくかということは非常に重要な課題というか,必要なこと〔だと考えています〕。このアンコンシャスバイアスというのは,女性登用だけでなくいろいろなものがありますので,そういったものを相対的に取り組んでいく必要があると考えています。
(中国新聞)
アンコンシャスバイアスというのは,例えば意識していないのだけれども,刷り込まれているみたいな,そういうことですか。
(答)
そうです。例えば,よくあるのが,女性はどうしてもライフステージの中で,育児休暇を男性よりも長くとっているという傾向がありますけれども,育児休業があるから能力開発が進んでいないという。いやいやいやいや,そういうことはないわけです。進んでいるか,進んでいないか個人がどうなっているかに注目しないといけないのですけれども,カテゴリーとして,そう思ってしまうというようなことが,やはりあるのではないのかなと思いますけれども,そういったものが例えば,アンコンシャスバイアスの一つです。あるいは,女性だから出張ができないではないのかとか,そういったことです。それはいろいろ〔あるのですが〕,前提として,「女性が子育てをするものでしょ」という,そういう前提があるからそうなるのですけれども,そういったようなこと,そういうものを打破していく必要があるということかと思います。
(中国新聞)
もう1個だけ,被服支廠の件でちょっとお触れになったかと思うのですが,経営戦略審議官の下にっていうのは,ちょっとすいません。松井〔経営戦略審議官〕さんの下〔に置くということ〕で,経営企画チームに置くということではないということですか。〔それとも〕経営戦略審議官の下の経営企画チームに置くという理解で良いのですか。政策監を。
(答)
そういう〔経営企画チームに置くという〕ことです。
(中国新聞)
全部の体制というのは何人,政策監を置いて,スタッフも含めて何人体制と言ったらよろしいですか。
(答)
〔政策監とスタッフ〕2人です。
(中国新聞)
政策監と担当者,その上ですいません。一つの事業というか,事業というよりも,一つの案件に対して,政策監を置いて,担当も置くというのは,なかなかあんまりあることではないと思うので,そういう意味ではこの問題というか,長年の懸案なんですけれども,どうにか前進をさせていきたいというか,国とか広島市とかとも調整しながら,何とかこう前に進めて行きたいのかなという意欲の表れなのかなとも思うのですけれども,まず今回の部署,持ち場づくりに込めた知事の思いというか,そこをちょっと確認させてもらって良いですか。
(答)
あまり深読みをしないでいただければと思いますけれども,単純に各方面に〔業務の部署が〕わたることなので,主としていろんな調整事項が多いかと思っていますので,それで経営戦略審議官のところに〔置くことにしました〕。他で〔置くということ〕もあり得たのですけれども,そこが適切ということで設置したということです。その上で,100パーセントこれしかやらないかどうかというのは,またここはいろいろな人繰りの中の話なので,ただ担当をどこにするかというのを明確にする上で,そういう担当〔にしたということです〕。なので,この〔説明資料の〕中に入っているというものでもないけれども,おそらく皆さんの関心が高いので,ご説明したということです。
(中国新聞)
今の体制を変えた意味っていうのは,どこにあるのでしょうか。今の現行,財〔産〕管〔理課〕が持っていましたよね。そこから,移管をしてさらに専従のところを置いたという形にはなると思うのですけれども。
(答)
元々,そうなのですけど,いろんな部署にまたがることなので,それは庁内でもどこかの担当局がいろんな部署にまたがることをやることもあるのですけれども,総合調整という上では,経営戦略審議官のところが良いのかなということで,そこに置くことにしたということです。
(中国新聞)
例えば,総合調整の中身というか,今どういったものを当面進めていくか,期待されているかといったことはどういったことになりますか。
(答)
例えば,それこそ被爆者の皆さんであるとか,あるいは保存会の皆さん,あるいは国との連携,財政問題,市との連携,平和という価値,あるいは建築物という価値,文化財とかです。いろいろ,今,挙げただけでも全部違う部署なわけでありまして,そういうようなことでしょうか。
(中国新聞)
あらためてなんですが,来年度の予算編成の時期ぐらいを目途に今後,結論を導いていきたいという思いは,もちろん,今の段階でも変わっていないということでよろしいですか。
(答)
思いというか,良く皆さん「思い」と言われるのですけれども,〔思い〕というよりは,やはり安全対策というのは喫緊の課題でありますので,たまたま,今の西側の壁の補強の調査の結論というか,見通しというか,アウトプットがでてくるのが9月ぐらいということなので,来年度,というか再来年度の予算でその対応を盛り込んでいくということになるのだと思うのですけれども,そういう観点から来年度が一つの目途だと,そういうことです。
(読売新聞)
では,3ページ目でご説明いただきました広島型避難行動推進プロジェクト・チームに関してなのですけれども,「みんなで減災」県民総ぐるみ運動というのは,確か広島土砂災害を契機に条例もつくって,始められたと思うのですが,今回,この新しい課をつくるというのは,やはり西日本豪雨の際に避難した方が少なかったということと関係するのかということをあらためてお伺いしたいのと,あとプロジェクト・チームに「広島型」という言葉が付いている,この意味について知事の考えを聞かせてください。
(答)
今,ご指摘ありましたように,これまで「広島県みんなで減災」県民総ぐるみ運動というのを進めてきたところでありますけれども,7月豪雨災害を受けて,我々,あらためて調査研究を進めてきたわけであります。これは,ご承知のとおり,有識者の皆さま,大学の先生の皆さまに入っていただいて,調査・分析を進めてきたわけですけれども,その中で豪雨災害に関する知識を習得するであるとか,あるいは他人の行動に引っ張られて行動する。つまり避難する場合には避難するし,みんながしていないと〔避難〕しないとかです。あるいは避難の実効性を高める,あるいは避難の実行可能性を高める,避難所をどうしたらいいのかということを再考すべきであるという三つの要素が避難行動を促進する上で考えていかなければいけない,逆に言うとそれを適切にやれば有効になるのではないかということがわかったわけでありまして,そういったことを踏まえて,より効果的な被害防止策というのを構築して,それを実施していくと言うか,実装していくと言いますか,そういうことが必要だということで,こういった体制を取ることにしたわけでございます。〔それ〕で,「広島型」と付いているのは,今のような我々の調査・研究に基づいて広島県独自で今,考えている。これは我々だけの独自ということではなくて,もちろんいろいろなところと共有していきたいと考えていますけれども,そういった思いということ〔です〕。それから,これもご承知のとおり,広島は土砂災害警戒区域が非常に多いということがありまして,これは全国一多いということなのですけれども,そういった地域特性もあるということも含めて,「広島型」と呼んでいるところです。
(司会)
その他,〔質問は〕ございますでしょうか。
(中国新聞)
中国新聞の岡田です。今回,部長級のミッション部長を総括官という名前に変えるということですけど,職名を変えることに,役割が実際にはどういうふうに変わっていくのか,そこら辺,具体的にどのようなお考えなのか教えていただけますでしょうか。
(答)
これはやはり部長として,ミッションを統合的に,あるいは総括的に担当するわけですけれども,その範囲をもう1回明確にしようと〔考えました〕。これまで何とか部長といって,通常のライン部長と何となくあまり変わらないようなことになりつつあったので,それを,もう1回あらためて意識して,それぞれのミッションに注力すると。そのために業務の最適化であるとかを行っていくと〔いうことです〕。結果として組織全体のパフォーマンスを向上させていきたい。そういうような狙いがあるということです。
(中国新聞)
わかりました。もう一つ,新しいポストでCBOというのをつくられるということですけれど,外部から登用されるということで,今回,キリンの山田さんを起用されるに至った経緯をご説明いただけるでしょうか。
(答)
起用する経緯ですか。我々,ずっとブランドの強化というのを進めてきて,四つのブランド価値であるとか,その浸透を図るためのさまざまな取組というのを行ってきましたけれども,一定,個別には認知も高まっていたり,あるいは,それに基づくさまざまな実態というか,そういうものも生まれてきて,例えばレモンみたいな〔ものです〕。これは,食というブランドの中の一環ですけれども,レモンというのは非常に全国的にも認知が高まってきて,レモンを使っていろんな製品が出てきたりとか,あるいはそれだけではなくて,これは私あまり言われていないのですけれども,広島県がレモンに取り組んできた結果ではないかと思うのですけれども,今,レモンはすごいブームです。ブームとまで言わないかもしれないですけれども,結構流行っています。飲み物的にも流行っていますし,いろいろなところでレモンを使った食べ物だとかも出ているのですけれど,そういう効果も出ているのですけれども,では,広島県全体としてのブランド力という観点から言うと,まだまだ改善の余地があるのだろうというところで,それをやりたい。それから,もう一つは,今やはり,我々,EBPM〔根拠に基づく政策立案〕だとかということも進めていますけれど,そういう中で,より何と言いますか,戦略的にいろいろな事業を構築していく上でのマーケティング的な基本的なスキルであるとか考え方ということをより深く導入していかなければいけないというところで,こういう人を外部から呼んできたいと考えたところで,そういう中で,やはりブランドを,どの企業でもブランド〔づくり〕を取り組んでいますけれども,特にキリンビールさんだとか,あるいは食品メーカーとか,あるいは家庭用品などもそうですけれども,一定非常にブランドについて,ブランドというものが大きな事業の推進力になっている業界・業態というのがあって,ビールはその一つであって,いろんなご縁もあって,キリンビールさんといろいろお話をする中で,山田さんを快く,力をお貸しいただけるというか,そういうことになったということです。
(中国新聞)
いろんなご縁とは何なのですか。
(答)
いろんなご縁は,いろんなご縁でございます。
(中国新聞)
〔知事の〕人脈でという〔ことですか〕。
(答)
いや,私の〔人脈〕というよりは,組織としてのお付き合いというか,そういうところではないかなと思います。
(中国新聞)
続けて中国新聞の畑山です。関連してお伺いします。先ほど県全体のブランドについては改善の余地がまだあるのではないかという話で,この〔組織の〕新設ということだったと思うのですけれど,具体的にはどのような点をそういうふうに見ていらっしゃるのか〔伺います〕。
(答)
改善の余地があるかということですか。それは,我々,四つ言っているブランド価値というのは,平和のために集う場であるとか,あるいは先端技術であるとか,それから都市と自然が近いと,それから食とあるわけですけど,一定程度認知されているものはあります。例えば平和であるとか。自然と都市が近いというところも認識はされていますけれど,それが何と言いますか,一つの価値として,ただただ近いということではなくて,それがやはり新しいライフスタイルだとか,21世紀型の暮らし方みたいな,そういうところに繋がっていくところには,まだ行っていないと思いますし,食については,まだまだ改善の余地があると思いますし,先端技術という観点からはまだあまりそういうイメージは必ずしも浸透していないということがあって,そういった個々のブランド要素についてもそうですし,我々,ブランド連想マップというのもチェックしていまして,広島と聞いたときに,どんなことを思い浮かべますかといった調査をすると,やはり非常に〔ブランドイメージが〕強いところは,価値連想があるのです。住みやすいであるとか,美しいだとか,そういう価値連想があるのですけど,広島の場合は,まだちょっと弱かったりとか,今言ったような四つの分野の連想が必ずしも強く出てくるというところまでいっていないだとか,そういうようなことがあるので,より強化していくという〔ことです〕。具体的にイメージすれば,皆さん,すぐわかると思うのですけれども,例えば北海道とか言ったら,何となくイメージがあるでしょう。北海道とか,たぶん,石川というとこうあまり思い浮かばないといったら,石川県に怒られちゃうのですけれど,金沢というと何となく皆さんイメージをお持ちでしょう。京都のイメージはありますよね。北海道と京都と,それから金沢と,金沢と京都って何か近いイメージがあるけど,他より全然違いますよね。そういうような,やっぱり漠としたところのイメージ,そういうのが強いところと弱いところとあって,広島は,まだ必ずしも強いイメージが〔あるとは言えない〕,原爆ドームだとか宮島とかいうもの以外には少ないというか,薄いということだと思っています。
(司会)
その他,〔質問は〕ございますでしょうか。
(日経新聞)
日経新聞田口です。県の観光連盟と県観光課が一体となった新たな観光推進体制についてなんですけど,マーケティングとかコンテンツ開発というところで見てみると,せとうちDMOがやっているところと少し重なるところがあるかなっていうふうに思うのですが,その辺の協力とか住み分けみたいなところはどのようにお考えでしょうか。
(答)
もちろん,せとうちDMOは広域のブランドづくりをしてもらっていまして,広島というのは,その中に入り込んでいくような形,あるいは広島自体は相対的〔には〕,瀬戸内よりも,むしろ名前的には,それこそグローバルではブランド認知があるので,その相互作用によって,この観光客の誘客と滞在の延長〔が見込まれると思うの〕です。宿泊していくという,そういったことが図られると思っていまして,県の新しい体制では,もちろん広島県の今のような観光向けのブランド構築とそれから我々はプロダクトと言っていますけれども,プロダクトの開発を行っていくということになっていきます。
(司会)
それでは,目安としていた時間も過ぎましたので,次を最後の質問にしたいと思います。ご質問のある社はいらっしゃいますでしょうか。
(TSS)
すいません,TSSの菱野です。CBOの件で少し関連でお伺いしたいのですけれども,少し説明でもあったと思うんですけれども,CCMOとの,この住み分けといいますか,どういう役割の違いになってくるのか,もう少し具体的に説明があればお願いいたします。
(答)
CBOのミッションというのは,先ほど申し上げたように,この広島県のブランドの強化というところに力を入れていただくということと,それからこれも先ほど申し上げたとおりですけれども,今はマーケティングでかなり専門的なスキルみたいなところもありますので,そういったところをどう県庁の中に埋め込んでいくかというようなところを総合的に見ていただくというような役割です。〔それ〕で,CCMOの方は,従来の活動の中で,その個々〔の〕素材であるとか,あるいは個々〔の〕活動における具体的なネットワークづくりであるとか,あるいはネタづくりと言うとちょっとあれですけれども,内容づくりというようなこと,そういったところに携わっていただいているので,引き続きそういったところをやっていただくと考えています。
(TSS)
そこの中で相互連携みたいな〔ものがあるのでしょうか〕。
(答)
もちろんです。お互い会話できる。いや,会話できるというのは人間関係という意味ではなくて,もちろん人間関係はつくっていくのですけど,マーケティングの専門性を持ったという意味での,その専門的会話ができるという意味です。その中で連携していただくということであります。
(司会)
それでは,以上で発表を終了したいと思います。ありがとうございました。
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