全国トップレベルの高度医療を提供する機能や、医療人材を育成・循環する機能を有する「高度医療・人材育成拠点」として、県立広島病院、JR広島病院、中電病院、HIPRACが一体となり、広島駅の北口(広島市東区二葉の里)に1,000床規模の新病院を整備する予定です。
※HIPRAC:広島がん高精度放射線治療センター
どうして病院を再編・統合して新病院をつくるの?
広島県は
- 「医療資源の分散による、医療機関のマンパワー不足」
- 「医師が不足している地域がある」
- 「症例が集積されておらず、若手医師にとって魅力的な環境が整っていない」
という課題があります。
さらに今後、
- 「高齢者の増加に伴う患者の増加」
- 「2024年4月から始まる医師の働き方改革」
などの変化に直面していきます。
仮にこの現状が今後も続いていくと、
- 「進歩し続ける最新の医療を提供できなくなる」
- 「県内の若手医師の減少傾向の加速」
- 「地域間・診療科間の医師偏在の拡大」
といったことが懸念されます。
課題解消のため…
広島県内において、医療機関内の適切な機能分化を行いながら、患者にも医療従事者にも魅力のある医療機関を作る必要があるため…
「医療資源の集約」と「症例の集積」を行う、1,000床規模の新病院を整備することを検討しています。
医療資源を集約することで…
- 質の高いチーム医療の提供が可能になる
- 余裕あるスタッフ構成で、医療従事者にとって働きやすい環境となる
症例を集積することで…
- 医療従事者の経験値が高まり、治療成績が向上
- 多彩で豊富な症例が経験できるようになり、若手医師にとって魅力的な施設となる
新病院ができると どうなる?
新病院ができることで、
新病院の目的
課題解消のためには、新病院をつくるだけでなく、ステップを踏んでいく必要があります。
STEP1
医療資源を集約・症例を集積し、全国トップレベルの医療を提供する新病院を整備
STEP2
症例集積を含めた、医療職にとって魅力的な環境を整備し、医療人材不足を解消
STEP3
広島県内で働く医療職の数が増える過程において、地域医療に関心のある医療者を確保・育成することで、地域間・診療科間の医師偏在を解消
新病院の理念・基本方針
理念
県民の皆様に信頼される基幹病院として、全国トップレベルの高水準かつ安全な医療を提供するとともに、医療人材を育成し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる広島県の実現に貢献します。
基本方針
- 県民の信頼に応える病院
質の高い急性期・高度医療が受けられる病院、快適な療養環境等の整備
- 職員にとってやりがいを持て、働きやすい病院
人材を惹きつける病院、職員にとって働きやすい病院
- 環境にやさしい病院
効率性・経済性を考慮した施設の整備
新病院の役割
- 高度急性期医療機能
高度急性期・急性期を担う基幹病院として、多くの医療人材を活用し、最先端かつ多角的な医療技術を用いて、県民の皆様に全国トップレベルの高水準かつ、安全な医療を提供します。
- 医療人材育成機能
大学との連携により、高度急性期医療の提供に必要な医療スタッフを確保するとともに、地域の医療の質を強化するため、豊富な症例や充実した指導体制など魅力ある研修体制を整備し、若手医師をはじめとする医療人材を惹きつけ、育成します。
- 広島県の医療提供体制を支える機能
大学病院等と連携して県内の拠点病院を中心としてネットワークを構築するとともに、診療情報を共有し、地域医療支援病院として地域完結型の医療を実現するための中核的な機能を担います。
また、大学や広島県地域医療支援センターと連携した中山間地域の医療機関に対する医療人材の派遣・循環の仕組みを構築することにより、中山間地域の医療提供体制の維持に努めます。
新病院の規模や機能
病床数
将来の医療需要に加え、新病院が提供する医療レベルの向上や、集積した医療人材の育成機能の向上、さらには、高齢化に伴う救急医療需要の増加などを加味した上で、県内の高度医療の提供状況を踏まえ、必要十分な病床数として1,000床とします。
診療科
広島大学をはじめとした地域の医療機関の役割分担及び連携体制を踏まえ、現在、再編対象病院が有する診療科を維持しつつ、新病院が備えるべき専門性に合わせた、41科目を基本として検討します。
新病院の特徴は?
小児医療
- 中国地方初のER併設の小児救命救急センターで、24時間365日小児救急患者に対応
- いわゆる“こども病院”として、あらゆる小児の疾患に対応
がん医療
- がんゲノム医療、手術、放射線、薬物、免疫療法等を組み合わせた集約的治療を提供するがん医療センター
- 次世代スマートホスピタルとしてのデータ利活用等による、新たながん治療法を開発するための高度な臨床研究や治験
救急医療
- 特に夜間・休日の救急医療体制のバックアップを目的とし、各高度専門医療センター、救急車の多重受入が可能な“断らない救急”の実践
- 検査や治療が部屋の移動なく行えるハイブリットERの整備による、これまで以上に迅速な治療
建設予定地
広島県の基幹病院として、県全域からの交通の利便性が高い立地が望ましく、また、防災上の視点からも、南海トラフ地震発生時に津波浸水のおそれのない広島駅の北側(広島市東区二葉の里3丁目)を新病院の整備場所とします。
運営形態
新病院は「地方独立行政法人」として運営を行っていきます。
地方独立行政法人は、
- 政策医療の実施を担保することができる
- 予算執行、定数管理、給与制度等において柔軟な対応が可能である
- 持続可能な病院経営の仕組みが担保されている
といったメリットがあります。
新病院開院までのスケジュール
新病院は2030年度に開院予定です。
2023年9月に基本計画を策定し、基本設計、実施設計と進み、具体的な設計図面を作成していき、2026年度から工事に着手します。
新病院ができることでどんな広島県になるの?
「安心・誇り・挑戦 ひろしまビジョン」に掲げる、
「全ての県民が、質の高い医療・介護サービスを受けることができ、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる広島県を実現」します。