スマートフォン等のインターネット接続機器の普及によって、インターネットはますます私たちの生活に身近なものとなりました。子供たちも自分のスマートフォンを持つようになり、動画視聴やゲームなど、あらゆる場面で利用するようになりました。
一方で、有害情報サイトなどにアクセスし、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースは後を絶ちません。そこで、トラブル防止のために、保護者が行うべきポイントを紹介します。
進学や進級をきっかけに、子供にスマートフォンを持たせることを検討しているご家庭は多いのではないでしょうか。自分専用のスマートフォンを持つ子供の割合は、学校種が上がるにつれ高くなっています。
広島県で令和6年度に行った調査では、自分専用のスマートフォンでインターネットを利用している割合は、小学生で25.0%、中学生で60.9%、高校生では92.0%となっています。
※分母:アンケート回答者全員(学校種別)
〈青少年のスマートフォン専用・共用状況〉
最近の青少年は、インターネットを利用して何をしているのでしょうか?
同調査結果によると、高校生では、「動画を見る」、「投稿やメッセージ交換をする」、「検索する」、中学生では、「動画を見る」、「投稿やメッセージ交換をする」、「ゲームをする」、小学生では、「動画を見る」、「ゲームをする」、「検索する」がそれぞれ上位を占めています。
1日3時間以上インターネットを利用する青少年は、33.6%となっています。
インターネット上の世界には、子供たちにとって役立つ情報がたくさんある一方で、暴力的表現やアダルト画像といった悪影響を及ぼす有害な情報も数多く存在します。
また、メールやインターネット掲示板、SNSなどのコミュニティサイトについても利用方法を誤ると、自分が気づかないうちに見知らぬ人に個人情報が知られてしまうなど、様々なトラブルが生じる危険があります。
SNSなどで人の悪口を書き込むなど、インターネット上での人権侵害やいじめが発生し、被害に遭った子供が不登校になるなどの事例が発生しています。
SNSなどに安易に個人情報を記載したために、写真や名前、メールアドレスが知らないところで勝手に使われ、嫌がらせを受ける被害が発生しています。
最近は、出会い系サイトだけでなく、SNSやゲームサイトなどで知り合った人からの誘い出しを受けて、子供が性的被害を受けるケースが増えています。
「無料」とうたっているオンラインゲームで遊んでいる間に、アイテムが有料であることに気づかず購入してしまったため、高額の料金を請求されてしまうトラブルが、子供の間で多く発生しています。
※子供のインターネットトラブルの事例について、さらに詳しく知りたい場合は、下記のウェブサイトをご覧ください。
こうしたトラブルに巻き込まれることなく、子供たちが安全に安心して、インターネットを利用するために、保護者がその特徴や、様々なリスクについても理解しながら、子供を見守ることが重要です。そのためのポイントを紹介します。
子供にスマートフォンや携帯電話を持たせるときは、ただのプレゼントやご褒美としてではなく、「何のために必要なのか」「どのように使うのか」を話し合うことが大切です。例えば、「緊急連絡」「(GPSによる)所在確認」「防犯」「学習のための調べ物」といった利用目的を、あらかじめ子供と話し合って決めておく、などが有効です。
また、子供も自身に「スマートフォンや携帯電話を持つ必要性と責任」を自覚させるために、インターネットの特徴や有害情報などの危険性、個人情報を守る必要性などを説明し、本人に危機意識を持たせるようにしましょう。
最初のうちは、子供のスマートフォン等の利用を保護者が見守りながら、子供がインターネットを利用する際のマナーや安全に利用するための知識を身に付けられるようにしましょう。
ペアレンタルコントロールとは、子供のスマートフォン等の使用状況を保護者が把握したり、安全管理を行ったりする仕組みで、OS事業者、アプリ開発事業者からサービスが提供されています。例えば、子供がスマートフォン等でゲームをプレイする場合、保護者のスマートフォンで、子供の日々のプレイ状況を確認したり、プレイする時間の長さや時間帯の調整、課金の制限等を行ったりすることができます。子供の使用状況に応じて上手く活用しましょう。
※ペアレンタルコントロールについて、さらに詳しく知りたい場合は、下記のウェブサイトをご覧ください。
子供がスマートフォン等を利用する際には、有害情報へのアクセスを制限する「フィルタリング」を活用しましょう。うっかりあるいは故意に危険なサイトにアクセスしないようにコントロールしてくれる便利な機能です。それによって、出会い系サイトやアダルトサイト、暴力的な表現のあるサイトなどを、子供が閲覧できないようにします。
なお、携帯電話会社では、18歳未満の子供がスマートフォン等を利用する場合には、フィルタリングサービスについての説明や設定を行っています。子供の年齢や使い方によりレベル設定ができ、利用したいサイト、SNS等の個別設定もできますので、上手に使って、子供の安全を守りましょう。
また、『青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律』第6条において、保護者は「青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの利用その他の方法によりインターネットの利用を適切に管理し,努めるもの」とされています。
※フィルタリングについて、さらに詳しく知りたい場合は、下記のウェブサイトをご覧ください。
あんしんフィルターロゴfor(企業名/ブランド名) |
あんしんフィルター for docomo |
あんしんフィルター for au |
あんしんフィルター for SoftBank |
注意点 |
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実社会でやってはいけないことは、インターネット上でもやってはいけません。また、たとえ友達や知り合いに向けて発信したつもりでも、一度インターネット上に公開した情報は勝手に拡散され、いろいろな人に見られるだけでなく、削除することも難しくなるという危険性があることを認識させましょう。
子供が、スマートフォン等で上手にインターネットを活用できるようにするために、家庭のルールを作りましょう。ルール作りは保護者の一方的な押し付けではなく、子供と一緒になって、利用目的や利用場所・時間帯を話し合ってルールを決めることが大事です。また、そのルールは成長と共に少しずつ改定していくことが必要です。
ルールやマナーを守る習慣を身に付けさせましょう。
スマートフォン等の利用状況については、子供と折に触れて話し合い、問題がないか確認しましょう。万が一、トラブルが生じたときには、子供が一人で抱え込まず、すぐに保護者に相談するよう、普段から子供と話し合っておきましょう。
「2 子供たちのインターネット利用に潜む危険」で、様々なインターネットトラブルを紹介しました。実際に、インターネットトラブルに遭った時には、どこに相談すればいいのでしょうか。ここでは、インターネットトラブルに遭った時の相談窓口を紹介していきます。
どこに相談したらいいかわからない時は、各県の警察で設置されているサイバー犯罪相談窓口(広島県の場合は、県警が設置している「サイバー110番」)に相談してみましょう。
サイバー110番(広島県警察)
電話番号 082‐212‐3110(サイバー) ※受付時間:8時30分~17時00分電子メールフォームはこちら⇒https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police3/cyber110-jyoho-soudan.html※24時間対応(執務時間外(平日の午後5時15分から翌日午前8時30分、土曜日、日曜日、祝祭日、12月29日から1月3日)に送信された場合は、翌執務日以降の受付となります。) ※人命にかかわる場合など緊急を要する場合は,110番または最寄りの警察署へ電話してください。 |
ヤングテレホン☎ 082‐228‐3993〔県警察本部少年サポートセンター〕
性被害ワンストップセンターひろしま☎無料ダイヤル #8891(NTTひかりからは0120-8891-77へおかけください)
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■ネット通販詐欺や架空請求,ゲームアプリの高額請求等の場合
広島県生活センター☎ 082‐223‐6111〔消費生活相談〕
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24時間子供SOSダイヤル(いじめ等相談窓口)☎ 0120‐0‐78310
子どもの人権110番(なやみごとに関する相談窓口)☎ 0120‐007‐110
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違法・有害情報相談センター(インターネット上の違法・有害情報に関する相談窓口(Web窓口))
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