広島県の4分の3は森林・原野。
山林が人の暮らしを支えてきました。
県土の約70%が森林で占められている広島県。
そのうち30%はスギ、ヒノキなど人間が植林した人工林ですが、県北部の奥山ではブナ、内陸部の里山ではコナラやアベマキといった落葉広葉樹の天然林が広がっています。
西中国山地はツキノワグマの本州最西分布地となっているほか、国指定の天然記念物のほ乳類ヤマネや県指定の天然記念物(熊野水系)のゴギも生息しています。
廿日市市吉和冠山
標高1,339mと広島県で2番目に高い山。
珍しい植物も多く、標高600m付近の冠高原ではレンゲツツジ(広島県の天然記念物)も見ることができます。
ブナ林
比婆山一体に広がるブナの原生林は日本海型と太平洋型の特徴を合わせ持つものとして注目され、国の天然記念物に指定されています。
帝釈峡
広島県東部の帝釈峡周辺は、石灰岩が露出した独特な地質。
周辺には、中国大陸や朝鮮半島と陸続きだったことを物語るヤマトレンギョウ、チョウセンヒメツゲなどの植物が見られます。
山の生物
クマタカ
山地の森林に生息する大型の猛禽類。
中小の動物を狩り、森林の生態系の頂点に位置しています。
元々個体数が少なく希少な鳥で「豊かな森の象徴」と言われています。
ニホンツキノワグマ
中国山地の西部にはニホンツキノワグマが生息しています。
広島・島根・山口の三県で450~1,290頭程度生息しているといわれています。
近年は深山を離れ人里に近づく傾向があります。
ゴギ
中国山地を流れる渓流に棲む、イワナの一種。
氷河期の生き証人とも言われる貴重な魚です。
森林伐採や河川改修などの影響を受けやすく、生息場所が少なくなっています。
レンゲツツジ
朱色の花が美しいツツジで広島県の天然記念物に指定されています。
毒性があるので口に入れないよう気をつけて。
オオヤマレンゲ
標高1,000~2,000mの山に自生し、初夏に白い花を咲かせます。
全国的に数が減っており、広島県では「絶滅危惧II種」に選定されています。