毎年12月1日から翌4月30日まで,県鳥「あび」が渡来する,斎島(いつきじま)周辺鳥獣保護区特別保護指定区域(黄色の区域)です。
【特別保護指定区域図】
広島県の県鳥に指定されている「あび」は,昭和の初期には数万羽以上も渡来していたという記録があり,伝統漁法である「あび漁」も行われていました。
しかし,近年渡来数が激減してきたため,昭和63年から生息調査を開始し,平成5年度には「アビ保護管理対策検討会」を設置して,「アビ保護管理計画」を策定しました。
この「アビ保護管理計画」のなかで県鳥「あび」の生息環境の安全性を確保するため,船舶の航行を規制することをあげています。
これに基づき,あび渡来地である斎島周辺に鳥獣保護特別保護指定区域を指定し,彼らの渡来期間において船舶の航行規制(進入禁止区域の設定)を行い,生息環境の安全性を図ることとしています。
斎島周辺鳥獣保護区特別保護指定区域を航行する場合,広島県知事の許可が必要となります。
※ただし次の場合は除きます。
(1)漁業・農業・遊漁船業・船舶運航事業等の事業を営むために航行する船
(2)島の居住者が航行する船
(3)緊急避難の場合に航行する船
※違反者には,罰則規定があります。
許可の詳細については,下記までお問い合わせください。
組織名称 | 電話番号 |
---|---|
環境県民局自然環境課 野生生物グループ | 082-513-2933(ダイヤルイン) |
西部農林水産事務所 林務第一課 | 082-513-5452(ダイヤルイン) |
生息環境の安全性を確保するため,皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
県鳥「あび」はアビ科のシロエリオオハム・オオハム・アビの3種の総称です。
この鳥の冬羽は,頭から背,翼までの体の上面はほとんど黒に近い暗褐色で,のどの前半部分と体の下面は白色です。体の大きさはカラスやカモメより少し大きく,黒くまっすぐなクチバシをしています。
冬になると,遠く北極圏などから日本の北海道以南に渡来する鳥です。
広島県では,呉市豊浜町斎島周辺から同市蒲刈町の県民の浜沖などに毎年12月ごろ渡来し,4月頃去っていきます。
3月に風切羽が抜け替わるため,一時的に飛ぶことが出来なくなり,見慣れない船舶に特に敏感になっています。
いつも群れを作っている「イカナゴ」という15cm位の大きさの小魚が主食です。
餌とりは潮流の早い場所で日中行います。あびは泳ぎが非常に上手く,潜ってイカナゴを捕まえます。
県鳥「あび」の群れが好物のイカナゴを取り囲むようにして攻撃すると,追い込まれたイカナゴの群れは海中に潜ります。
これを狙ってマダイやスズキがやってきたところを一本釣りするというもので,広島県の斎島(呉市豊浜町)では平成元年ごろまで行われていました。
このため,この地域ではこの鳥を大切に保護してきました。
※あび漁が行われてきた海面は,「アビ渡来群游海面」として1931年(昭和6年)に国の天然記念物に指定されました。 また,この鳥は1964年に広島県の県鳥に指定されています。
「広島県への渡来数を復活させたい!」「野鳥と人間のいい関係を復活させたい!」このような思いから,船舶を運転されるすべての皆様に次の2つのことをお願いしています。
1 特別保護指定区域内等で航行中に,県鳥「あび」に遭遇した場合,あらかじめ迂回をお願いします。
2 やむを得ず,県鳥「あび」のそばを航行する場合は,船舶のスピードを落としてやってください。
県鳥「あび」は繊細で敏感な生き物です。彼らをまもるためのご協力をよろしくお願いいたします。
ダウンロード⇒⇒⇒わたしたちをまもって!【あび】 (PDFファイル)(1.37MB)
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