出前講座とは,「Teamがん対策ひろしま」登録企業に,県から講師を無料で派遣し,社員の方に1時間程度の講座を受講いただき,がんの予防や検診に関する正しい知識を身に付けてもらう取組です。
この度,第2期(平成27年度)登録企業の福山臨床検査センター様がオンラインで出前講座を実施されましたので,その様子をご報告します。
令和3年11月25日(木曜日) 16時00分~17時00分
がんのリスクを減らす「5つの健康習慣」
公益財団法人 広島県地域保健医療推進機構 健康推進課 松田 景子 保健師
Zoomミーティングを使用して,126名の社員の方にご参加いただきました。
講座メニューは,今年度人気のテーマ「がんのリスクを減らす『5つの健康習慣』」です。
がんにかかるリスクを減らすことができると科学的根拠に基づいて言われている生活習慣は,「禁煙する」,「節酒する」,「食生活を見直す」,「身体を動かす」,「適正体重を維持する」の5つです。
▲5つの健康習慣,どの程度実践できていますか?
(国立がん研究センターがん情報サービスより)
1つでも多く実践することで,がんにかかるリスクを低下させることができるので,日常生活の中でできることから一つずつ実践してみてください。
特に,年末年始にかけて忘年会・新年会などに参加される方もおられると思います。その際は,適切な量の範囲内で楽しくお酒を飲む「節酒」と併せて,科学的根拠に基づいて「食生活を見直す」ということもぜひ考えてみていただきたいと思います。
▲食生活によって,がんのリスクが上がるものも,下がるものもあります。
これまでの研究から,「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が,がんの原因になるということが明らかになっています。このことから,(1)塩分を抑え,(2)野菜と果物を食べ,(3)熱い飲み物や食べ物は少し冷ましてからとるという3つのポイントを守ることで,日本人に多い胃がんのリスクや,食道がん,食道炎のリスクが低くなります。
具体的な摂取量の目安などについては,国立がん研究センターがん情報サービスに詳しく掲載されています。
先月,国立がん研究センターが,2020年の新型コロナウイルス感染症流行下におけるがん診療の状況について,国民に情報提供をするため,がん診療連携拠点病院等を含む863施設の1,040,379例のデータを用いて,集計をまとめました。
それによると,がん診断例は全体で約6万件減少していました。特に,男性では胃・大腸,女性では乳房・胃で減少が大きく見られたということです。
がんの診断数が減るのは2007年の集計開始以来初めてです。高齢化などに伴い,増加傾向にあったがん患者数が実際に減ったとは考えにくく,これはコロナ禍による検診控えや受診控えによる影響があるのではないかと考えられています。
▲胃がんについて,がん検診による発見(左図),検診以外(症状があり医療機関を受診など)による発見(右図)のどちらも減少が見られます。(国立がん研究センター資料から抜粋)
今後,本来ならがん検診等で早期に発見できていたがんの発見が遅れ,自覚症状が出現するなど進行した状態で発見されるがんの増加が懸念されています。
がん検診は不要不急ではありません。コロナ禍でもがんは待ってくれません。
必要ながん検診や医療機関への受診を,先延ばしにしていませんか?検診機関も,医療機関も,しっかりとした感染対策を講じていますので,あなた自身,また周りの大切な方の命を守るために,必要ながん検診や医療機関の受診について声掛けをお願いします。
Teamがん対策ひろしま出前講座では,予防や検診,両立支援など幅広いテーマの中から,企業のニーズにあわせて受講していただく事が可能です。(※その他にも希望するテーマがあればご相談ください。)
実施できる企業数に限りがありますので,お申し込みはお早めにお願いします。受講を希望する登録企業の方は,広島県健康づくり推進課(082-513-3093)までお問い合わせください。