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6-8 介護休業を申し入れたが会社から断られた|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年8月1日

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6-8 介護休業を申し入れたが会社から断られた

質問

先日,夫の父親が病気で倒れたので,会社に介護休業を取りたいと願い出たのですが,同居してないから介護休業を取ることはできないと断られました。夫の親の場合,同居していないと介護休業は認められないのでしょうか。

回答

<ポイント!>

  1. 介護休業とは,要介護状態にある家族を介護するために,原則93日を上限に休業できる制度です。

  2. 対象となる家族は,配偶者(事実婚を含む。),父母,子,配偶者の父母と,同居しかつ扶養している祖父母,兄弟姉妹,孫です。

介護休業の制度

介護休業は,要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業をいいます(育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(略して「育児・介護休業法」といいます。)第2条第2号)。
「要介護状態」とは,負傷,疾病又は身体上若しくは精神上の障害により,2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする状態をいいます(第2条第3号,同法施行規則第1条)。
また,「対象家族」とは,配偶者(事実婚を含みます。),父母,子及び配偶者の父母と,同居し,かつ,扶養している祖父母,兄弟姉妹及び孫を指します(第2条第4号,同法施行規則第2条)。
事業主は,労働者から介護休業の申し出があった場合は,原則として,その申し出を拒むことができません(第12条)。

対象とならない人

日々雇用される者や期間を定めて雇用される者は,介護休業制度の対象とはなりません(第2条第2号)。
また,労使協定によって,

  1. 引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

  2. 介護休業申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者

  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

については,介護休業をすることができないと定めることができます(第12条第2項,同法施行規則第23条)。

介護休業の期間・回数

介護休業は,対象家族1人につき,通算93日まで,3回を上限に分割して取得することができます。
なお,事業主は,労働者が就業しながら要介護状態にある家族を介護することが容易になるように,申し出による時間外労働の制限(第18条)と深夜業の制限(第20条)のほかに,勤務時間の短縮やフレックスタイム制,始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げなどの措置を講じなければなりません(第23条第3項,同法施行規則第34条第2項)。

休業中の賃金

休業中の賃金については,法律は何の定めも置いておらず,事業主は,休業期間中の賃金を支払う義務を負いません。
なお,雇用保険の被保険者で,介護休業開始前2年間に,賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上ある人は,原則として,休業開始時点の賃金月額の67%が介護休業給付金として支給されます。詳しくは,ハローワークにお問い合わせください。

こんな対応を!

以上,説明しましたように,配偶者の父母の場合は,同居していることは要件ではありません。また,労働者が介護休業を申し出た場合,事業主は,その申し出を断ることはできません。
その趣旨を会社側に説明した上で,改めて介護休業の申し出を行ってください。
会社の対応に問題がある場合は,労働局の雇用環境・均等室に相談しましょう。

更に詳しく

介護休暇制度とは

要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は,事業主に申し出ることにより,要介護状態にある対象家族が1人の場合は年5日,2人以上の場合は年10日を限度として,半日単位で,介護休暇を取得することができます。(第16条の5)

所定外労働の免除

労働者は介護が終了するまでの期間,所定外労働の免除を請求できます。