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8-6 解雇の理由がはっきりしない|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年7月31日

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8-6 解雇の理由がはっきりしない

質問

突然,社長から今月いっぱいで辞めてくれと言われましたが,理由を聞いてもはっきり説明してもらえません。心当たりもなく,納得できないのですが,どうしたらいいのでしょうか。

回答

<ポイント!>

  1. 合理的な理由のない解雇は,権利の濫用になり無効とされます。
  2. 事業主は,労働者から解雇理由書の請求があったときは,速やかにこれを交付しなければなりません。

解雇の合理性と解雇権濫用

「人員整理のための解雇は,どこまで許されるか」の項を参照してください。

解雇理由の明示

事業主が労働者を解雇しようとするときは,解雇の理由を必ずしも伝えなければならないわけではありません。
ただし,労働基準法22条では,労働者が解雇の理由に関する証明書を請求した場合は,使用者は,遅滞なくこれを交付しなければならないと定めています。
なお,解雇予告の日から退職の日までに,解雇理由を記載した文書の交付を労働者が請求すれば,使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない旨の規定により(労基法第22条第2項),解雇前にその理由が明らかになる仕組みが設けられました。
あなたが解雇を納得するためにも,また後に解雇撤回を裁判で争うことになった場合のためにも,解雇の理由をはっきりしてもらうことが必要です。
また,解雇の手続きをきちんととっているか,法律に違反する解雇でないかについても確認しておきましょう。

こんな対応を!

「辞めてくれ」というのが退職勧奨なのか,解雇なのかをまずはっきり確認する必要があります。あいまいなまま会社にいかなくなったりすれば,無断欠勤とされ懲戒解雇の対象とされたり,合意退職とみなされる場合もあります。自己都合退職となれば雇用保険の給付制限がつきますので注意が必要です。
いずれにしても,解雇理由をはっきりさせてもらい,納得できない場合は,退職の意思のないことを明確に会社に伝え,話し合いを求めましょう。