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9-1 派遣社員と正社員の違いはどこにあるのか|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年7月31日

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9-1 派遣社員と正社員の違いはどこにあるのか

質問

よく求人雑誌で「派遣」という言葉を目にしますが,派遣と正社員では,どこがどう違うのでしょうか。また,人材登録している会社と,実際に働く先と,どちらと労働契約を結んでいることになるのでしょうか。

回答

<ポイント!>

派遣労働では,労働契約を結んでいる会社(派遣元)と指揮命令を受けて実際に働く会社(派遣先)とが異なります。

派遣労働とは

派遣労働とは,「雇用契約を結んだ会社(派遣元事業主)ではなく,別の会社(派遣先)で働く」ことです。これを図示すると次のようになります。

派遣労働の関係図

  • 派遣労働者は,派遣元事業主と雇用契約を結びます。
  • 派遣元事業主は,派遣先と労働者派遣契約を結び,派遣契約の業務と労働者の登録した業務が一致した場合,労働者を派遣先に派遣します。
  • 労働者は派遣先の指揮命令を受けて働きます。
  • 賃金は,派遣元事業主から労働者に支払われます。

このように,派遣労働は,雇用契約を結び賃金を支払う会社と,業務に関して指揮命令をする会社とが異なる点が,正社員等と違います。

労働者派遣事業の形態

労働者派遣事業は,次の2種類に区分されます。

1.登録型

労働者は,派遣元事業主に自分の名前や可能な業務などを登録しておき,仕事が生じたときに,その期間だけ派遣元事業主と雇用契約を結んで派遣先で働きます。その派遣期間が終われば,派遣元事業主との雇用契約も終了します。

2.常用型

派遣元事業主と常に雇用契約を結んでいる状態です。この場合,派遣されていない期間も派遣元事業主の従業員としての地位は継続します。

派遣の労働条件

派遣労働者であっても,事業又は事務所に使用され,労働の対償として使用者から賃金の支払を受ける「労働者」であることに変わりありませんから(労働基準法第9条),労働基準法等の適用を受けます。
労働基準法等の定める労働者保護規定の適用については,基本的には派遣労働者と雇用契約を結んでいる派遣元事業主が責任を負いますが,業務に関して指揮命令を行っている派遣先にも一定の責任を課しています。
派遣元事業主と派遣先が責任を負うべき主な事項をまとめると,次の表のようになります。(「条文」に法令名が書いてないのは,労働基準法です。)
派遣元事業主と派遣先が責任を負うべき主な事項(Excel文書 21KB)

こんな対応を!

上に述べたように,派遣労働では,雇用関係と指揮命令関係が分離している点において,一般的な雇用形態とは異なっています。そのため,派遣元事業主と派遣先との間で責任の所在をあいまいにされることによって,思わぬトラブルが発生したり,労働条件や就業環境の面で不利益な取扱いを受けるケースも多いようです。トラブルが発生した場合には,公共職業安定所や県などの労働相談機関に御相談ください。