餅類の軟らかさを保つ方法
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Q 餅製品を製造していますが,保存中に硬くなります。軟らかく日持ちさせるための方法について教えてください。
A 団子や餅等のデンプンを主成分とする食品は,時間の経過とともにデンプンが老化し硬くなります。デンプンの老化の程度は,デンプンの種類や,製品の水分量,保管温度によって異なります。
餅菓子類のデンプンの老化抑制には,酵素を配合したデンプン老化(硬化)抑制剤が用いられます。天然由来のβ−アミラーゼの働きによってデンプン分子を切断することにより,老化が起こりにくくなり,無添加の製品に比べて,2~5倍の硬化遅延の効果があります。
酵素の働きは温度及びpHとの関連性が高く,温度40℃前後,pH6~7の時が最適条件で,20℃以下の温度またはpH5以下,8以上の条件では酵素の働きは弱ります。また,70℃以上になると急速に酵素の活性が弱まり失活します。
したがって,餅類に使用する際は添加時期及び添加後の品温に注意が必要です。
蒸し前に添加すると効果を発揮しない場合があります。搗(つ)きの工程中,品温が70℃以下になった時点で添加し,40℃前後にしばらく保持すると効果は最大限に発揮されます。一方,製造後,温度の高い場所に長時間置くと,酵素反応が進んで軟化しすぎる場合があるため,冷所に保持することが必要です。団子,柏餅など,粳米の製品は二度蒸しを行うと,中に含まれていた酵素は失活し,それ以上軟化することはありません。
このように酵素を含む硬化抑制剤は,使用条件を誤ると十分な効果が得られない場合があるため,使用手順に従ってください。市販の硬化抑制剤以外でも山芋,里芋等の磨砕物や少量の小麦粉を製餅時に添加すると,硬化を遅らせる効果があります。
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