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転化酵素インベルターゼの菓子への利用

印刷用ページを表示する掲載日2020年11月10日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >転化酵素インベルターゼの菓子への利用


Q ショ糖分解酵素インベルターゼを使用して,食品の甘味を改良する場合,酵素剤の使用方法,甘昧を改良した製品の特徴について教えてください。

A ショ糖分解酵素インベルターゼは,ショ糖(砂糖)を果糖とブドウ糖に加水分解して,良質の転化糖を生成します。転化糖の製造には,酸加水分解による化学法と転化酵素による酵素法があります。食品工業では,反応条件が緩和であること,副生物がなく後処理が容易であること,そして処理温度により任意に反応を調整でき,手間が省けること等から,酵素法が広く用いられています。

 酵素剤インベルターゼの最適pHは4.0付近ですが,pH 2.5~6.5でも十分実用的な効果を示します。反応温度は,60℃が最適ですが,40~65℃でも使用でき,80℃以上にすると活性を失います。すなわち,pH 3.0~7.0,40℃,24時間程度の反応が最も安定です。

 食品により酵素剤の添加量は異なりますが,糖に対して0.1~1.2%程度で使用されており,転化量と反応速度は比例するので,コスト面を考慮して,添加量を決定します。

 食品製造利用の一例として菓子類製造が挙げられ,特に羊かんの結晶防止,甘味改良に用いられています。果糖およびブドウ糖の爽快な甘味が相乗して,まろやかな甘味を与えます。果糖はショ糖に比べて溶解度が高く,低温においては甘味度も高いため,羊かん保存中のショ糖の結晶化を防止し,柔軟性を保持して,良好な食感を与えます。


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