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生揚(きあげ)醤油の貯蔵法

印刷用ページを表示する掲載日2025年3月4日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >生揚(きあげ)醤油の貯蔵法


Q 生揚(きあげ)醤油の貯蔵法について教えてください。

A 生揚醤油は、醤油の品質や保管条件によっては、産膜酵母の発生や酸化褐変により品質が劣化することがあります。ここでは、産膜酵母の発生を抑制する方法について紹介します。

産膜酵母の発生を抑制する醤油の品質

 産膜酵母の発生抑制に有効な醤油成分として、アルコールが挙げられます1)。以前は、アルコール添加や保存料添加により産膜酵母の発生を抑制していましたが、1980年頃から優良酵母の添加や醸造技術の進歩により本醸造醤油のアルコール濃度が高くなっており、産膜酵母が発生しにくい醤油製造が可能となってきました。

 さらに、醤油中の全窒素分、食塩濃度、アルコール濃度を適切な範囲とすることも重要です。食塩濃度及び全窒素分は、アルコールによる産膜酵母の発生抑制に促進的に働くため、食塩濃度、全窒素分が高いほどアルコール濃度は少なくても発生を抑制することが可能です。全窒素分1.5 w/v%の醤油では、アルコール濃度が1.8~2v/v%あれば、産膜酵母の発生抑制効果があり2)、問題が起こることはほとんどありません3)。

産膜酵母の発生を抑制する保管条件

 生揚醤油は、一般的には冷暗所で貯蔵していますが、品質が良好でもアルコールの揮散や密閉タンクでの天蓋や上部壁面に結露が発生することにより、タンク内部の微生物汚染を招くことがあります4)。その対策として、容器を窒素ガスなどの不活性ガスで満たす方法3)、イオン発生装置を使用する方法5)6)も紹介されています。

 

*生揚(きあげ)醤油とは、諸味を搾ったままの醤油です。ブレンドや加工等に使用するため、火入れやろ過をしておらず、発酵に関与する微生物が残っています。

参考文献

1) やさしい醤油の技術(アルコールの醤油における役割)(醤研Vol.38、No.4、2012、p199-213)

2) 醤油の科学と技術(栃倉辰六郎編著、日本醸造協会、1998、p332-336)

3)産膜酵母による醤油の変敗(醤研Vol.42、No.6、2016、p393-396)

4)窒素ガスによる生揚醤油保存システムの実用化(醤研Vol.32、No.3、2006、p159-165)

5)醤油酵母Zygosaccharomyces rouxiiの不快臭生成機構の解析とその防止(2)(醤研Vol.42、No.6、2016、p397-404)

6)特許登録番号5791641 (平27.8.14)  ヤマサ醤油株式会社


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