所在地 | 〒732-0031 広島県広島市東区馬木3-5-14 |
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URL | https://nishioka-k.co.jp/ |
業務内容 | 建設業(機械器具設置工事業) |
従業員数 | 23人(男性18人、女性5人)
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(2024年9月時点)
当社は現在20代から80代まで、幅広い世代の社員が在籍しており、その多くが現場で工事を担当する職人です。会社にとって「商材」とも言える職人の技術力を、いかに引き継いでいくかが、今後の経営に大きな影響を及ぼす課題となっています。
今から20年ほど前、在籍していた社員の高齢化を受け、新卒採用を行って若返りを図ろうと決意しました。当時、業界では労務外注や中途採用が一般的であり、コストや時間がかかる新卒社員の育成は敬遠していました。
しかし、当社の業務である機械器具設置工事業を経験している方は少なく、未経験者を一から育てる取組を始める必要がありました。
未経験の方に来てもらい、当社で長く継続的に働いてもらうためには、働きがいを高める取組が必要だと考えました。
当社は、私が社長に就任する前から、「社員が安心して働ける環境をつくる」ということを、最も大切な経営方針としていました。仕事を進めるうえで不安を抱えていると、良い仕事はできません。一時は、時流にのって、成果主義の導入を考えた時期もありましたが、成果主義で評価をする場合、職人として一人前と呼べるまでの約10年は先輩に教えてもらいながら仕事をしているため、成果として表すことができるものが少なく、頑張りに対しての評価が低くなることが懸念され、社員からの反対の声が上がる結果となりました。
社員との対話の末、若手からベテランまですべてが安心感を持って働くためには、年功序列と終身雇用の形態が当社に馴染むとの結論に至りました。
当社の業務は、日常生活に不可欠な上下水道インフラにかかわるものであり、時代とともに仕事内容が大きく変化するものではありません。ベテラン職人の技術や経験、築いてきた人間関係も大切に。他の業界のような業務成果のみを評価の基準にするやり方は、当社の仕事の進め方にはマッチしないと考えています。
チームミーティングや月例会議、役職者との個人面談を通じて、社員一人一人の思いを吸い上げるようにしています。もともと役職者だけの会議は定期的に実施していたのですが、社員から「経営方針や互いの考え方などもっと本質的な話し合いが必要ではないか」と危機感を訴える声が上がり、新型コロナにより働き方を制限された時期を利用して、互いに本音で話し合うことができる場を設定したことがスタートのきっかけです。
会議では、若手社員から顧客満足度の向上に向けた具体的な意見が数多く上がり、私自身も心を動かされる発言を聞く機会が増えました。
現場を知る社員の意見を大切にしたいと考え、良いと思ったアイデアはできるだけ採用するようにしています。
そうすることで、提案が活発になり若手の意見や成長を促すことにも寄与していると思います。
男性社員の育児休業取得については、私自身がかつて仕事と子育ての両立に苦労したこともあって、業界の中でもかなり早くから推進してきました。
子育てや家庭での時間を大切にし、充実した家庭環境を築くことが、仕事にも良い影響をもたらすと考えています。現在では、お子さんが生まれた社員は男女かかわらず100%育児休暇を取得しています。
さらに、お子さんの病院への通院や予防接種受診時に使用できる看護休暇、要介護認定を受けているご家族の通院への付き添いなどに使用できる介護休暇、就業規則に定められた疾病での通院などに使用できる治療休暇も導入しており、安心して長く働ける環境を整えています。
また、5年ごとにリフレッシュ休暇が取得できるという制度をつくっています。
5年目は2日、10年目は3日、15年目は4日(以降、5年ごとに1日追加)、休暇を取得でき、給付金も支給しています。リフレッシュ休暇を設けたことで、仕事の活力につながることを期待しています。
社内に「西遊会」という会をつくって、さまざまな親睦行事の企画運営を行っています。
2年に1回行っている社員旅行、忘年会やお花見、スポーツ観戦などが主な行事で、会の役員は社員が務めています。
社内のコミュニケーションが活発になり、一体感を生み出すのに効果を発揮しています。
GPTW※の働きがい調査を実施し、2023年2月に「働きがいのある会社」として認定していただきました。働きがいにつながるポイントとして「この会社は地域・社会に貢献している」「福利厚生・メリットが充実している」「能力開発の機会が与えられている」などの取組が同規模の他社と比較すると、相対的に見て当社の特徴になっているとわかりました。取り組んできたことが、社員に評価されているのを知り、経営者としてうれしく思っています。
※Great Place To Work(GPTW)は世界最大級の意識調査機関。世界約150ヶ国で、「働きがいのある会社」を調査・分析し、認定・ランキングとして発表している。
HP:https://hatarakigai.info/
若手からベテランまで、公平な視点で誰もが納得できる評価制度の構築は、まだ十分とは言えません。互いに話し合えば、どんな問題でも解決できると信じていますが、実際には、若手の人材確保が難しいという課題に直面しています。
今回、GPTWの調査で評価された部分を多くの方に伝えて、当社に興味を持ってもらい、新たな方に入社していただきたい。それが、現在在籍している社員の幸せに繋がっていくと考えています。
三浦直也さん 2013年度入社
妻の両親が家の近くに住んでいなかったこともあり、私も育児に積極的に取り組みたいと考え、子どもが生まれてすぐの時期に育児休業を取得しました。
周囲には、子育てを行っている先輩社員がたくさんおり、参考になるアドバイスも多くいただきました
実際に育児を体験してみて、その大変さを実感したことで、苦労や大変さを夫婦で共有・理解できるようになったことで妻が喜んでいます。改めて制度を活用してよかったと思っています。