◆日時 平成25年2月15日(金曜日) 10時00分~16時30分
◆場所 広島県庁本館6階 講堂
◆参加者
(1)平成24年度「小・中・高等学校道徳教育実践研究事業(文部科学省委託「道徳教育総合支援事業」)」推進地域代表校長,推進校校長,推進地域代表担当者,推進校担当者
(2)平成23年度「小・中・高等学校道徳教育実践研究事業(文部科学省委託「道徳教育総合支援事業」)」推進地域代表担当者,推進校担当者
(3)広島県道徳教育推進校(平成14,15,16,17年度広島県道徳教育実践研究指定校)の道徳教育推進教師
(4)平成18・19年度「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業(文部科学省委嘱)」及び「豊かな心を育てる地域推進事業(文部科学省委嘱)」の推進校及び推進地域の道徳教育推進教師
(5)平成20・21年度「道徳教育実践研究事業(文部科学省委嘱)」推進校及び推進地域の道徳教育推進教師
(6)平成21・22年度「道徳教育実践研究事業(文部科学省委嘱)」推進校の道徳教育推進教師
(7)広島県教育委員会関係者及び市町教育委員会の道徳教育担当指導主事等
(8)各市町道徳教育推進協議会等の会長が推薦する実務担当教諭
(9)その他道徳教育を推進する上で必要な者
約120名
開会行事
○開会あいさつ
広島県教育委員会 豊かな心育成課長 中村弘市
・ 次代を担う子どもたちに,未来への夢や目標に向かって自らを律しつつ,自己責任を果たすとともに,社会や公共のために何をなしえるかを大切に考えられるような,豊かな心を育てていく上で,道徳教育の占める役割は大きい。
・ 国の施策においても,道徳教育の充実が掲げられ,より一層,学校,地域の実情等に応じた道徳教育の促進,道徳教育の質の向上が求められている。今後,道徳教育の実質的な充実を図るためには,学校間や異校種間の連携や家庭や地域社会との連携といった,縦や横のつながりを生かす視点は欠かせない。
・ 本県においては,文部科学省委託「道徳教育総合支援事業」を受け,平成23年度より,「連携・協力」「開発・活用」を視点として,「小・中・高等学校道徳教育実践研究事業」を実施し,5つの中学校区及び4つの高等学校において実践研究に取り組んでいる。
・ 各学校においても,発達の段階に沿って一貫した道徳教育を効果的に展開するために,学校間・異校種間の連携をどのように図っていくのか,その具体的な方策を導き出すとともに,各校の実態に合わせ,段階を追いながら取組を進めていただきたいと考えている。
・ 本日の報告会で学ばれたことを各市町や各校における明日からの実践に生かすとともに,相互のネットワークを深め,本県道徳教育の一層の充実に向けて今後も御協力をいただきたい。
全体説明 「学習指導要領の趣旨等を踏まえた道徳教育の推進」
道徳教育実施状況調査結果及び文部科学省委託「道徳教育総合支援事業」を受け実施している「小・中・高等学校道徳教育実践研究事業」について,担当者が説明を行う。
(1)道徳教育実施状況調査結果から
○道徳の時間に使用した教材について
平成20年度の道徳教育推進状況調査では,本県の小・中学校において「心のノート」の使用が100%で最も高かったが,本調査では本県の小・中学校ともに「民間の教材会社で開発・刊行した読み物資料」がもっとも高くなっている。
○「心のノート」の使用について
「心のノート」については,WEB版と冊子の使用では,本県の小学校では21.6ポイント,中学校では38ポイントの開きがあり,冊子の「心のノート」がより使用されている。
○道徳の時間における指導方法の研究について
全国においては,小学校で「発問の工夫」,中学校で「読み物資料の利用」が最も高く,本県においては,小・中学校ともに「発問の工夫」が最も高くなっている
○道徳教育推進上の課題について
全国において,小・中学校ともに「指導の効果を把握することが困難である」が最も高くなっている。本県においては,小学校で「指導の効果を把握することが困難である」,中学校で「効果的な指導方法が分からない」が,最も高くなっている。
(2)文部科学省委託「道徳教育総合支援事業」
小・中・高等学校道徳教育実践研究事業における成果と課題
【成果】
○推進体制の確立
○異校種等との連携の促進
○研究課題並びにめざす子ども像を踏まえた重点項目にかかる児童生徒の変容
○県内への成果普及
【課題】
○多様な道徳教育用教材の選択・開発とその効果的な活用
○異校種等との連携を生かした取組の一層の促進
(3)今後に向けて
○学校における道徳教育
★豊かなかかわりの中で生きるという実感や達成感を深めさせる指導の視点
○学校教育全体で取り組む道徳教育の実質的な充実
★学校や学年段階に応じた道徳性を視点に
○心のノート 3つの特徴を生かす
★子ども一人一人が自ら学習するための冊子
★子どもの心の記録となる冊子
★学校と家庭との「心の架け橋」なる冊子
「心のノート」は,児童生徒が身に付ける道徳の内容を分かりやすく表したものであり,児童生徒が道徳の内容について自ら学ぶとともに,教師や保護者,地域の人々が多様な機会に生かすことのできる道徳教材として,文部科学省により作成されたものである。道徳教育実施状況調査結果によると,Web版を含め「心のノート」使用は95.3%(小:94.7%中:96.6%)と高い。各校で活用の仕方の方針を決め,一層創意工夫した活用が求められるところである。例えば,「心のノート」を参考に児童生徒と保護者が家庭で話し合い,「守るべき約束」を決め,一定期間取り組んでいくことも考えられる。今後は,特に,「心のノート」の特徴の一つである「学校や家庭との『心の架け橋』」となるような日常生活での活用の促進が期待される。
実践報告及び協議
「異校種等との連携を生かした道徳教育の推進」
「豊かな人間性と社会性を育てる道徳教育の創造~生徒指導の三機能と道徳の時間の関連を生かして~」
江田島市立鹿川小学校 教諭河野 諭恵
江田島市立能美中学校 教諭地福 敦子
「異校種や地域との連携を活かした道徳教育の在り方ー豊栄地域連携型中高一貫教育を基盤としてー」
県立賀茂北高等学校 教諭 柳楽 和人
【協議】
2つの報告を受けて,
○異校種等との連携を図るうえで参考となったこと
【参加者の声】 ・郷土の歴史や自然について関心をもたせる取組が必要である。また,自尊感情を育てるために は地域の参加が大切である。 ・小中連携を進める上で,組織を確立しているところは参考になった。 ・中高の連携は実際に難しいと思うが,具体的な改善をしているところも参考になった。 等 |
演習・協議
「児童生徒の発達の段階を踏まえた道徳教育の推進~道徳の時間の指導の一層の創意工夫と充実~」
【演習・協議の内容】
読み物資料を活用し,主題設定等の検討を通して,児童生徒の発達の段階や資料の特性を踏まえた道徳の時間の指導の一層の創意工夫と充実に向けて演習・協議する。
【演習協議の流れ】
(1)趣旨等説明
(2)資料に基づく個別の検討
○「稲むらの火」を素材に作られた,対象学年や内容項目の異なる4本の資料(小学校2本,中学校2本)を読み,中心場面と考える部分に線を引き,主題名(内容項目)を検討する。
(3)グループ協議
○個別に検討をした主題名,中心場面を交流し,グループ内でまとめる。
○主題設定の意図を協議する。
・児童生徒の発達の段階
・資料の特徴
○4本の資料のうち1本について,ねらい及び中心発問について協議し,グループ内でまとめる。
(4)発表(グループで検討した主題設定の意図等)
(5)まとめ
→ 【演習・協議シート】児童生徒の発達の段階を踏まえた道徳教育の推進~道徳の時間の指導の一層の創意工夫と充実~
資料に基づく個別の検討 |
グループ協議 |
発表 |
講演 →講師資料
■ 講師 関西学院大学 前教授 横山 利弘
■ 演題 「本県道徳教育の一層の充実に向けて~学校段階における実践的課題と改善の方向性~」
■ 内容
【参加者の声】 ・学校間や異校種間,地域と連携しながら子どもたちの心を育んでいくことの大切さを 改めて感じることができました。その中で,子どもたちの心の発達をとらえて,私たち がどうすることがよいのか,しっかりと連携をしたいと思いました。 ・特に参考になったのは,道徳的判断力の発達の段階です。幼稚園から小学校の1, 2年までの 「具体的な人物による判断」に係る指導と3,4年から6年生までの「仲間 内による判断」に係る指導(集団を育てなければならない),中学生からの「自律に向 けた段階」での指導を考えた道徳教育にしていきたいです。 ・善悪の判断はどこでするのか,という話は大変興味深かったです。発達の段階に応 じての指導がきちんとできていなかったことに気付くことができました。また,お話が 聞きたいと思える内容でした。 ・特に,「自覚」について,具体的に教えていただけたこと,発達の段階に応じた児童 生徒への対応について,学ぶことができたのでよかったです。 等 |
○閉会あいさつ
広島県教育委員会 豊かな心育成課 課長代理 川端一弘
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