令和5年7月20日の知事会見で、感染状況や入院状況、今後の見通しと対応を説明しました。
県民の皆様には、夏休みを楽しく過ごすためにも、医療機関や高齢者施設等でのマスク着用などの基本的な感染対策、高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い方のワクチン接種の検討、不安なことや分からないことは相談窓口の活用をお願いします。
この夏は4年ぶりの制限がない夏になります。ご家族やお友達、お子さんと、たくさん遊んで、楽しい思い出を作ってください。そのためにも、お一人おひとりが、今、できる対策をお願いします。
現在、新規感染者数は全国的に増加傾向が続いています。
本県でも、新規感染者数及び入院者数が増加傾向です。
グラフは5類感染症移行後の定点把握の新規感染者数ですが、8週連続で増加傾向が続いています。
このまま8月下旬まで新規感染者数、入院者数の増加が続くと、医療への負荷が更に増大してしまいます。
そのため、現時点では医療がひっ迫している状況ではないですが
夏休みを楽しく過ごすためにも、いま必要な対策をお願いします。
下図は昨年6月からの感染状況を示したグラフです。
過去の状況と比べると、感染拡大の入口における感染水準に近いと推測しています。
感染者全数の点から考えると、現状、1日1,700人程度の感染者が発生していると推計しています。
このままだと、過去の感染拡大と同等かそれ以上に、感染が拡大する恐れがあります。
次に、昨年10月からの週ごとの、年代構成を示したグラフをお示しします。
グラフの右側、5月8日の5類移行後は、定点把握になっているので単純に比較はできないですが、
若年層、特に10代以下での感染割合が高くなっています。
過去の感染拡大時には、若年層から高齢者層に感染が拡大しており、
今後、リスクの高い高齢者等の感染割合が、高まっていく可能性があります。
医療機関や高齢者施設等を訪問される方は、必ず、マスクの着用等の感染対策をお願いします。
次に、本県の昨年10月からの入院状況について説明します。
左側のグラフは、
・青い棒グラフが確保病床数、
・オレンジの棒グラフが確保病床に入院された患者数、
・折れ線グラフが確保病床使用率となります。
今年の年末から年始にかけて入院者が増加しましたが、直近では164名、使用率は約27%となっています。
一方で、右側のグラフは一般病床を含めた入院患者数で、直近では454名の方が入院しています。
これは、5類感染症への移行後、確保病床に限定しない、入院の受入れが進んでいることを示しています。
そのため、入院患者が増加傾向ではありますが、ただちに医療がひっ迫するような状況ではありません。
過去1年間に見られた感染拡大の傾向を用い、いまの感染拡大が8月下旬まで続いてしまうと仮定して、
ピークがさらに遅れてやってくるパターンとして
シナリオ[1]では、定点あたりの報告数が41.0、入院患者数が817人 を見込んでいます。
シナリオ[2]では、定点あたりの報告数が51.3、入院患者数が1,035人 を見込んでいます。
このまま感染拡大が続くと、拡大に伴い多くの入院患者が生じて、医療への負荷が更に増大する恐れがあります。
過去の感染拡大における確保病床以外での入院実績や、確保病床数等を踏まえると、
現在の確保病床と一般病床で、何とか受け止められる見込みです。
しかし、5類移行に伴い、日々の感染者数発表がなくなったこともあり、
感染拡大しているという危機感を共有しにくい状況にあります。
危機感の共有による行動変容が遅くなることで、
感染のピークがより高く、拡大期間はより長くなる恐れもあります。
本県の対応について説明します。
次の図の左側は、5類移行前後で、300名程度の入院があった時点での患者入院先の医療機関数を示しています。
5類移行後はより多くの医療機関の協力により、
移行前と比べ、対応医療機関は27病院増えて1.6倍となるなど、
幅広い医療機関で対応できていることが分かります。
さらに、医師会等の関係団体を通じて、
医療機関に対して、感染拡大期に向けた対応強化を依頼することや、
外来医療提供者に対して、自宅療養体制の強化を依頼する予定です。
それでも医療のひっ迫が見込まれるような状況になってしまった場合は、
さらなる感染拡大防止の呼びかけを強く行うとともに、
入院調整の一部を担うといったことによる、さらなる医療体制の強化を行う予定です。
医療関係者と協力して、これまで強化されてきた医療提供体制を維持することで、この夏の感染拡大を乗り切ります。
最後に、県民の皆様へのお願いです。
夏休みを楽しく過ごすためにも、今、できる対策をお願いします。
まずは、基本的な感染対策として、
ワクチン接種についても、
現在は65歳以上の高齢者や基礎疾患がある方など、重症化リスクの高い方が対象で、追加接種を進めています。
なかでも高齢者は、約43万1千人、高齢者の52.3%と、2人に1人の方が5月以降に追加接種しています。
対象となる方で、まだ追加接種していない方は、お盆前のワクチン接種をぜひご検討ください。
そして、不安なことや、分からない事があれば、8月も相談窓口を24時間運用しているので、何でもご相談ください。
【関連リンク】相談窓口一覧(新型コロナウイルス感染症まとめサイト内)
改めて、この夏は4年ぶりの制限がない夏になります。
ご家族やお友達、お子さんと、たくさん遊んでください。
楽しい思い出をいっぱい作ってください。
そのためにも、お一人おひとりが、今、できる対策をお願いします。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)