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平成22年度三ツ城わくわく広場【放課後子ども教室 県内の取組事例】

三ツ城わくわく広場の取組について ~大学生や地域の人の支援で子どもたちを育む~

社会教育指導員の古玉菊江さんに取組を発表していただきました。

◆とき:平成22年6月2日(水曜日)

◆ところ:府中町くすのきプラザ

(平成22年度広島県社会教育委員研修会第2分科会において)

わくわく広場の特色

 三ツ城コミュニティーハウスでは,放課後子ども教室を,「わくわく広場」と呼んでいます。ここで子どもたちが楽しく活動している様子を紹介したいと思います。三ツ城小学校区の「わくわく広場」は,毎週木曜日午後3時から午後5時まで週1回の活動として取り組んでいます。今年度は三ツ城小学校全児童数850名の内,420名が登録して参加しています。
(募集案内はこちら)
 放課後子ども教室は,子どもたちが安心して楽しく遊んで帰る場です。放課後の「わくわく広場」では,次の3つの約束をしています。それは,元気よく挨拶をすること,履物の整頓をすること,ランドセルをきちんと置くということです。このような約束を教室が始まる時に子どもたちと点検しながら進めていきます。
 コミュニティーハウスは三ツ城小学校と一体の建物になっていて,「わくわく広場」はこの建物の3階にあります。したがって学校の授業が終わったら教室からそのまま3階に上がってきて,「ただいま」という形で「わくわく広場」に参加しています。また,児童数が多いので,受付にやってきたらまず自分の学年と組と名前を言わせて出席確認をしています。

大学生によるプログラム

 「わくわく広場」の一番の特色は,広島大学が近くにあるため,大学生を中心としたプログラムをたくさん実施していることです。(年間計画はこちら)
 たくさんのプログラムの中でも,けん玉,工作,ヒップホップ,合唱,「世界の遊び」は大学生が中心に行っています。けん玉は広島大学の「DAMAけん」サークルがやって来て,子どもたちに技を教えてくれています。また,工作も大学の先生にアドバイスを受けながら,「わくわく広場」にやって来て季節に合ったもの,また珍しいものがあったときに子どもたちに教えてくれています。ヒップホップはテレビでも好評のダンスです。音楽に合わせて,子どもたちにダンスを教えてくれています。
 「世界の遊び」は,留学生との国際交流のプログラムです。大学生が今年度からぜひ「わくわく広場」で始めたいということで4ヶ月間時間をかけて,悩んだりしながらようやく5月20日にロシアの遊びを実施することができました。子どもたちも,いつ始まるのかと楽しみに申込みをしてくれて待っていました。当日は,放課後子ども教室の視察や新聞社の取材もあり,にぎやかに実施することができました。このプログラムの実施に当たって,大学生はきめ細かく計画を立てて実施してくれました。
 初めにロシアの言葉であいさつをした後,国あてクイズをしました。景色や料理のスライドを見せて「どこの国でしょう。」と質問をして,その国がロシアであるとわかったら「次は,地図で探してみましょう。」と進めて行き,子どもたちが楽しく遊び,活動できるものになりました。当日の活動としては,三つありました。「指輪ゲーム」は日本の「ハンカチ落とし」に似ているゲームです。「カモっこダンス」は,ロシアの子どもたちに人気の楽しい踊りです。そして,「海の怪物」は日本の「だるまさんが転んだ」に似ているゲームです。子どもたちはみんな楽しく遊んで,次回はどこの国の遊びか楽しみに帰っていきました。

地域の方の協力

 二つ目の特色は,地域の人もしっかりと協力してくださることです。ハンドベル,折り紙,絵手紙,将棋,バドミントン,銭太鼓,これらは地域の方が協力をして教えてくださっています。もう80歳を過ぎた人も元気に来られて,「この教室にきたら元気をもらいます。子どもたちの若さをもらいます。この教室が楽しくていけません。」とおっしゃって教えてくださっています。
 絵手紙では,自分の家で育てた野菜や花を持ってきてもらって,それを絵手紙に書いて,一言手紙を添えて家の人に渡します。
 折り紙教室では,季節に会ったものをすごく丁寧に教えてくださって,そばで見ていて頭が下がる思いがします。子どもたちは,教えてもらって帰るときには,必ず「家の人にお土産にする。」と言いながら持って帰っています。
 バドミントンでは,「中学校,高校で私は一生懸命やって楽しかったから,それを子どもたちに教えたい。」「ボランティアでいいからやらせてください。」と来てもらっています。
 この他に,日本の伝統文化では,お茶とか日本舞踊を教えてくださっています。そして,夏休みだけのプログラムですが,これは三ツ城だけかと思いますが,そろばんや絵手紙,ヨガをやっています。
 そろばんは1年生から3年生までの子どもたちに,そろばん教室の先生が来られてきめ細かく教えてくださいます。子どもたちは計算ができるようになって喜んで帰ります。
 絵手紙では,自分の好きなものを描いたり,箸置きに絵を描いたり,色をつけたりします。親子ヨガでは,普段は親子で接する時間がなかなかもてない親子も,このときには身体を曲げ伸ばししながら,一緒にヨガで楽しく過ごしています。
 大学生が中心になってやってくれている12月のクリスマス会では年々子どもたちの数が増えてきていて,昨年は210名以上の子どもが参加してくれて嬉しい悲鳴を上げていました。
 また,3月第1土曜日には,わくわく祭りというのをやっていますが,これは1年間の活動や学習の成果を発表会で披露して,地域の人,保護者,友達等に見てもらおうというものです。子どもたちも1年間この発表会に向けて一生懸命がんばっています。(発表会のプログラムはこちら)

成果と課題

 成果のまず一つ目は,年々プログラムが増えてきていますが,子どもたちが喜んで教室に来ているということです。子どもが「ああ,楽しかった。」と帰っていく姿を見ると,また次の木曜日にもがんばらなければいけないという気持ちになります。大学生も子どもたちの要望に応えながら新しいプログラムを考えてくれていますし,地域の人も年々たくさん指導や応援に来てくださるようになり,子どもたちの活気につながっています。
 二つ目は,地域の人から多く聞く言葉なのですが,「子どもたちに会うと元気をもらいます。」とか「近くに住んでいてもわからなかった子どもの名前がわかるようになりました。」「挨拶をよくしてくれるようになりました。」と言ってくださると嬉しくなります。
 また,「まなぶちゃんノート」も子どもたちに大変人気があります。東広島市では,学校週5日制ノートとして配布しているもので,子どもたちが放課後の「わくわく広場」に参加するときは必ず持ってきてスタンプを押してもらいます。このスタンプがたまると小学校で全校朝会のときに表彰してもらえるので,またがんばって参加しようという気持ちにつながっています。
 放課後児童クラブの「いきいき子どもクラブ」との連携も行っています。4月に参加募集をかけて,それぞれのプログラムの名簿や計画表ができたらクラブを通して子どもたちに渡しています。そして,「いきいき子どもクラブ」の要望も聞きながら,「わくわく広場」の活動を進めています。

大事にしていること

 子どもたちや地域の人,広島大学の学生との関わりを持つ中で,大事だと思っていることは,普段からアンテナを張っていなければいけないということです。この教室でこれだけできた。もうそれで終わりというのではなく,いろんなコミュニティーハウスに来られる方と話をして仲良くなっていけば,この方にはこういう特技を持っておられるな,この方はこういうことを上手に話をされるな,何かがあったときにはこの方にお願いしようと頭に入れておいて,それを必ずやっていくというのは,とても大事なことだと思っています。
 それから広大生の後継者づくりも大事なことだと思っています。大学生が卒業して来られなくなる。あるいは3年生,4年生なるにしたがって,就職活動などでだんだん来られなくなる。そういう時には,「次の方を紹介してくださいね。」と声をかけています。そういう中で大学生もいろいろと工夫しながら「放課後子ども教室に協力できる人は,ぜひ行ってください。」と大学の中に張り紙をしてくれています。これからも大学生や地域の人を大事にしながらやっていかなければいけないと思っています。

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