平成28年12月13日(火曜日)13時25分~15時15分
呉市立両城中学校 /2年生 49人
教材:30 地域ぐるみで子育て!~親の立場で考えてみよう~
メイン:青木 美於
サブ:深田 聡美 長尾 美香 徳永 玲子
呉市立両城中学校において,2年生を対象に,学級活動の時間を活用して2クラス合同での「親プロ」講座が実施されました。事前の打合せにより,110分での講座実施となりました。
担任からの紹介を受け,青木ファシリテーターが進行を始めました。
はじめにメインファシリテーターが自己紹介し,「親プロ」の主旨,ファシリテーターの役割,関係者の紹介,全体のスケジュールなどを伝えました。
そして,「本日のゴール」として,「子供たちが喜ぶ町作りの為に『今の自分』にできることを見つけてみよう」ということを示し,この時間のテーマを明確にしました。
次に,アイスブレイクとして「あなたに質問」を行いました。各自,相手に質問したいことをプリントに記入してスタートしました。教室内を歩いて相手を見つけて,2人組で質問をし合いながら,次々と相手を替えていきました。
次に,グループ作りをしました。アイスブレイクで使った用紙に,時計の文字盤が印刷してあり,針が示す時刻の同じ人同士がグループになるというものです。工夫されたグループ作りの仕掛けに,生徒からは歓声が上がり,4~5人のグループができました。グループの中では,自分の名前と幼い頃の呼び名を紹介し合いました。
次に,「親プロ」の約束を伝えました。「発言を分け合おう」,「なるほど!と言ってみよう」,「発言はこの部屋に置いて帰りましょう」,「パスあり!」という,生徒たちに分かりやすい言葉に置き換えて,掲示物と共に示しました。
ワークシートは問いを一部変更し,サブタイトルも「親の立場で考えてみよう」を,「地域の一員として子育てを考えてみよう」として活用しました。
ステップ1は,ワークシートに各自が記入した考えをグループ内で交流した後,ワールドカフェの方法で行いました。考えを模造紙に書き,グループ内で交流した後,グループで一人のリーダーを決め,リーダーがグループに残り,新しく来たメンバーに模造紙に書いてある内容を伝えました。グループのメンバーを替えながら考えを深めていきました。たくさんの生徒同士がグループになり,考えを交流することができていました。途中,「ファシリテーターが挙手したら話を止めて注目する」という約束を伝え,集中を途切れさせないように工夫して進行しました。
次に,「子どもたちが喜んでくれる町にするために,具体的に何ができると思いますか?」という問いに対する考えを,付箋に書いていきました。それぞれの考えをグループで,A:すぐに実行可能なこと,B:努力すれば実行可能なこと C:実行が不可能なことの3つに分け,画用紙に貼りました。
次に,「子どものことを考えた町づくりでは『何が』大切だと思いますか?」という問いに対する考えをワークシートに記入しました。「子供の笑顔を増やす」,「子供が住みやすい町を作ろうという気持ちをもつ」などの意見がありました。
ステップ2では,「子どものことを考えた町づくりを実現させるために自分ができること」を,一人一枚ずつ用意された色画用紙の短冊に書きました。短冊に書いた生徒から教室内の壁に掲示しました。生徒たちは友達の短冊を読みながら,友達の考えと自分の考えを比べていました。そして,振り返りアンケートに記入をし,感想を発表しました。感想では「今まで親の立場で考えることがなかったが,今日の『親プロ』で親の立場について考えることができました」,「将来,大人になったとき今日の学習を思い出したいです」,「地域の人や親の大変さ,すごさが分かりました」などの意見がありました。
最後に,ファシリテーターから「みんなの考えを聞いて自分の気持ちを変化させていくことは大切なことです。未来はみんなの手の中にあるのです。小さい子供のことを考えるということはみんなの未来をつくることにつながるのです」というメッセージを込めたまとめの話をし,講座を終了しました。
・子供たちのためにできることは自分たちにもあるんだなと思いました。
・親になった気持ちで考えることで,小さな子供のことについて考えることができました。
・「親プロ」を経験して,親としてどのように考え,町づくりしていけばいいのかについて考えることができてよかったです。
・子供たちが,笑顔で楽しく過ごせるために,私たちにできることは結構あるんだなと思いました。
・みんなが楽しく過ごせるように笑顔であいさつをしていくことをこれから心掛けていこうと思いました。
・子供が産まれたら大切にしようと思いました!
・まだ子供に優しい町ではないと思うので変化していけばいいと思いました。
・みんなでいろいろなことを考え合い,良い意見を出し合いたくさんのことを話し合えました。
・今,僕たちにできることは限りがあると思います。しかし,だからと言って何もしないのではなく,小さなことでも町に貢献しよう!そう思う心掛けこそが大切だと思います。
・中学生(参加者)が講座を通じて「自分達も地域の一員としてできることがある」と町づくりについて考え,例として挨拶やゴミ拾いを挙げていました。共に生きるためには気遣いや思いやり,相手の立場に立って考えることが必要だと感じてくれたようです。学習の中で幼い頃の体験を思い出し,改めて周囲への感謝の念をもち,さらにこれからは自分達が町をつくっていくのだという未来への希望を述べ,そのように意識することこそが大切だと感想に書いている生徒もいました。今回の多数の提案が実現できるよう大人も頑張って欲しいという意見もあり,多角的に思考の共有ができたと思います。感想の中に「子供が産まれたら大切にしよう」という言葉があり講座を開催して良かったと思いました。