平成30年12月20日(木) 10:45~12:35/県立西城紫水高等学校
県立西城紫水高等学校/1年生 37名
メイン:立花 有佐 神本 久美
県立西城紫水高等学校の家庭科の時間に「親プロ」を活用した講座が実施されました。
今回の「親プロ」講座は,3回シリーズで一単元としている内の3回目でした。1回目は10月25日(木)に教材1「おぎゃーってスゴイ!」,2回目は11月1日(木)に教材2「親しらず 子しらず」を実施しました。
最終回となる今回は,1回目を担当したファシリテーターが再び担当することになりました。
最初に教頭先生が,「3回目となり,ねらいに近づいてきました。今週は地域貢献も行いましたね。高校生になると地域に目を向けていくことが必要です。自分の殻を打ち砕き,しっかりコミュニケーションを取ながらまとめてください」と声を掛けました。そして,ファシリテーターの紹介をすると,生徒たちは,1回目の卵を使ったワークのことを思い出したようでした。
その後,担当するファシリテーターが自己紹介を行い,講座に進んでいきました。
まず,ファシリテーターは絵本「がたたんたん」の読み聞かせを行い,生徒たちは静かに耳を傾けていました。
その後,栞としても使える手作りのくじ引きで,6人程度の班に分かれて座りました。
テーブルの代わりに,「えんたくん」という円い段ボール紙が各グループに配られ,それを皆で膝に乗せて,テーブル代わりにしました。「えんたくん」に合わせた,円い模造紙を載せて,ワークシートに入る準備が整いました。
今回のエピソードでは,昼食をとろうと西城保健福祉総合センター「しあわせ館」にやって来た生徒が遭遇した場面が描かれています。親たちがおしゃべりに夢中になる中,子供が走り回っており,とうとうおじいさんにぶつかって叱られてしまいます。
ファシリテーターは,場面がイメージしやすいよう,実際の西城保健総合センター「しあわせ館」の写真や図面を使って丁寧に説明していました。
「あなたはこのような場面に出会った時,どのようなことを思ったり感じたりしますか」という問いでは,「危ないなあ」「親はちゃんと子供を見るべきだ」といった意見がありました。
「もしあなたがこの場にいたら,どうすると思いますか。それはなぜですか」という問いでは,「注意する」という意見や,「親に言う勇気はないから子供に声を掛けてみる」「子供と一緒に静かに遊ぶ」「心の中で思うことはあるけど,だまって見ておくと思う」という意見がありました。
「もしもあなたがこの親の立場だったら,どうすると思いますか」という問いでは,「子供と一緒に,おじいさんに謝りに行く」といった意見がありました。
最後の問い「あなたが将来大人になったとき,親としてあるいは地域社会の一員として,どのように子供や親に関わっていきたいですか」では,「優しく,時には厳しく,意見を伝えられるようになりたい」「子供と同じ目線になる」「夢,希望,憧れになれる人になりたい」といった意見がありました。
どの設問も,まず,各自でワークシートに記入し,グループでの紹介は,「えんたくん」に記入して見せ合ったり,話し合ったりしました。グループ毎にいろんな模造紙ができていました。最後に,それを発表し,全体共有しました。
最後にファシリテーターが,「近所に住んでいるので,気軽に声を掛けてほしい」と話しました。また,絵本「いっしょだよ」の読み聞かせを行い,にぎやかに交流していた生徒たちは,再び静かに耳を傾けていました。
・親として,家族として,社会の一員として,子供とどう関わったらよいか考えるというねらいのもと,3か月にわたり,3回シリーズ,各2コマで計画的に実施しました。本校では,庄原市教育委員会とも連携し,日頃からボランティア活動等を行っており,自然な形で導入することができました。
・「親プロ」講座で良いと思うのは,教員ではない地域の方が授業に入る点だと思います。ファシリテーターの多様な経験は,魅力です。また,生徒たちも「地域の方が見守ってくれている」という意識を持てたのではないかと思います。
・グループワークで使用された「えんたくん」は,授業でも取り入れてみたいです。
・全てを我々教員が行うより,いろんな刺激や学びがあるということを知って欲しいという思いで,授業の中に組み込んでいきました。回を追うごとに,自分や友達,地域に目が向いていき,生徒たちの成長が見られました。自分でも,「親プロ」講座を実施してみたくなりました。
・いろんな人の意見が聞けて良かったです。
・親の気持ち等が分かりました。難しかったです。
・親の役割を,親自身が意識しないといけないんだなと思いました。
・高校生を対象にした講座は今回初めてで,大変勉強になりました。
・教材については,高校生がイメージしやすく,設問をシンプルにする必要があると感じました。
・エピソードの場面を地元の人たちの集まる場にしたのは,生徒たちがこれから地域で活動することにもつながり,良かったと思います。
・3回連続講座は,人間関係が深まっていくので,お互い双方向で気持ちが通じ合うことができました。同じ学校,地域へ何度も行かせていただくのは有意義なことだと思いました。