農作業時は作業者の安全確保を最優先に,熱中症対策など健康管理に十分注意しながら,農作物の管理等対策を徹底しましょう。
【共通事項】
○農作業中における熱中症を防ぐため,次の点に注意してください。
(1)日中気温の高い時間帯を外して作業を行いましょう。
(2) こまめな休憩,水分補給を行いましょう。
(3)屋外では帽子,吸湿速乾性の衣服やファン付きの作業着,屋内では送風機やスポットクーラーなどを活用しましょう。
(4)単独での作業は避けましょう。
(5)木陰などの涼しい休憩場所を確保しておきましょう。
【水稲】
〇防除や穂肥施用は時期を遅れないように注意する。
〇カメムシ類の防除時期を逸しないようにする。
〇稲こうじ病やもみ枯細菌病等の発生し易い地域では予防的防除に努める。
〇高温登熟による白未熟粒の発生抑制対策として,登熟期間中は,極端に水を切らさないよう,間断潅漑に努める。落水時期の基準は出穂後25~30日頃であるが,土壌条件,気象条件などに応じて調整する。
【大豆】
〇土壌が乾燥しないよう早めに畝間潅水等を行う。特に開花期~幼莢期のかん水効果が高い。
〇ただし,葉腐れ病の発生が懸念される圃場(前年,イネ紋枯病が多発した圃場など)では,株内の湿度を高めると病気の発生を助長することになるので注意する。
【施設栽培】
〇施設内の温度上昇を抑制するため,妻面・側面を開放するとともに,作物の光要求性に応じて,遮光資材を使用する。
〇遮光資材は,果実の日焼けや葉やけの防止も有効である。
〇細霧冷房装置,換気装置等を設置している施設では,これらを有効に利用して適切な温度及び湿度の管理に努める。
【野菜】
〇乾燥に注意してかん水を実施する。
(1)果菜類は土壌水分の急激な変化を生じないよう,毎日灌水する。また,1 日の土壌の乾湿の差を生じさせないため,早朝から日中にかけて数回に分けて灌水すると良い。
(2)葉根菜類は播種期,移植期及び葉数増加期の重点かん水に努める。
(3)畝間かん水は気温が下がる夕方から早朝に実施する
〇敷きわらやもみ殻で土壌を被覆し,地温上昇の抑制と土壌水分の蒸発抑制に努める。
〇茎菜類は,乾燥によるチップバーンを防止するため,薬剤防除時にカルシウム剤を混用する。
〇果菜類は,不良果の摘果,若どりを行い,着果負担の軽減を図るとともに,適切な施肥により樹勢維持に努める。また,カルシウム欠乏,鉄欠乏,ホウ素欠乏等の生理障害対策として,必要に応じて葉面散布を行う。
〇収穫は気温の低い早朝に実施する。
〇出荷時の過熟果や生理障害果の混入に注意する。
〇ハダニ類,アブラムシ類,ハイマダラノメイガ等干ばつ時に発生が多くなる傾向の害虫については,その発生動向に十分注意し,適期防除に努める。なお,日中の薬剤散布は避ける。
【花き】
〇充分地温が低下した夜間から早朝にかけて畝間かん水等を行う。ただし,過剰なかん水は,開花間近のものは上位節間が間延びして切り花品質を低下させ,また,滞水させると根腐れを起こすので注意する。
〇畦面に敷きわら等を行い,地温上昇抑制と土壌水分の蒸発を防ぐ。
〇りんどうでは,高温による葉焼け症対策として,黒寒冷紗被覆により50%前後の遮光を行う。
〇切り花については,朝・夕の気温の低い時間帯に採花し,常温で長時間放置しない。また,エチレンによる劣化を防ぐため,前処理剤を使用し品質の維持に努める。
〇高温乾燥によりハダニ類,スリップス類,アブラムシ類が増加するため適期防除に努める。なお,花蕾への付着後「しみ」にならないよう,日中の薬剤散布は避ける。
【果樹】
〇用水の確保に努め,敷わら,敷草等により,土壌水分の蒸発を極力抑制しつつ,適宜かん水を行う。
〇かんきつ類の内,温州みかんは,無降雨状態30 日経過後から果実が軟化状態になり始めるので,果実の状態を確認しかん水する。その後は,葉の萎凋状態・果実の軟化状態を確認しながらかん水を実施する。いしじ,レモン,中晩柑類は早めにかん水する。
〇かんきつ類以外の果樹は,無降雨日数が7日程度以上続く場合は,1回20~30mm程度のかん水を実施する。水量が十分確保できない場合は,局部かん水を実施する。
〇着色が遅延することに伴い収穫期が遅れ,過熟とならないよう,適期収穫に努める。
〇高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地においては,各種資材による遮光等の対策を行う。
【畜産】
〇飼料作物:病害虫の発生に注意し,多発の際は早期刈取等実施する。
〇家畜:気温の上昇と共に採食量の減少,乳牛では泌乳量の減少,乳成分の低下,肥育牛では増体量の低下が起こるので以下の対策を行う。
(1)直射日光の遮断(寒冷紗),屋根散水,白色塗装(屋根)等を行う。
(2)換気扇,送風機により家畜への送風や畜舎の換気に努める。
(3)新鮮な飲水を十分給与する。
(4)飼槽や給水器の清掃を行う。
〇放牧:気温の上昇と,強い日差しの影響で,暑熱ストレスが増加するので以下の対策を行う。
(1)飲水の状況を確認し,不足していれば水を運搬する。
(2)必要に応じて,風通しの良い場所に日除けを設置する。
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