【共通事項】
〇人命第一の観点から,大雨等が治まった後の見回りは,増水した水路その他の危険な場所には近づかず,足下等,ほ場周辺の安全に十分に注意し,転落,滑落事故に遭わないよう慎重に行うこと。
〇農薬散布に当たっては,使用基準を遵守し,周辺への飛散低減対策を講ずるとともに,適時適切な散布を心がけること。
作物名 |
被害拡大防止のための対策 |
水 稲 |
1 冠浸水被害を受けたほ場では,速やかな排水に努め,冠水した場合は,葉先や穂先だけでも水面に出すよう努めること。また,排水後は,清水に入れ替えること。 2 冠浸水被害を受けた稲体は,水分調節,肥料吸収等の機能が低下していることから,田面の過度な乾燥に注意すること。 3 冠水した圃場では,白葉枯病の防除に留意すること。 4 日照不足による軟弱徒長気味の生育が見込まれる場合は,穂肥については,葉色,生育診断等に基づき適期適量の施用を徹底すること。 5 葉いもちの適期防除に努めるとともに,さらに上位葉へ進展がみられる場合は,出穂期を的確に把握して,穂ばらみ期(出穂直前)と穂揃期の防除を確実に実施すること。 |
大 豆 |
1 冠浸水の被害を受けたほ場では,速やかな排水に努めること。 2 生育期に冠浸水等を受けた場合,生育遅延や根腐れを引き起こし,日照不足と相まって,病害虫に対する抵抗性が弱まるため,病害虫の発生動向に注意し,適切な防除を行うこと。特に,土壌の多湿状態が長時間継続すると,土壌中の酸素不足による根粒菌の活性の低下や茎疫病の増加が懸念されるため,排水対策を実施するとともに,天候の回復後,排水後のほ場の状況等を勘案し,中耕や培土を実施すること。 |
ハウス栽培全般 |
1 ほ場や施設が冠水した場合は,排水ポンプや溝切り等により,できる限り速やかに排水を行うこと。 2 速やかに施設,機器の点検を行い,補修や修理が必要な場合には適切な処置を行うこと。 3 降雨後の急激な気温の上昇に注意し,施設内の適切な温湿度管理に努めること。 4 病害が多発しやすいので,気象の推移と生育状況に十分留意しつつ,排水対策や病害虫防除対策を徹底すること。 |
野 菜 |
1 冠浸水等を受けたほ場においては,速やかな排水に努めること。また,土寄せ,追肥,液肥の葉面散布等により生育の回復に努める。 2 冠水で折損した茎葉を除去し,病害を防ぐため薬剤散布を行うこと。 3 果菜類では,根傷みによる草勢低下を防ぐため,摘果や若採りにより着果負担を軽減すること。 4 園芸用施設については,できるだけ早期に施設の破損等の点検を行い,施設内に水が侵入した場合には,換気を十分に行い土壌の乾燥を図り,施設内の湿度を下げ,病害の発生を防止すること。 |
果 樹 |
1 冠浸水した場合は,速やかな排水に努めること。 2 病害虫の防除を適切に実施すること。 3 今後の生育状況をみながら,樹勢に応じた摘果,新梢管理を行うこと。 |
花 き |
1 冠浸水の被害を受けたほ場においては,速やかな排水に努めるとともに,倒伏した株を早急に立て起こし,茎や花穂の曲がりを防止すること。 2 折れた茎葉の除去,適切な薬剤散布等により,病害の発生抑制に努めること。 3 天候が回復した後,被覆資材,支柱,ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行うこと。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球,タイマー等)については,速やかに作動状況の点検を行うこと。 |
畑作物 |
加工用ばれいしょについては,ほ場が滞水した場合,腐敗を起こしやすいので,速やかな排水に努めること。 |
畜 産 |
1 飼料作物 冠浸水等の被害を受けたほ場においては,速やかな排水に努めること。生育後期になっている飼料作物は,天候回復後に収穫を行うこと。また,とうもろこし等の長大作物については,倒伏すると収穫量が減少し,品質が低下するため,倒伏した場合には早めに収穫し,サイレージ調整等を行うこと。 2 家畜 天候が回復した後,直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行うこと。また,土砂が流入した場合には,再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ,土砂を除去すること。必要に応じて,速やかに畜舎・設備器具の水洗,乾燥,消毒を実施し,衛生対策を徹底すること。養分の低下した飼料作物や品質の劣化した濃厚飼料は与えないこと。 |
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