12-1 パートタイム労働者は雇用保険には加入できないのか|労働相談Q&A
印刷用ページを表示する掲載日2024年7月18日
12-1 パートタイム労働者は雇用保険には加入できないのか
質問
私は、ある会社に先週からパートとして勤め始めました。契約期間は1年間で、週5日、10時から16時まで(休憩時間は12時から13時)働いています。会社側に雇用保険について問い合わせたところ、「パートは雇用保険には入れない。」と言われました。パートは雇用保険には加入できないのでしょうか。
回答
<ポイント!>
週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合には、短時間労働者であっても被保険者となります。
※ 詳細については,厚生労働省ホームページ「労働者の皆様へ(雇用保険給付について)」を参照してください。
短時間労働者と雇用保険
パートタイム労働者やアルバイトなどの短時間労働者の場合でも、次の要件を満たす人は、雇用保険の被保険者となります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。(令和10年10月1日から「20時間以上」→「10時間以上」に適用拡大)
- 反復継続して就労する者であること(具体的には,31日以上引き続き雇用されることが見込まれること。)。
受給資格
失業給付を受けるための要件は、次のとおりです。
- 離職の日以前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある雇用保険に加入していた月が通算して12か月以上あること。
- ただし、特定受給資格者及び特定理由離職者については、離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が6か月以上ある場合も可。
- 高年齢被保険者(65歳以上で短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者を除く。)は、離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が6か月以上あること。
31日以上継続雇用が見込まれる場合
「31日以上引き続き雇用されることが見込まれる」場合とは次の場合です。
- 期間の定めがなく雇用される場合
- 31日以上の期間を定めて雇用される場合
- 雇用契約期間が31日未満であっても、31日以上雇用が継続しないことが明確でない場合
ア)雇用契約に更新する場合がある旨の規定があり31日未満での雇止めの明示がない場合
イ)雇用契約に更新規定はないが、同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績があるとき
こんな対応を!
上に述べたように、パートタイム労働者であっても一定の要件を満たせば雇用保険の被保険者となります。お尋ねのケースは、週の所定労働時間が25時間、雇用期間は1年と思われますので、要件に該当します。この旨を会社側に説明し、雇用保険の加入を求めましょう。
更に詳しく
1.派遣労働者についても、次のいずれにも該当する場合に被保険者となります。
- 31日以上引き続き雇用されることが見込まれるとき
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用契約期間が満了した場合の喪失手続きは次のとおりです。
ア)派遣元事業主が、派遣労働者の方に対して雇用契約期間が満了するまでに次の派遣就業を指示しない場合には、派遣労働者の方が同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望する場合を除き、雇用契約期間満了時に被保険者資格を喪失することとなっています。
イ)派遣労働者の方が引き続き同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望している場合には、原則として、契約期間満了後1か月間は被保険者資格を継続することができます。
ウ)契約期間満了時から1か月経過時点において、次の派遣就業(派遣先)が確定している場合には、被保険者資格を喪失させることなく、次の派遣就業が開始されるまでの間、被保険者資格を継続することができます。
2.特定受給資格者・特定理由離職者とは
- 特定受給資格者
倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた方 - 特定理由離職者
次のいずれかに該当する方です
ア)期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職された方(その方が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新について合意が成立するに至らなかった場合に限ります。)
イ)正当な理由のある自己都合により離職した方
※ 詳細については、ハローワーク インターネットサービス(厚生労働省)ホームページ「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」を参照してください。