滑らかで香り高い「酒粕ペースト 」のご紹介
「酒粕ペースト」の開発
~日本三大酒処広島 新たな特産品開発への取り組み~
酒粕ペースト誕生
平成25(2013)年,地元広島で開催された菓子博で,生産量全国1位である県内産レモンを使った「広島レモンスイーツ」が誕生しました。
そして平成29(2017)年,次の菓子博である三重菓子博に向け,酒処広島の酒や酒粕を使った新たな菓子「ひろしま酒香(しゅか)スイーツ」が誕生しました。
このスイーツを作るために,菓子材料としては固くて扱いにくい酒粕を,滑らかで使いやすく加工する技術が必要でした。
そこで,センターが菓子業界とともに開発し誕生したのが「酒粕ペースト」です。
⇒ 詳しくは開発経緯をご覧ください。
酒粕ペーストとは
酒粕を酵素によって軟化させ,滑らかなペーストにしたものです。
色・香り等の品質はそのままなので,菓子や料理に活用しやすくなりました。
お菓子の新商品開発を支援する中で,広島県菓子工業組合から「酒処広島の酒粕を利用したい」と求められたことが「酒粕ペースト」化技術開発のきっかけでした。
「広島の菓子業界の意欲」
「酒処広島の酒粕」
「業界を支援する広島県の研究機関」
毛利元就の「三矢の訓」のように,この3つが連携して出来た技術です。
特徴
扱い易く滑らかなペースト状(均一に混ぜ込みやすい)
酒粕特有の「固くて混ぜ込みにくい(均一に混ざらない)」を解消しました。
酒粕の良い香りを保持
酒粕は高温で温めると柔らかくなりますが,同時に酒粕の良い香りが逃げてしまいます。
ペースト化の加工では,加温を最小限に抑えており,酒(粕)特有の香りが保たれることを確認しました。
安定した供給・品質
酒粕は日本酒の醸造時期に製造されるので,いつでも入手できるものではありません。また,長期にわたって保存をすると,変色や乾燥等の変質が見られます。
酒粕ペーストは,冷凍保存による品質低下がなく,1年を通じて安定して使用可能です。
特別な製造技術・設備不要 中小の菓子企業でも簡単に製造可能
少し温めた酒粕に酵素を混ぜて,一定時間反応させるだけの簡単な加工方法です。
お菓子を作る現場(各菓子企業)において,特別な機械を新たに導入することなく,加工に取り組むことができます。
開発について
経緯:県内産酒粕を使った新たな特産品開発へ
平成25(2013)年広島菓子博で「広島レモンスイーツ」が誕生しました。
その後,次の菓子博(平成29(2017)年,三重)に向けて,引き続き,県の特産物を使った新たなお菓子を開発しようと着目したのが「酒粕」です。
広島は,灘・伏見と並ぶ三大酒処の西条をはじめ,多くの酒蔵があります。
広島の酒は芳醇で旨味に富み,独特のまろやかさがあるお酒と評価されています。
日本酒を作る過程で生じる「酒粕」も,この香り(風味)を持っており,菓子への転用をと考えましたが,菓子の材料として使うには固くて混ぜにくい等の課題がありました。
そこで,広島県菓子工業組合・県内の菓子業界とセンターとの共同研究で,菓子原料に適した滑らかで香り高い「酒粕ペースト」に加工する技術を開発しました。
技術の概要:技術のカギは酵素利用
これまでの研究で培った「酵素利用技術」により酒粕を軟化し,滑らかで香り高いペーストになります。
当センターが保有する技術「凍結含浸法」がヒントになりました。
技術のPR
平成29(2017)年7月28日から8月10日に,ひろしまブランドショップ「TAU」にて,「ひろしま酒香(しゅか)スイーツ」の特設販売を実施しました。
当日の様子は,こちら (PDFファイル)(1001KB)をご覧ください。
ひろしま酒香(しゅか)スイーツ
広島県産の酒・酒粕を使用したお菓子を「ひろしま酒香スイーツ」と呼びます。
広島県菓子工業組合が命名しました。
広島県産の酒粕から作った酒粕ペーストを入れたお菓子も,もちろん「ひろしま酒香スイーツ」となります。
なお,商品包装の印刷等に使用する際は,広島県菓子工業組合への名称使用の届出が必要です。
※「ひろしま酒香スイーツ」の詳細については,広島県菓子工業組合へお問い合わせください。
このページに関連する情報
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)