金型加工プロジェクト
プロジェクトの概要
金型技術はものづくりを支える基盤技術です。広島県では平成22年に「ものづくり基盤技術高度化プロジェクト」(広島発の金型高精度加工システム開発プロジェクト)を立ち上げ,高精度で高能率な金型加工を実現するための技術開発を行いました。本技術では,加工前に工具に作用する切削力や振動を計算し,加工誤差,びびり振動,表面粗さ等を予測することが可能です。現在はこれらの成果を企業へ移転する取り組みを行っています。本技術の活用に興味のある企業(金型メーカ,CAD/CAMメーカ,工作機械メーカ,工具メーカ等)の皆様は以下の問合せ先までご連絡,ご相談ください。
問合せ先:
西部工業技術センター生産技術アカデミー 技術支援担当
Tel:082-420-0537 または お問い合わせフォームから
課題名 | 研究期間 | 研究内容 |
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ものづくり基盤技術高度化プロジェクト (注1)
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平成22年から24年 |
金型加工時に発生する切削力や工具たわみ,加工誤差を予測し,加工誤差が発生せず,過大な力が工具にかからないよう,工具経路や送り速度を最適にする「NCデータ最適化システム」と,金型加工途中の工具刃先を,定期的に撮影し,最適な工具管理を支援する「工具モニタリングシステム」の開発を行いました。
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(注1)県東部工業技術センターとの共同研究
研究成果
総合技術研究所 平成24年度成果集
特集「金型高精度加工システムで広島県製造業の未来を支える!」 (PDFファイル)(3.03MB)
成果内容
広島県版NCデータ最適化システムの開発(PDF) | 簡易誤差予測(加工面形状予測)ソフトの開発(PDF) | 機上工具観察システムの開発(PDF) |
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研究報告・機関誌投稿
タイトル | 誌名 | 著者 |
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金型高精度加工システムの開発(第8報) -エンドミル加工のびびり解析 NC シミュレータの開発 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.63(2020) |
西川隆敏,姫宮一輝,菊田敬一 |
金型高精度加工システムの開発(第7報) -異形工具の加工誤差予測システムの開発 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.63(2020) |
姫宮一輝,西川隆敏,前田圭冶,久保田将矢 |
金型高精度加工システムの開発(第6報) -工具たわみに起因する加工誤差の 高速高精度な計算法の開発 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.60(2017),pp.20-23 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博 |
金型高精度加工システムの開発(第5報) -加工誤差予測シミュレーションの高速化 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.58(2015),pp.5-8 |
菊田敬一,西川隆敏,大田耕平,古本浩章,小玉 龍,佐野 誠,門藤至宏,筒本隆博 |
金型高精度加工システムの開発(第4報) -切削条件決定を支援するエンドミル加工シミュレーションソフト |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.57(2014),pp.9-12 |
西川隆敏,菊田敬一,大田耕平,古本浩章,小玉 龍,佐野 誠,門藤至宏,筒本隆博 |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.56(2013),pp.5-8 |
西川隆敏,菊田敬一,竹保義博,筒本隆博,門藤至宏,弓場憲生,佐々木憲吾 | |
工具モニタリングシステムの開発 (第1報) --機上工具観察システムの開発-- |
広島県立総合技術研究所 東部工業技術センター研究報告 No.25(2012),pp.1-4 |
竹保義博,佐々木秀和,門藤宏至,廣川勝久,宗広修興,筒本隆博 |
金型高精度加工システムの開発(第2報) -ラジアスエンドミルの加工誤差補償システムの開発- |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.55(2012),pp.1-4 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博,門藤至宏,山本 健,岩谷 稔,弓場憲生,佐々木憲吾,金子順一 |
金型高精度加工システムの開発(第1報) -切削力予測に基づく送り速度修正シス テムの開発- |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.54(2011),pp.5-8 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博,山下弘之,佐野 誠,弓場憲生,佐々木憲吾,古本浩章 |
金型の加工誤差補償システムの開発(第3報) -工具振動を考慮した加工面形状の予測- |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.53(2010),pp.5-8 |
西川隆敏,菊田敬一,古本浩章,山下弘之,門藤至宏,中濱久雄 |
金型の加工誤差補償システムの開発(第2報) -加工誤差の予測に基づく工具経路修正システムの開発- |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.52(2009),pp.40-43 |
西川隆敏,菊田敬一,岡野 仁,山下弘之,門藤至宏,中濱久雄,金子順一 |
金型の加工誤差補償システムの開発(第1報) -グラフィックスハードウェアを用いた切削力予測システムの開発- |
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター研究報告 No.51(2008),pp.26-29 |
菊田敬一,西川隆敏,山下弘之,岡野 仁,門 格史,門藤至宏,中濱久雄 |
金型高精度加工システムの開発 | 精密工学会誌, Vol.83,No.3(2017),pp.195-198 |
西川隆敏,菊田敬一 |
エンドミル加工の誤差補償システム(第1報) | 精密工学会誌, Vol.78,No.11(2012),pp.975-979 |
西川隆敏,菊田敬一,門藤至宏,筒本隆博,金子順一(埼玉大学) |
高精度加工を支援するエンドミル加工シミュレーション技術 | 機械技術, Vol.67,No.1(2019),pp.33-37 |
西川隆敏 |
エンドミル加工シミュレーションソフトの開発 | ツールエンジニア, Vol.55,No.7(2014),pp.30-35 |
西川隆敏 |
異形工具のたわみによる加工誤差の予測に基づく加工面段差の低減 | 型技術, Vol.35,No.12(2020),pp.106-107 |
姫宮一輝,西川隆敏,前田圭治 |
エンドミル加工の動的切削シミュレーションとその応用 | 型技術, Vol.28,No.9(2013), pp.26-29 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博 |
エンドミル加工時の加工面形状と誤差の予測 | 型技術, Vol.27,No.7(2012),pp.44-45 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博 |
ストロボ同期照明を用いた回転工具の静止画観察 | 型技術, Vol.26,No.12(2011),pp.30-31 |
竹保義博,佐々木秀和,門藤至宏,筒本隆博 |
工具たわみ予測に基づく金型加工誤差の補償 | 型技術, Vol.26,No.12(2011),pp.44-45 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博,門藤至宏,金子順一(埼玉大学) |
金型の加工誤差予測に基づく工具経路修正システムの開発 | 型技術, Vol.24,No.8(2009),pp.70-71 |
西川隆敏,菊田敬一,岡野 仁,山下弘之,門藤至宏,金子順一(埼玉大学) |
学会発表・口頭発表
発表年月日 | タイトル | 大会名 | 発表者 |
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2019年 12月16日 |
金型の高能率高精度加工を支援するエンドミルNCシミュレータの開発 | 型技術協会 型加工技術に関する調査研究委員会第5回委員会 |
西川隆敏 |
2018年 12月11日 |
エンドミル加工におけるびびり振動の予測と回避 | 第103回難削材加工専門委員会 | 西川隆敏 |
2018年 10月3日 |
びびり振動の予測・回避のためのNC加工シミュレーション | 日本機械学会 第12回生産加工・工作機械部門講演会 |
西川隆敏,菊田敬一,姫宮一輝 |
2017年 2月7日 |
高精度加工を支援するエンドミル加工 シミュレーション技術 |
広島県立総合技術研究所 新技術説明会 |
西川隆敏 |
2014年 12月12日 |
広島発の金型高精度加工システム開発プロジェクト | 成形プラスチック歯車研究専門委員会第117回研究会 | 西川隆敏 |
2014年 11月1日 |
エンドミル加工時の工具たわみによる加工誤差を予測するシステムの開発 | 第16回国際工作機械技術者会議 | 菊田敬一 |
2014年 9月17日 |
ボールエンドミルの振れ回りの加工誤差と表面粗さへの影響 -時間領域のシミュレーションによる予測と測定の比較- |
2014年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
西川隆敏,竹保義博,菊田敬一, 筒本隆博 |
2014年 9月17日 |
主軸回転同期撮像による工具の振れ測定 | 2014年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
竹保義博,佐々木秀和, 山本健,西川隆敏,筒本隆博 |
2013年 9月13日 |
エンドミル加工時の工具たわみによる切取り厚さ変動を考慮した加工誤差予測 -グラフィックスデバイスを用いた予測速度の高速化- |
2013年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
菊田敬一,西川隆敏,門藤至宏,筒本隆博,金子順一(埼玉大学) |
2013年 6月18日 |
金型の切削加工における机上検証 | 型技術者会議2013 | 土本哲也,流田和夫,谷川尚隆,平山弓博(以上(株)ワイテック),筒本隆博,西川隆敏,菊田敬一 |
2013年 3月13日 |
ボールエンドミル加工時の工具たわみに起因する加工誤差予測 -回転数の違いによる加工誤差と予測精度への影響- |
2013年度精密工学会 春季大会学術講演会 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博,金子順一(埼玉大学) |
2012年 11月30日 |
ボールエンドミル加工時の加工面形状と誤差の予測 | 第82回難削材加工専門委員会 | 西川隆敏 |
2012年 10月3日 |
切削加工誤差予測システムに必要な切削力係数取得に適用した事例 | CAE POWER2012 | 菊田敬一 |
2012年 9月16日 |
エンドミル加工時の工具摩耗による切削力の増大を考慮した加工誤差予測 | 2012年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博,金子順一(埼玉大学) |
2011年 9月20日 |
GPUを用いたラジアスエンドミル加工の誤差予測 | 2011年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
菊田敬一,西川隆敏,筒本隆博,山下弘之,門藤至宏,金子順一(埼玉大学) |
2011年 3月16日 |
GPUを用いたボールエンドミル加工の誤差予測に基づく工具経路修正システムの開発 | 2011年度精密工学会 春季大会学術講演会 (震災のため大会中止) |
菊田敬一,西川隆敏,筒本隆博,山下弘之,門藤至宏,金子順一(埼玉大学) |
2010年 11月5日 |
NCデータ修正による高精度金型加工の取り組み | 第75回精密工学会 難削材加工専門委員会 |
西川隆敏,菊田敬一,筒本隆博 |
2009年 9月12日 |
ボールエンドミル加工の誤差予測に基づく工具経路生成 | 2009年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
西川隆敏,菊田敬一,山下弘之,門藤至宏,金子順一(埼玉大学) |
2008年 11月14日 |
グラフィックスハードウェアを用いた切削力予測システムの開発 | 2008年度精密工学会 中国四国支部 愛媛地方講演会 |
菊田敬一,西川隆敏,山下弘之,岡野仁,金子順一(埼玉大学) |
2008年 9月18日 |
ボールエンドミルのたわみに起因する加工誤差の予測 | 2008年度精密工学会 秋季大会学術講演会 |
西川隆敏,菊田敬一,山下弘之 |
研究会
広島県高精度切削加工研究会
ものづくり企業は厳しい国際競争に直面しており,いかに短納期,低コスト,高精度なものづくりをするかが大きな課題となっています。
このような中,広島県では平成22年度から3年間で,金型の切削加工の高度化を支援する「ものづくり基盤技術高度化プロジェクト(広島発の高精度金型加工システム開発プロジェクト)」を実施しました。本プロジェクトでは,切削加工中の工具のたわみによる加工誤差を予測・補正し,生産性を向上させる「広島県版NCデータ最適化システム」と,工具の状態を工作機械上で観察・計測する「工具モニタリングシステム」を開発しました。
この研究成果を企業の皆様にご利用いただき,さらに,関連する最新技術動向の調査や会員相互の情報交換,研鑽を行うことにより,金型などの切削加工技術の高度化を支援することを目的として,広島県高精度切削加工研究会を設立しました。
本研究会はこれまで5年間(前身の広島県ローコスト・エコ加工技術研究会を含めると8年間)活動してまいりましたが,平成30年3月で終了させていただくことになりました。ありがとうございました。
知的財産権
特許番号 | 特許権者 | 登録日 | 発明の名称 |
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特許第5309288号 | 広島県, 埼玉大学 |
2013年7月12日 | 加工誤差予測のためのコンピュータプログラム,加工誤差予測装置およびその予測結果に基づいて工具経路を修正する装置 |
特許第5804367号 | 広島県 | 2015年9月11日 | 加工誤差予測方法、加工誤差予測装置、工具経路修正方法及び工具経路修正装置 |
特許第6176617号 | 広島県 | 2017年7月21日 | 加工誤差予測方法、プログラムおよび加工誤差予測装置 |
特許第6316997号 | 広島県 | 2018年4月6日 | びびり振動回避装置、びびり振動回避プログラム、およびびびり振動回避装置の制御方法 |
特許第7094509号 | 広島県 | 2022年7月4日 | 情報処理装置,制御プログラムおよび情報処理方法 |
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