県では、県内のワクチン接種の迅速化の取り組みとして、高齢者向け優先接種における大規模接種会場を、現在設置している福山市に加え、広島県立広島産業会館及び広島市安佐南区スポーツセンターに設置します。
また、感染状況は減少局面に転換していますが、再拡大(リバウンド)のおそれや、下げ止まりによる行動制限要請の延長といった可能性も考えられます。
減少局面にある今こそ、PCR検査を集中的に実施することで、早期に行動制限等を解除し、日常を取り戻すことを目指して、感染者の発生した事業所に対して集中的に検査を再開するとともに、PCR検査会場を増設します。
このことについて、令和3年6月8日に会見を行いました。
会見スライド⇒ワクチン接種の加速と事業所PCRの再開について【R3.6.8会見】 (PDFファイル)(3.28MB)
ワクチン接種の加速と事業所PCRの再開について[令和3年6月8日(火)]
報道機関との質疑応答
ワクチン接種
PCR検査
最初に、ワクチン接種の加速についてご説明していきます。
まず、コロナワクチン接種のスケジュールについて、改めてお伝えします。
ワクチン接種については、ワクチンの供給が十分ではなかったことから、国において、接種対象者に優先順位をつけ、医療従事者から、高齢者、基礎疾患を有する方・高齢者施設等の従事者、そして一般住民へと、順次接種を行っています。
本県のワクチン接種の進捗状況をお示ししています。
優先順位の高い医療従事者については、1回目接種が6月上旬に終了予定です。
2回目接種についても6月末に終了を予定しております。
高齢者の方々については、7月末を目途に接種を終了する見込みです。
本県では、高齢者向けワクチン接種の7月末の完了に向けた支援策として、大規模接種会場を福山市に設置しております。
加えて、新たに広島市に大規模接種会場を設置し、接種機会の拡充を図っていきます。
また、職域においてもワクチン接種を実施し、市町のワクチン接種を前倒しできるよう、積極的に支援していきます。
【参考リンク】広島県新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場(福山市)
まず、福山市における大規模接種会場の設置についてご説明します。
こちらは昨日から接種を開始しており、7月30日まで実施となっています。
対象者は、福山市、府中市、世羅町に住所地のある高齢者の方となっており、昨日は233名が接種を受けました。
アクセスしやすいように、福山駅からシャトルバスの運行も行っております。
第1弾の接種は、昨日から6月17日まで実施し、現在予約を受付中です。
ただし、福山市の65歳以上80歳未満の方については、6月10日から受付を開始します。
また、第2弾の接種は、6月21日から31日まで実施し、この予約は6月14日から受付を開始します。
会場では感染防止対策も徹底し、万が一の時の体制も万全です。
現時点で、予約にも十分空きがあり、早めの接種が可能です。
病院以外でも、こうした接種会場をぜひご活用ください。
【第1弾】
接種日:6月7日~6月17日
予約開始:6月1日~
接種日:6月9日~6月17日
予約開始:6月6日~
接種日:6月13日~6月17日
予約開始:6月10日~
【第2弾】
接種日:6月21日~6月30日
予約開始:6月14日~
【スライド内容】
県大規模接種会場(福山市)の概要
予約方法
電話:082-245-1414
ウェブサイト:https://jump.mrso.jp/hiroshima
【参考サイト】広島県新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場(広島市)
広島市に設置する大規模接種会場についてご説明します。
広島市とその周辺地域のワクチン接種を加速させるため、大規模接種会場を設置します。
6月22日から7月29日の期間で実施し、
対象者は広島市、廿日市市、江田島市、府中町、海田町、 坂町、熊野町に住所地のある、
65才以上の高齢者の方となります。
予約は、電話、ウェブにより受け付けます。
ウェブ:大規模接種会場予約サイト(24時間対応)
https://jump.mrso.jp/hiroshimacity/ ※6月11日(金曜日) 13時00分より予約開始
電話:大規模接種会場予約コールセンター(受付時間 9時00分~17時00分)
※6月14日(月曜日) 9時00分より予約開始
082-569-5037
【スライド内容】
県大規模接種会場(広島市)の概要
次に国が発表した職域接種の実施についてです。
ワクチン接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくために、6月21日から、企業や大学等において、職域単位でワクチン接種を開始することが示されました。
事業主体は国ですが、本県としましても、ワクチン接種を希望する県民の皆様が1日でも早く接種いただけるよう、まずは、1,000人以上の接種が可能な事業者を対象に、県としても相談に応じられる体制を整えます。
事業者単独での実施も可能ですし、複数の事業者が共同して実施することも可能です。
実施を希望される場合、各事業者から県が窓口となり国へ申請する必要があります。
事業者の方々は、この仕組みを活用し、接種の推進をお願いいたします。
【スライド内容】
職域接種の概要
続いて、PCR戦略についてご説明していきます。
まず、感染状況ですが、こちらは分科会参考指標です。
様々な指標が改善傾向を維持しています。
医療提供体制への負荷もピークを越えましたが、新規感染者の減少傾向を維持することが非常に重要となります。
最近の新規報告数からは、5月上旬と比較して非常に低い印象を受けると思います。
しかし、直近1週間の人口10万人あたりの新規報告数は1月中旬と同程度であり、高い水準です。
しっかりと減少させていくことが非常に重要となります。
5月中旬までの感染拡大期には、前週と比較して平均1.7倍で新規感染者数が増加してきました。
感染のピークについては、県民の皆様の対策の効果により、予測よりも低い値に抑えることができました。
ありがとうございます。
感染が減少傾向に転じる際には、減少比率0.8で減少すると予測していました。
これまでのデータや、専門家の知見及び変異株の感染力の影響等を考慮し、改めて今後の減少推移について予測しました。
減少速度を数パターン用意した予測となりますが、これらの場合、県の独自警戒基準値である4.0を下回るのは、最も早くて7月上旬、遅いと7月下旬と予測しています。
【参考リンク】新型コロナウイルス感染状況のステージについて
なお、この間、何らかの行動制限が必要だと考えます。
保守的に見積もって、これまでの広島県の実績あるいは東京都の実績を踏まえると前週比0.8で推移すると想定します。
直近1週間の人口10万人あたりの新規報告数が県の独自警戒基準値である4.0を下回るのは、7月下旬と予測しています。
県として、感染を低い水準まで抑え込むことを重視するのは、リバウンドを避けるためです。
他自治体の事例ではありますが、直近1週間の人口10万人あたりの新規報告数が十分に下がりきらない状態で行動制限を解除してしまったために、その後すぐに感染再拡大を招いた例が見られます。
実際に、昨年秋以降の広島県での感染拡大の際には、直近1週間の人口10万人あたりの新規報告数が県独自警戒基準値である4.0を安定的に下回るまで集中対策を実施しました。
具体的には、直近1週間の人口10万人あたりの新規報告数が2付近まで下がるまで実施しました。
その結果として、リバウンドを避けることができたと考えています。
リバウンドを避けることで、再度の行動制限が避けられ、長期的にみれば行動制限の期間も短くなります。
したがって、対策の継続が重要ですが、一方で、感染を抑え込むための行動制限を長期化させることも避けたいと考えています。
そこで、PCR検査集中実施による感染を早期に収束させることを目指します。
PCR検査を集中的に行い、これまでの手法では捕捉できていなかった感染者を発見し、そこからの感染拡大を遮断することで、感染収束のスピードを速めたいと考えています。
具体的には、県独自警戒基準値を下回る時期を3週間早めることができるとではないかと想定しています。
簡易なモデル式を利用し、減少スピードを早めるためにどのくらい新たに新規感染者を捕捉しなければならないか試算しました。
6月16日までの週を起点として、4週間で100名程度を新たに捕捉することができれば減少スピードを早めることができると試算しています。
追加捕捉の方法として、 事業所PCRの再開と、PCR臨時スポットの増設を行います。
PCR検査集中実施のターゲットについてご説明します。
直近の感染の約7割が広島市における感染ですが、広島市における経路判明例の内訳を円グラフで示しています。
家庭内での感染に続き、職場内での感染が多く、感染拡大初期から職場内での感染が継続しています。
職場内の感染はその後家庭に持ち込まれるリスクも高く、職場内感染の抑え込みが今後、より重要になります。
感染を早期に収束させるには、事業所における感染拡大防止が鍵を握っていると考えています。
そこで、事業所を対象としたPCR検査集中実施を再開します。
感染拡大初期から、感染拡大防止における各事業所の取組には大きな期待を寄せていました。
そこで、期間で事業所PCR検査集中実施を行ってきました。
7万5千件超の検査を実施しましたが、陽性率は想定よりも低い0.1%でした。
【スライド内容】
県内事業所集中実施結果概要
一方で、年代構成は、感染者の多いターゲット層とマッチしているといえます。
次の図は、受検者の年代構成を示したものです。
就労している方を対象としているので、当然ではありますが、20代から50代の方の割合が高いです。
薬局のモニタリング検査の年代構成と比較すると、50代までの受検者数が2割程度高いことが良く分かります。
感染拡大初期から感染者に占める20代から50代の割合は高く、感染者の多いターゲット層にマッチしているといえます。
先ほども申しましたが、感染を早期に収束させるには、事業所における感染拡大防止が鍵を握っていると考えています。
一方、これまでの事業所PCR検査集中実施の結果、陽性率が低かったことを踏まえると、
今のような減少局面においては、事業所に対して広く検査を行うよりも、感染者の発生した事業所の従業員に対して幅広く検査を行う方が、より確実に感染者を捕捉でき、収束スピードを早めることができると考えます。
よって、今回は、感染者が確認された事業所に集中的に検査を実施することとしました。
事業所をターゲットにするという基本的な考え方は変わりませんが、これまでの結果を踏まえ、より効果が高いと期待される方法に変更する形となります。
PCR検査で陽性であることが分かった場合、保健所による積極的疫学調査が実施されます。
行動履歴の聞き取り結果を踏まえ、濃厚接触者や接触者が定義され検査等が行われます。
今回の取組では、保健所の積極的疫学調査で検査される範囲に追加する形で検査の網を広げるものです。
こうすることで、万が一の捕捉漏れが防がれ、結果的に確実に、早期に感染を収束させることができると考えます。
実施の概要になります。
事業所の規模にもよりますが、感染者の発生した事業所内において30名から50名に対して検査を実施することを見込んでいます。
これまでも、事業所内で感染者が発生した場合に、自主的にPCRセンターで受検いただくことがありましたが、今回は検査キットを配布し収集するため、より確実に検査を行いたいと考えています。
【スライド内容】
事業所集中実施
次の図は、今回の取組を踏まえたPCR戦略の全体像になります。
これまで、幅広く検査を実施することで、感染者の隔離率を上昇させ、感染拡大防止を図ってきました。
今回の事業所PCR検査集中実施は疫学調査での検査に上乗せする検査と位置付けています。
この取組に加え、広く無症状者を対象とした検査の体制も拡充します。
具体的には、これまでの取組結果から陽性率が比較的高かったPCRセンター等の機能を強化するため臨時スポットを設置します。
これにより、再度幅広く感染者を捕捉し、早期収束を目指すとともに、再拡大等も防止していきます。
追加するPCR臨時スポットの概要です。
実施期間:6月14日(月)~7月13日(火) (30日間)
場所:
対象者: 全県民
対象人数:
予約: なし
ポイント:
問合せ先:事務局 TEL 082-207-2322(10:00~17:00)
改めて、PCR戦略の具体的全体像です。
今回説明した以外の、その他県内PCRセンターについても引き続き稼働しています。
【スライド内容】PCR戦略の全体像
集中実施
モニタリング
最後に、この週末の人手の状況についてです。
令和2年の1月下旬と比較してこの土曜日は57.3%減、この日曜日は57.0%減と目標を達成しています。
県民、事業者の皆さまにともに取り組んでいただいており、感謝します。
一方、平日はまだ一度も達成できていない状況です。
今一度、全員で人出の削減に取り組む必要があります。
県では、少しでも早く行動制限を解除するため、事業所PCR検査集中実施を再開します。
ワクチン接種も加速させます。
しかし、その効果を発揮するには、感染が減少し続けることが大前提です。
他県のようにリバウンドしてしまうと、結果的に行動制限が長引きます。
そして人出が増えると、感染者の減少が足踏み状態となる恐れがあります。
取り組んでいただいている方々のおかげで、感染者が減少している一方、もしここで、対策を緩めると、 今までの皆さんの我慢と努力が水の泡となるかもしれないと危惧しています。
自粛疲れもあるかと思いますが、今はまだしばらく、県民の皆さん全員の外出半減の徹底が必要です。
少しでも早く、お酒やお出かけを存分に楽しめるよう、県民一丸となって、感染を抑えむために共に頑張りましょう。
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