開会挨拶・オリエンテーションの後,まず,学習プログラムの構造について学びました。社会教育計画が地方自治体の総合計画などの基本計画にどのように位置付けられているか,また「学習プログラム」が社会教育計画の中にどのように位置づけられているかについて理解しました。
そして,学習プログラム開発におけるPDCAサイクルの重要性や学習プログラム開発の進め方について理解した後,地域分析を行いました。マインドマップの作成を通して,地域の資源(ヒト・モノ・コト)について整理しました。作成したマインドマップについてグループで意見交換を行うことで,地域資源を分析する際の視野を広げることができました。
その後,それぞれの地域の地域課題を分析した後,「個人の要望」と「社会の要請」を踏まえた学習課題を設定しました。地域のどういった姿を目指して(目的),どういった学習を行うのか(内容)を明確にすることで,第2回の研修内容(個別事業計画の作成)に向けた見通しを持つことができました。また,それぞれが設定した学習課題について共有することで,学習課題の設定方法について理解をより深めることができました。
第2回は,ハイブリッド方式で研修を行いました。受講者は県内3会場(広島会場・福山会場・東広島会場)に集合して対面形式で受講し,各会場をオンラインでつなぎました。講義の途中で,各会場の受講生から出された意見を紹介し合ったり,研修の最後に各会場の講師から受講者全員に対して講評をしていただりと,ハイブリッド方式ならではの良さが感じられるような研修となりました。
また,第2回の研修に当たっては,当センターの職員だけでなく,広島市,福山市,東広島市の職員の方にも,研修運営者,研修運営支援者として準備や当日の受講者への支援をしていただきました。おかげさまで,受講者に対してよりきめ細かな支援ができました。
第2回研修のはじめに,講義「学習プログラム作成上の留意点」を行いました。講義の中では,学習目的と学習目標の関係や学習目標の書き方,学習プログラムの評価に係る考え方や評価方法について理解を深めました。加えて,「個別事業計画」作成シートの様式や記入例をもとに,記入上の留意点について把握しました。
演習「学習プログラムの作成」では個人ワークを行い,それぞれが個別事業計画を作成しました。第1回研修で作成したマインドマップを参考に,地域資源を活用した事業・講座となるよう工夫しました。また,「消費的学習」(学んで楽しかったという感想だけで終わり,具体的な行動変容や成果活用の取組につながらない学習)に終わらないよう,学びの成果を事業後に生かすための工夫についても明記しました。
演習「学習プログラムのリデザイン」では,まず,「点検シート」をもとに各自が作成した個別事業計画を自己点検しました。その後,グループでふせんを使ったワーク(相互アドバイス)を行いました。それぞれが作成した個別事業計画のよいところや改善点についてグループで意見を出し合うことで,よりよい計画とするためのヒントを得ました。最後に,「点検シート」やグループのメンバーからの意見をもとに,学習プログラムのリデザイン(改善)を行いました。
まず,それぞれが作成した個別事業計画について,グループ内で発表を行いました。第2回で作成した「個別事業計画」作成シートを画面で共有し,一人ずつ発表を行いました。限られた時間ではありましたが,計画した事業・講座のねらいや工夫がしっかりと伝わる発表会でした。
その後,受講者全体の中から3名の方に全体発表をしていただきました。全体発表の内容については,講師及びセンター職員から,どういった点が素晴らしいのかについて解説がありました。
グループ発表,全体発表の後に,総評「学習プログラムの企画・立案,評価,リデザインについて」を行いました。
岡田先生からは,学習プログラム編成の視点についてお話がありました。受講者の学習関心を大切にすること,課題解決の方策を検討する際には,「ないもの探し」ではなく「あるもの探し」が有効であること,学習プログラムの終了をゴールとせず,取組への接続やサイクル化を図る必要があること等,今後の学習プログラムの企画・立案等に生かせる内容について教えていただきました。
山川先生からは,まず,全体を通しての気づきが述べられました。「対象」や「学習支援者」の想定が具体的にできている,評価の方法が多様であるといった良い点と同時に,社会課題から入った場合は地域資源を重ねると地域らしいプログラムにつながる,ワクワク感のあるプログラム名とするためにサブタイトルを生かすとよい等の今後に向けてのアドバイスが送られました。その後,実践に向けての視点として,「型にはまって,型から出る」ことや,「地域や社会への出入り口として学び場づくり・学ぶ場支援を心がける」こと等を,具体的な事例を交えて教えていただきました。
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