廿日市市における地域づくりにつながる「学び」の展開について紹介します。
昨年度、1年間をかけて完成させた"あさはらビジョン"。廿日市市浅原地区の地域住民、市職員、市社会福祉協議会職員など、浅原のみんなで語り合い、策定したビジョンの完成を祝い、ビジョンづくりを振り返り、分かち合いながら、さらに今後の活動について考え、語り合う、「あさはらビジョンお披露目会」が開催されました。
日 時:令和5年6月3日(土)
場 所:浅原市民センター
ねらい:浅原のみんなで策定したビジョンについて、そのプロセスを振り返り、分かち合い、お互いに感謝するとともにビジョンに込められた企図を思い起こし、今後の活動への機運醸成の場とする。
参加者:合計45人(地域住民24人、浅原の未来を創る会(通称「あさみら」)の運営スタッフ6人、モデル事業検討チーム5人(市・市社会福祉協議会職員)、あさはらファン10人)
〈学びの概要〉
完成した「あさはらビジョン」で、『あなたは浅原で何したい?』というファシリテーターの問いかけをもとに、参加者同士で語り合いながら、これからの浅原の地域像をみんなで思い描きました。
【オープニング】
1 あいさつ(「あさみら」理事長)
2 今日の進め方(「あさみら」副理事長、事務局長)
3 ビジョンお披露目、ビジョンづくり振り返り
・ステージ上に吊り下げられたビッグピクチャーのお披露目で、会の序幕を飾りました。
・ビジョンとは何か、なぜ絵になったのか、「あさはらビジョン」の冊子のイラストを描いた浅原出身の
金子絵里奈さんの思いを聞きながら、ビジョンづくりを振り返りました。
【第1部】
4 トークフォークダンス(参加者全員)
・参加者が二重の輪になり、内側と外側でペアになった人と、1分間で冊子の第一印象や「浅原で何が
したい!?」について語り合いました。
【第2部】
5 講演 明治大学農学部小田切徳美教授(農林水産省農村RMO推進研究会座長)
・午前中のフィールドワークや第1部のトークをふまえて、浅原の印象や取組のすてきなところをお話いただき
ました。
6 ガチャ・トーク(参加者全員)
・3つのお題のうち、ガチャで引いたお題について参加者全員が自分の思いを発表しました。
7 クロージング
・むすび(「あさみら」理事長、副理事長)
・集合写真
参加された浅原のみなさん一人一人が、自分の言葉でこれからの浅原を語り、完成した「あさはらビジョン」を生かしてみんなで浅原の未来を創るという思いを共有しました。浅原の新たな一歩がここからスタートします。
詳しい様子はこちらから→あさはらビジョンだより~春のお披露目会スペシャル~Vol.5 (PDFファイル)(811KB)
ビジョンづくりワークショップを経て策定された「あさはらビジョン」を実現するために、地域住民だけでなく、市の職員も参加して円卓会議が行われました。ビジョンのイラストをもとに「語り合い、仲間と企画し、試しにやってみる」という代謝を生み出すための学びの場として、地域住民も行政職員も対等な立場で浅原の「しあさって」について語り合いました。
【第1回】
日 時:令和5年9月26日(火)19:00~20:30(90分程度)
場 所:浅原市民センター
ねらい:○市職員がビジョンの趣旨や提案を熟知する。
○市職員と浅原のみんなとの顔の見える関係づくりの機会とし、浅原の関係人口(活躍人口)の増加に
つなげる。
○ビジョンの実現は自部署の業務であることを認識し、自分のシゴトに落とし込む。
参加者:合計57人(地域住民23人、「あさみら」の運営スタッフ6人、モデル事業検討チーム8人(広島県立生涯学習センター、市・市社会福祉協議会職員)、市職員18人)
〈学びの概要〉
6つのテーマに分かれて、「あさはらビジョン」のイラストをもとに、地域住民と市職員が一緒になって事業のアイディアをたくさん出し合いました。対話を通して、地域住民と市職員の双方が互いのことを知り合い、良さを生かしながら、浅原のこれからの取組や事業について、具体的な思いや考えを膨らませました。地域住民の「○○がやってみたい」という思いに、市職員が「~したらできそう。」「△と△が連携できたらいいね。」などと応えながら対等な立場で話合いが進められ、各テーマで充実した学びの場となりました。
1 開会あいさつ(「あさみら」理事長)
2 おしゃべり会の進め方(「あさみら」副理事長)
・趣旨を確認。
→ビジョンのイラストで語り合う、仲間と企画してみる、試しにやってみるというビジョン代謝のために、
賑やかに愉しく浅原の「しあさって」を語り合う。
→9月は、地域住民だけでなく、市職員も参加して語り合う。
3 【前半戦】トークフォークダンス(参加者全員)
・参加者が二重の輪になり、内側と外側でペアになった人と、1分間で「浅原で今○○をしている(○○が
したい!?)」について語り合いました。
4 【後半戦】あさはらビジョン2023 シェアタイム
・ビジョンのテーマである『拠点づくり』『農地・山林』『防災、安心安全』『健康・ウェルビーイング』
『子ども・子育て』『インターネット』の6つのグループに分かれて、ビジョンを具現化するアイディアを
出し合いました。
5 むすび(「あさみら」理事長、副理事長)
・集合写真
・閉会
詳しい様子はこちらから→浅原の縁側(ビジョンおしゃべり会)第1回円卓会議 (PDFファイル)(916KB)
※第2回以降は、地域住民を中心に、月1回の定例会として「浅原の縁側」が定着しています。
廿日市市では、浅原地区の地域自治組織である「あさみら」がまちづくりのバックボーンとなる「あさはらビジョン」を全3回のワークショップ形式により策定されました。ワークショップは、ビジョンづくりの策定プロセスを通して、地域住民と市職員、市社会福祉協議会職員が浅原地区の暮らしの問題を共有し、問題解決の考え方や地域づくりの進め方を学び、活動につなげることを目的として開催しました。
【第1回】
日時:令和4年7月24日(日曜日)13時30分~15時30分
場所:浅原市民センター
参加者:合計53人(地域住民34人、「あさみら」の運営スタッフ5人、モデル事業検討チーム14人(広島県立生涯学習センター・市・市社会福祉協議会職員))
〈学びの概要〉
『興味どころを語り合ってみる』
事前に実施していた住民アンケート結果のテキストマイニングから見えてきた6つの課題(=テーマ)ごとに、「将来の浅原は〇〇でありたい」、「浅原で〇〇したい!」といった目指す地域像を語り合いました。
1 今日の進め方の説明(「あさみら」副理事長)
2 今日のゴールのイメージの説明(ファシリテーター 一般社団法人 小さな拠点ネットワーク研究所 代表理事 檜谷 邦茂 氏)
・ビジョンとは、こんな自分たち(地域、価値観)でありたい理想が書かれているもの
・1人1見せ場づくりにご協力を
3 アンケート結果のテキストマイニングに基づく6つのテーマ(問い)の説明
(6つのテーマ)拠点づくり、農地・山林、防災・安心・安全、健康・ウェルビーイング、子ども・子育て、
インターネット
4 グループでの語り合い
・参加者は、興味のあるテーマ(問い)の模造紙の周りに集合(前半,後半と2回行う)
・各テーマのワークは、「あさみら」理事、市職員の2名がファシリテーションを担当
・それぞれのテーマ(問い)について、対話が活発になされました。
5 みんなでシェア
グループごとに、語り合った内容をできるだけ詳しく紹介しました。
第1回のワークショップでは、ビジョンづくりの意義、地域住民が日ごろから感じていることや将来のありたい姿について理解を深めることができ、今後のプロジェクトの実施に向けて大きな一歩となりました。
第1回の詳しい様子はこちらから→あさはらビジョンワークショップだよりVol.2 (PDFファイル)(1.75MB)
【第2回】
日時:令和4年10月16日(日曜日)13時30分~16時00分
場所:旧浅原小学校体育館
参加者:合計42人(地域住民24人、「あさみら」の運営スタッフ6人、モデル事業検討チーム12人(広島県立生涯学習センター、市・市社会福祉協議会職員))
〈学びの概要〉
『ビジョンを描こう!呼びかけてみよう!私たちがありたい姿はこんな姿だ』をテーマに、ビジョンの原石(イラスト/落書き/イメージ)を描きました。
1 今日の進め方の説明(「あさみら」副理事長,事務局長,廿日市市地域支援員)
2 今日のゴールイメージの説明(ファシリテーター 一般社団法人 小さな拠点ネットワーク研究所 代表理事
檜谷 邦茂 氏)
・ビジョンとは
・みんなへの呼びかけ どうして?その心は? イラスト/落書き/イメージ=未来で写真を撮影したらこんな
感じ!
3 グループになって語り合い、イラスト(落書き)を描く
・参加者は、興味のあるテーマ(問い)の模造紙の周りに集まり、活発に意見交換し、この場に来られない人や
浅原のみんなに呼びかけるために、テーマ(問い)ごとのイラストを模造紙に落書きしました。
・各テーマのワークは、「あさみら」理事、市職員の2名でファシリテーションを担当
4 ポスターセッション
・掲示用スペースポスターを貼り、他のテーマの参加者に呼びかけたいことやそこに込めた思いを説明しました。
(参加者の感想)
・今回までのワークショップで「こんな地域でいたい」がバージョンアップしてめざすことに近づいている気が
しました。
・浅原の課題を共有化でき良かった。「課題の裏返しとして魅力に変えることができる」という視点が印象に
残りました。
コロナ禍に浅原地区へ移住された方など新規の参加もあり、具体的なアイディアも多数出され、ビジョンがより深まってきました。
第2回の詳しい様子はこちらから→あさはらビジョンワークショップだよりVol.3 (PDFファイル)(1.61MB)
【第3回】
日時:令和5年1月22日(日曜日)13時30分~16時00分
場所:浅原市民センター
参加者:合計52人(地域住民33人、「あさみら」の運営スタッフ4人、モデル事業検討チーム15人(広島県立生涯学習センター、市・市社会福祉協議会職員))
〈学びの概要〉
第2回に描いた落書きを地元の人がブラッシュアップしてくれた6枚のイラストを使って、自分がやりたいことやできること、仲間(5人)でできること、仲間(50人)でできることを考え、語り合ったのちに『私はここでこんなことをしています』というアピールをしながら、参加者みんなで「あさはらビジョン」の表紙となる1枚の大きな絵(ビッグピクチャー)をつくることにチャレンジしました。
1 今日の進め方の説明(「あさみら」副理事長)
2 今日のゴールイメージの説明(ファシリテーター 一般社団法人 小さな拠点ネットワーク研究所 代表理事
檜谷 邦茂 氏)
・ビジョンとは
・成果物イメージの紹介
・ビッグピクチャー作成のコツ
・自分,仲間を登場させよう
3 前半(個人ワーク)
・参加者は、6つのテーマ「拠点づくり」「農地・山林」「防災・安心・安全」「健康・ウェルビーイング」
「子ども・子育て」「インターネット」において「自分ができること。仲間とできること試しにこんなこと
したい。」「私、こんなことならお役に立てるかも」をワークシートに記入しました。
・各テーマのワークは、あさみら理事、市職員の2人がファシリテーションを担当
4 後半(全体ワーク)「みんなであさはらビジョンの表紙づくり」
(内容)
・6枚のイラストを1枚の大きな紙(ビッグピクチャー)につなげる。
・ビッグピクチャーの中には、必ずどこかに自分を入れる。
5 インタビュー
・参加者の何人かに「あなたはどこで何をしているのか。仲間はどこにいるのか。」などについて質問しました。
6 キャッチフレーズを考える
・ビッグピクチャーから見て取れる「浅原の〇〇観、〇〇してる。〇〇な雰囲気?」は何か。
・「〇〇〇〇やろうやぁ」という呼びかけになるようなキャッチフレーズは?
→「あなたは浅原で何したい?」
7 ワークショップの講評(ファシリテーター 一般社団法人 小さな拠点ネットワーク研究所 代表理事
檜谷 邦茂 氏)
(参加者の感想)
・初めての参加だったのに皆さんが一生懸命自分の話を聞いてくださり、同じ思いの人が同じグループに
おられました。
・1人1人が何をしたいか真しに向き合う姿が良いと思いました。
・自分の思いを言葉にして発信していくことがとても大事だなと感じました。
(スタッフの感想)
第1回には満たないが、多くの地域住民の参加があり、とてもよかったです。また、今回、初めて参加した方(チラシを見て,知人に誘われて)や移住者の参加もあり、議論が深まりました。
キャッチフレーズを決めるために20分の時間を要しましたが、最後は参加者全員が納得した形でワークショップが終わりました。中山間地域のみならず、都市部においても住民同士で地域の課題やこんな地域にしていきたいということを話し合う場の設定はあまり行われていません。ワークショップ終了時のアンケートでは、自分の思いを発言できた、他の人の思いを知れたという満足感を得られた方が多く見受けられ、話し合う場、語り合う場をもてたことが一番の価値であるように思います。一方で、「浅原で何ができるか」の問いに関しては、年齢や浅原での居住歴によって、目指すものが異なることも判りました。ビッグピクチャーに描かれた「こんなことやってみたい」をできることから少しずつ形にしていき、地域住民みんなで一人ずつの思いを支える仕組みができれば、一人一人それぞれのウェルビーイングが紡がれ、私たちのウェルビーイングになっていくのではないでしょうか。
第3回の詳しい様子はこちらから→あさはらビジョンワークショップだよりVol.4 (PDFファイル)(1.28MB)
「あさはらビジョン」について詳しくは,こちらへ
→ 廿日市市Webサイト内「浅原市民センター」
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