北広島町における地域づくりにつながる「学び」の展開について紹介します。
北広島町では,令和3年度の12月に開催した「きたひろ座談会」の多くの参加者に,今年度から開催する「絵本フェスタ」の実行委員として参加していただいています。今回は,その実行委員が9月にある「絵本フェスタ」にてブースを企画・運営するに当たって,児童文学作家の方を講師に招き,「絵本づくり講座」を受講しました。
日時:令和4年6月11日(土曜日)13時00分~16時00分
場所:北広島町まちづくりセンター
ねらい:「絵本フェスタ」に向けて,絵本フェスタ実行委員が「絵本づくり」の基本を学ぶことにより,個々のスキルアップを図る。
演題:「かんたん絵本をつくろう」
講師:児童文学作家 くぼ 英樹
参加者:実行委員15名
〈学びの概要〉
研修会では,講師に絵本の基本や場面構成の考え方等をお話ししていただき,その後,参加者(実行委員)は事前に考えてきた話を元に,講師に助言をもらいながら絵本を制作していきました。最後には,講師自身が会場で制作された北広島町を題材とした絵本を用いて,講義の中で学んだ内容を振り返りました。
参加者からは「絵本の組み立てなどを丁寧に指導していただき,ポイント等もよく分かりました」,「実際に制作した絵本を見ていただくときは緊張しましたが,とてもわかりやすく教えていただき,とても勉強になりました」,「志路原川など,北広島町の川のお話を作られていたのには驚きました。地域の名前がお話しに出てくるのは,素直に嬉しく感じました」といった声が多く聞かれました。
この研修会において学んだことは「絵本フェスタ」の実行委員としてイベントに生かされる予定です。
今回は,「こどもが元気なまちづくりプロジェクト in きたひろ」の事業の1つである「絵本フェスタ」を実施しました。この「絵本フェスタ」では,「きたひろ座談会」の多くの参加者が実行委員として,研修会での学びや実行委員会等を通して,計画・準備を行い,当日は各ブースに分かれ,運営していただきました。地元の高校生も運営ボランティアとして,受付等で参画していました。また,高等学校で育てた野菜や果物の販売もありました。
日時:令和4年9月4日(日曜日)10時00分~16時00分
場所:北広島町まちづくりセンター
ねらい:子どもや保護者,地域の大人,参加者が絵本に親しみ,元気になれる時間を過ごす。実行委員のメンバーの協働によるまちづくりへの関心や,地域を盛り上げるため貢献しようとする気運の醸成
参加者:実行委員会 25名(職員を除く),高校生ボランティア 23名,参加者 約350名
きたひろホールで行われた「絵本のおはなしを演じよう」のブースでは,シナリオに合わせて参加者が登場人物となり演じるものもあり,参加した子供達は動物や雨を思い思いに表現していました。その後,昨年度は新型コロナウイルスの影響もあり,YouTube配信となった,北広島町の地元で活動されている劇団くむくむによる「みどりのサンちゃん」の上演がありました。対面による上演はとても迫力がありました。午後からは,紙芝居の上演や絵本作家を招き,ライブペイントが行われました。
他のブースでは,画用紙で作った本に,色とりどりに塗られた紙をちぎり,何枚も貼り重ね物語を作るブースや石ころに絵を描いたり,木材と麻ひもを使いブックスタンドをつくったり,ペットボトルを使い風車をつくったりするブースなどもあり,子供達も一生懸命考え,取り組んでいました。また,館内各所におばけのぬり絵が設置してあり,ぬり絵帳をつくることもできました。
参加者からは「みどりのサンちゃんで泣いてしまいました。読み聞かせの活動,いっしょにやってみたくなりました」,「とても楽しかったです。工作の発想も凄く,学生さんも一緒に楽しんでいる空間も素敵でした」,「ボランティアの高校生がみんな優しく,よくがんばっていて素晴らしかった」といった声が聞かれました。
北広島町では,核家族化,共働き家族の増加等により,親子で一緒に過ごす時間の減少や親子が地域住民と交流する機会が減少していることなどから,子育てに不安や負担を感じている親が多いことを課題として感じておられました。
そこで,本プロジェクトでは,このような地域の課題を解決し,子育て支援の活性化につなげ,参加者間が「人づくり」,「つながりづくり」,「地域づくり」でつながることを目指し,取組を始められています。
今回は,絵本を活用したまちづくりについて,先進的に実践している和歌山県有田川町の取組について学びました。
日時:令和3年7月27日(火曜日)13時30分~15時30分
場所:北広島町まちづくりセンター
ねらい:絵本を活用したまちづくりについて先進的に実施している取組に学ぶ。
演題:「笑顔あふれる絵本のまちの実現を目指して」
講師:有田川町地域交流センター(ALEC) 杉本 和子
参加者:北広島町職員等(計25名)
〈学びの概要〉
研修会では,杉本和子センター長に「笑顔あふれる絵本のまちの実現を目指して」と題してお話をしていただき,その後,質疑応答を行いました。講義では,過去に図書館がおかれていた状況や今まで取り組まれてきた絵本を活用したまちづくりについてのお話がありました。取組の一例として,プロアマ問わず全国の応募作品を絵本作家等により審査する「絵本コンクール」,有名カフェの出店や絵本イベントを合わせ実施する「絵本マルシェ」,最寄り駅の空室に絵本原画を設置したり,イラスト切符を作成した「小さな駅美術館」,絵本に登場する料理・工作,絵本作家を招いてのイベントを実施した「絵本deわっしょい」等の紹介がありました。図書館職員として常にアンテナを張り,困難な状況においても工夫しながら,事業を計画・実施していくことの大切さについて,お話がありました。また,質疑応答ではイベントを開催する際の体制やチラシの作成について積極的に講師に聞かれていました。
参加者からは「杉本さんの持つ行動力と企画力に感動しました。司書として常にアンテナをはり,できることから挑戦していきたいと思います」「まちづくりに関するグランドデザインのもと,各事業に一貫性がありつつも,事業展開に広がりを感じました」といった声が多く聞かれました。
今回は,来年度に行う「絵本フェスタ」に向けた「アイデアのタネを出し合いませんか」と題し座談会を行いました。参加者は読み聞かせボランティアの方が多く,絵本を活用したまちづくりに向けて多くのアイデアをいただきました。
日時:令和3年12月4日(土曜日)13時30分~15時45分
場所:北広島町まちづくりセンター
ねらい:参加者が「絵本」と「子供」をキーワードとした,絵本を活用したまちづくりに向けて,アイデアを出し合う。
参加者:読み聞かせボランティア等(計22名)
〈学びの概要〉
最初に,金田センター長から参加者へ「こどもが元気なまちづくりプロジェクトinきたひろ」の趣旨等の説明がありました。きたひろ座談会では,「こどもが元気に育つまちにするためには」や「絵本を活用してそんなまちづくりに向けてできそうなことは」をテーマに,意見を出し合いました。参加者からは,「子供たちが安心して遊べる場所があること」や「気軽に相談できる場所があるなど大人が元気になる環境があること」,「絵本の世界観を体験できるようにする」などの意見が出されていていました。その後,参加者に絵本を活用した取組についてイメージを持っていただき,絵本を活用したまちづくりに向けてアイデアを出していただくため,庄原市で行われている絵本に関する取組について紹介しました。最後に,「絵本フェスタにおいて,参加者として参加したい,機会があればやってみたいこと」をテーマに話し合いましたが,多くのアイデアを出していただきました。
参加者からは「皆さんが体感している問題点が同じだと感じました。楽しく解決できればと思います。」,「いろいろなアイデアが出てきて楽しかった。自身も企画側として参加してみたいと思いました。」といった感想が多くあり,プロジェクトの実施に向けて大きな一歩となりました。