広島県教育委員会では,「『親の力』をまなびあう学習プログラム」の開発にあたり,有識者からなる懇談会を開催し,専門的な知見を踏まえた意見を聴取しています。
近年の教材開発において,読み聞かせ,中高生向け,親子コミュニケーション応援編と常に家庭教育支援の普及啓発に向けて新たな教材を開発してきました。本年度は,さらにより多くの方に「親プロ」を活用していただくために,県や市町が取り組んでいる乳幼児教育支援や子育て支援とも連携し,ネウボラ等に集まっている乳幼児を連れた保護者を対象とした短時間でできる教材の開発に取り組みました。
名前 | 所属 |
---|---|
橋本 信子 | 安田女子短期大学 教授 |
山川 肖美 | 広島県立生涯学習センター 生涯学習推進マネージャー,広島修道大学 教授 |
岡本 由姫美 | 社会福祉法人光彩会和光園保育所 所長(府中市) |
緒方 恵理子 | 「『親の力』をまなびあう学習プログラム」ファシリテーター(尾道市) |
谷本 美代子 | 「『親の力』をまなびあう学習プログラム」ファシリテーター(福山市) |
行政 智 | 「『親の力』をまなびあう学習プログラム」ファシリテーター(三次市) |
田村 雅恵 | 「『親の力』をまなびあう学習プログラム」ファシリテーター(府中町) |
小笠原 瑠衣 | ママンぺmamaおしゃべりサークル「ハグクム」 |
高野 理紗 | ママンぺmamaおしゃべりサークル「ハグクム」 |
第1回:令和元年8月30日(金曜日)13時30分~15時30分 広島県庁本館 102会議室
第2回:令和元年10月7日(月曜日)10時00分~12時00分 広島県庁本館 502会議室
第3回:令和元年10月28日(月曜日)10時00分~12時00分広島県庁本館 102会議室
試 行:令和元年12月3日(火曜日)~12月23日(月曜日) 福山市,尾道市,三次市,府中町
第4回:令和2年1月24日(金曜日) 10時00分~12時00分 広島県庁本館 102会議室
第1回懇談会では,本年度開発する教材の条件(対象:乳幼児の親,時間:15分程度等)や方向性を確認し,どのような手法をもちいて,どのようなテーマにしたらよいかについて御意見をいただきました。サイコロやカード,レシピの紹介カードなどを用いる手法や子育てのヒント,悩みやストレスを話し合う場にすればよいのではないかという意見が出されました。「短時間の教材なので親同士が結びつくきっかけ(つながり)作りとして,様々なテーマについて話し合い,ヒントを持ち帰ってもらうのがよい。」「楽しい雰囲気の場づくりによってリピーターになってもらいたい。」という思いのもと教材の作成に取り組みました。
第2回懇談会では,第1回でいただいた御意見をもとにセンターが教材の試作を示し,委員の皆さんから,建設的な御意見をいただきました。模擬体験を通して,参加者の立ち場になって,より多くの方に安心して使ってもらえるようにするためにはどうしたらよいか考えました。テーマの決め方は準備が容易で楽しく参加できるサイコロとカードに絞り,テーマは「悩んでいるのは私だけ?みんなどうしてる?」として子育ての悩みや不安について話し合うこととしました。
第3回懇談会では,テーマを親編・子供編・0~1歳編・1~2歳編とし,サイコロに対応させ,各編とも6つのテーマを試作として御意見をいただきました。話し合いの結果,親編・親の生活編・子供の生活編に集約し,試行を行うこととなりました。
試行は,尾道市,福山市,三次市,府中町の小学校や公民館,認定こども園などで実施しました。試行のアンケート結果からはサイコロやカードを使うことに対して参加者(32名)全員から肯定的な評価をいただきました。また,自由記述からも「短時間でも積極的に話すことがで得るものも多い」「なかなかテーマに沿って話すことがないのでよかった」「自分一人で悩まず,話してみることで違う考え方ができてよかった」等,自分の子育てを振り返る機会となることが確認できました。
第4回懇談会では,試行の結果を踏まえて教材の最終的な確認を行いました。この教材を通して,子育てを振り返るとともに親同士が結びつくきっかけづくりになればと考えています。