令和元年11月14日(木) 10:45~11:35/県立戸手高等学校
県立戸手高等学校/3年生 30名
野田 千代
県立戸手高等学校の看護の時間に教科担当の先生が自らファシリテーターとなり「親プロ」講座が実施されました。また,公開授業としても行われ,他の先生方も見学に来られていました。教室には昨年度に実施された「親プロ」の成果物が展示されていました。生徒は3~4人グループで席に座り,講座が始まりました。
生徒は事前課題として赤ちゃんとして扱う卵のベッドを作成し,卵の中身を抜いた殻に顔を描いてそのベットに寝かせ,見えないように紙袋に入れて持ってきました。ベッドは布で縫われたもの,毛糸で編まれたものや木製のものなど様々な素材を活用し,趣向を凝らしたものになっていました。グループ内で作品の良いところを付箋に書いたものを,生徒同士で交換しました。お互いの作品を見て「すごい」「芸術的だね」「センスがいい」と盛り上がっていました。
ファシリテーターが「親のイメージ化を図り,子供に対する親の思いと責任の重さが理解できる」という授業の目標と,「母性の定義」を確認しました。
生徒は事前課題で考えてきた,赤ちゃんの名前の由来を,付箋へ記し,グループ内でお互いに紹介し合いました。
「卵(子供)を手離すとき,どんな気持ちか」を考える場面では,生徒からは「さっきまで,自分の手元にいた子がいなくなるさみしい気持ちになりました」,「他の子と仲良くして欲しいと思いました」などの意見が出ました。
また,「グループ内で卵(子供)を回しているとき,自分の卵(子供)が戻ってきたとき,どう感じたか」を考える場面では,生徒からは「他の人の赤ちゃんは自分の赤ちゃんよりも丁寧に扱わないといけないと思いました」「自分の子が手元にいないときにとても心配になりました。戻ってきたときは,とても安心しました」という意見が出され,親になる疑似体験をし,親の責任について考えていました。
最後に「自分の親に対してどう思ったか」を考える場面では,生徒たちは自分の意見をワークシートにまとめキーワードを付箋に記し,グループ内で交流し,意見をまとめていきました。「愛」,「ごめんなさい」,「安心」,「母性」,「感謝」,「守りたいもの」など今まで育ててくれた親への温かい気持ちがたくさん出され,子供に対する親の思いや責任について考える機会になりました。
・子育ての大切さ,楽しさや親の気持ちがわかりました。子供の成長を見ることは大変なことだけではなく,楽しいこともあるのだと思いました。
・普段は親の気持ちを考えることがありませんでしたが,考えるいい機会になりました。感謝を普段から伝え,心配をかけないようにしたいと思いました。
・最初は,ただの卵に母性なんて芽生えることはないと思っていました。しかし,卵の中身を抜いている時点ですでに「かわいい」と思っていました。赤ちゃんが産まれたときの感覚を体験できました。私に赤ちゃんが産まれたときには育てていくことの責任感など,新たな感覚に出会えると思いました。
・生徒たちは授業内で「親プロ」を通して親の思いや責任の重さを知るきっかけとなり,将来について関心をもつことができました。