社会教育法の改正により,市町村教育委員会の事務に「学習の成果を活用して学校や社会教育施設などで行う教育活動の機会を提供すること」が新たに加わりました。
住民のみなさんが学んだことを生かして地域で活躍されることは,学習者自身の自己実現だけでなく,学習の効果が社会にもたらされるものでもあります。
学習活動を様々な場面で生かすための,学習成果の評価や認証,学習成果の活用支援などについてご紹介します。
「学習した結果が目標に対してどれくらい達成されたかを判定すること。」というのがもともとの意味ですが,生涯学習関連の答申で修了証,認定証などの認定が取り上げられたこともあり,一般的には学習成果の認定を意味することが多いようです。
学習成果の評価は,生涯学習領域においては,強制されるものではなく,学習者の求めに応じて行われる支援(サービス)という位置づけのものです。
【参考】 学習成果の評価の三原則 ( 『21世紀生涯学習への招待』 山本恒夫より )
1 評価からの自由の原則
学習成果の評価を求めるかどうかは学習者の自由である。
2 評価独立の原則
学習性成果の評価は,学習機会やその活用からは切り離して行う ものである。
3 人物評価排除の原則
学習成果の評価は学習した成果についての評価であり,人物評価は含めない。
生涯学習パスポートとは,さまざまな場所での学習歴やボランティア活動歴を記載し,修了証明となる資料は自己評価などをファイルしておくものです。
様式は定まっていませんが,記入しておくのは次のような内容です。
学習成果の活用例としては,つぎのようなものがあります。
(『地域における生涯大学システムに関する研究開発報告書』 より)
生涯学習の成果
(1)身につけた知識等を活用する必要性について
「生涯学習」を通じて身につけた知識・技能や経験を,自分以外のために生かすべきだと思うか聞いたところ,
となっている。
性別に見ると,大きな差異は見られない。
年齢別に見ると,「生かすべき」とする者の割合は20歳代,40歳代で高くなっている。
(2)身につけた知識等の社会的評価について
人々が「生涯学習」を通して身につけた知識・技能や経験を社会的に評価することについてどう思うか聞いたところ,
となっている。
前回の調査結果と比較してみると,「評価するのがよい」(58.3%→66.1%)とする者の割合が上昇している。
平成20年6月に「検定試験の評価の在り方に関する有識者会議」が発足し,10月には「検定試験の評価ガイドライン(試案)」が公表されました。
参考資料:
『生涯学習概論ハンドブック』 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター
生涯学習研究e事典 成人の学習行動と学習ニーズ 浅井経子
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