令和5年5月25日(木曜日)9時30分~15時00分
本研修の内容についてより理解が深められるよう、受講者には、オンデマンド動画で、午前の講義「生涯学習・社会教育の基本」について、内容の一部を予め視聴した上で本研修を受講していただきました。
開講挨拶では、中央教育審議会における次期教育振興基本計画についての答申をもとに、一人一人が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、「持続可能な社会の創り手」になることを目指すという考え方の重要性等について述べるとともに、本研修の目的や研修受講に際しての心構えについて説明しました。
オリエンテーションについては、日程や研修受講の留意点等を説明しました。その後、チャット機能を使い「地域の良いところ」について受講者全員で交流する「アイスブレイク」を行いました。受講者からは魅力的な自然があること、地域住民が優しいこと、特産物があること等、様々な地域自慢が挙げられました。
最後に研修のねらいを確認し、そのねらいを意識しながら研修を受講するようお伝えしました。
講師:広島県教育委員会事務局生涯学習課 社会教育監 宮田 幸治
生涯学習・社会教育に関する国や県の動向や施策について、理解を深めました。
講師:大分大学教育マネジメント機構基盤教育センター 教授 岡田 正彦
「生涯学習・社会教育の基本事項」について学びました。はじめに、社会教育の概念や意義、社会教育行政職員の職務や生涯学習・社会教育の現状を踏まえ、社会教育が積極的に連携・協働をプロデュースすることの大切さや新しい教育機能を開発したり既存の教育機能を高度化したりすることの重要性について学びました。
次に、社会教育行政事業を推進するために意識することについて学びました。特に、「消費的学習」(学んで楽しかったという感想だけで終わり、具体的な行動変容や成果活用の取組につながらない学習)に終わらないよう学習と実践(取組)をつなぐ働きかけや仕掛けを設けることが重要であること、1人で悩みながら仕事や業務を抱えるのではなく、ネットワークを構築して協働しながら取り組むことが大切であることを学びました。また、クローズアップとバードビュー(鳥瞰)の二つの視点を併せ持つことや、事業改善に具体的につながるようなPDCAサイクルを回していくことについても学びました。
岡田先生のコーディネートにより、県内市町の生涯学習・社会教育に関わる3名の方から、実際の体験談や現場の仕事を通じて学んだこと等について発表をしてもらいました。
村上さんからは、放課後子供教室・ボランティア研修・市民大学講座について話していただきました。市民が求めている講座を企画したり、講師を探したりするときに御苦労があったそうですが、いろいろな人に聞いたり、他の課に相談して人を紹介してもらったりする中で、人とのつながりが重要だと感じられたそうです。
川口さんからは、成人式業務やスマート公民館構築事業などについて話していただきました。スマート公民館構築事業では事前に準備や確認を行っていても実際に始まってみると想定外の事態が起こる等御苦労があったそうです。ですが宮崎県日向市と連携して囲碁のオンライン交流を行うなど、コロナ禍でもできる活動を企画することで「また、他市の方と交流してみたい」等のお声をいただいてやりがいを感じられたそうです。
野村さんからは、主に大学生ボランティアサークル「おとなりさん」の支援について話していただきました。コロナ禍で、公民館でイベントを企画しても参加者が集まらないという悩みがあったそうですが、苦労したことや失敗したことから解決方法を探り、三つの解決方法を見付けたそうです。そして講座参加者が増えたり、できたらいいなと思っていたことが実現できたときなどにやりがいを感じられたそうです。
その後、「仕事をしている中で、一番喜び(やりがい)を感じること」をテーマにトークセッションを行いました。そして最後に、お二人から受講者へのメッセージ(エール)を送っていただきました。
進行:広島県立生涯学習センター 主査 吉長 愛
はじめに、それぞれの受講者が生涯学習振興・社会教育行政関係職員として大切にしている資質・能力について考えた後、グループに分かれて自己紹介を行いました。自己紹介では、それぞれの業務内容や大切にしている資質・能力についても意見交換を行いました。
その後、「コミュニケーション能力」、「学習ニーズの把握と企画立案の能力(プランニング力)」、「コーディネート能力」の三つの視点に分けて具体的な内容について学びました。
「コミュニケーション能力」では、アサーション(お互いを尊重する自己表現)を意識したコミュニケーションの重要性について学びました。「学習ニーズの把握と企画立案の能力(プランニング力)」については、「要求課題(個人の要望)」と「必要課題(社会の要請)」を踏まえた上で事業や講座を企画する必要があることを学びました。また、「コーディネート能力」では、「学習ニーズの把握と企画立案の能力」で考えた事業の実施に際して、連携・協働ができる地域の人材や団体について考えました。
最後に、実践発表者と岡田先生から、演習を通しての講評をいただきました。
事務連絡として、振り返りアンケートの提出について連絡した後、最後は、参加者全員で画面に登場し、手を振ってお互いにエールを送りながら研修を終了しました。
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