令和6年7月25日(水曜日)13時00分~16時30分
令和5年6月に「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」をコンセプトとした「第4期教育振興基本計画」が閣議決定され、これからの教育の方向性が示されました。
そこで、本研修では、「ウェルビーイングを実現する生涯学習・社会教育」をテーマとし、「住民が主体的に参加する地域づくり」を中心に学んでいただく構成となっていることをお伝えしました。また、受講にあたっては、知識の習得とともに、それを自身の関わる生涯学習・社会教育でどう活かせるかという視点をもって受講していただきたいこともお伝えしました。
最後に、本研修は、オープンバッジの発行対象になっているため、オープンバッジの概要についても説明しました。
題目:「ウェルビーイングを実現する生涯学習・社会教育~住民が主体的に参加する地域づくり~」
講師:日本女子大学人間社会学部教育学科 准教授 荻野 亮吾
講義は、「地域のウェルビーイングをどう形づくるか?」「関係の基盤づくり」「地域の居場所づくり」「長期的なエンパワメント戦略」という4つの構成で行われました。
「地域のウェルビーイングをどう形づくるか?」では、社会関係に基づく地域資産であるソーシャル・キャピタルづくりの基本的な考え方について説明していただきました。顔の見える関係を築き、関係を広げ、徐々に大きな関係を作り出すことや、つながりを新しくつくるよりも、今のつながりを活かす方が早くて簡単であるということでした。
「関係の基盤づくり」「地域の居場所づくり」「長期的なエンパワメント戦略」では、千葉県柏市や東京都世田谷区での実践を基に、取組の提案がされました。学習のニーズは人それぞれなので、活動に主体的に参加してもらうために、入口を楽しそうなものにすることや様々な入口を準備することがポイントの1つになるということでした。更に講座が終わった後のことも想定して事業を組み立てることや、受講者が講座の組み立て側に回り企画立案の楽しさを学ぶ機会を設けることもポイントになるということでした。
最後に、講義の内容と絡めてこの後の実践発表を聴くポイント「当事者意識をどう引き出すか?」「住民が関わる主体的な取組を持続させていくには?」を提示していただきました。
実践交流では、広島市青少年センターでの実践事例と廿日市市串戸市民センターでの実践事例を発表していただき、その後、「住民の自主性を引き出すには。主体性を持続させるには。」というテーマでテーマトークを実施しました。
広島市青少年センターの発表では、外国籍の方が多い地域で同じ地域に住む学生が子供向けのイベントを企画・運営し、試行錯誤しながら取り組んだことが紹介されました。こういった活動をコーディネートする際には、得意分野が活かせるようにすることや相手のメリット・デメリットを考慮することなど大切にしたいということでした。
廿日市市串戸市民センターでは、自主防災会や大学生ボランティアと連携して防災キャンプや市民センターまつりに取り組んだことが紹介されました。これらの取組を持続的なものにするために、やりがいをもってもらえるように、運営から関わってもらえる仕組みづくりに取り組んでいきたいということでした。
テーマトークでは、各テーブルで活発な交流が行われ、設定した時間があっという間に過ぎてしまいました。講義や事例発表を踏まえ、既存の活動グループを活かすことや小さなグループから始めること、参加者に参画するという視点ももってもらうことなどが話し合われていました。
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