平成30年7月豪雨災害から2年
あなたの避難が
まわりの命を救うことに繋がります
災害に対する意識を再確認
戦後最大級の被害をもたらした平成30年7月豪雨災害。今から2年前に起こったこの災害は、みなさんの記憶にも鮮明に残っていると思います。災害はいつでも起こる可能性があります。いざというとき、速やかに避難できる備えはできていますか。
広島県の調査によると、実際に避難行動のきっかけとして多かったのが、「まわりの人が避難をしたから」という声でした。まずはあなたが速やかに危険な場所から避難することこそが周囲の人たちの命を救うことにも繋がります。
そこで三原市で地域の防災活動に尽力されている三原市防災ネットワーク会長の竹原茂さんに、防災に対する地域の取り組みや意識改革などのお話を伺いました。竹原さんは「日頃から避難経路を確認したり、災害が起きたときにどういった行動をとるか家族と話し合うなど、いざというときに迷いなく、避難できるよう準備しておくことが大切。また災害発生時に地域で一体どんなことができるか、近隣住民のみなさんとしっかり考えておきましょう」と話してくださいました。
全国最多
広島県の土砂災害警戒区域は、約4万8000箇所と全国で一番多く土砂災害はいつでも起こりうる災害です
※土砂災害の起きる可能性が高い区域は、広島県のHP「土砂災害ポータルひろしま」で確認できます。
土砂災害ポータルひろしま(外部サイト)「危険を察知できなかった」
災害の心配のない場所だと思い込んでいました
避難しようとは思わなかったんです。自分が住んでいる所は安全だという認識をしていました。家の下の道路が海のようになっていましたが、家は浸からないと思い込んでいました。(60代 男性 3人家族)
「避難することを決められなかった」
自分だけでは避難を決められませんでした
当時は「今すべきことは何だろう」って、くり返し何度も考えていました。自治会長さんから「避難が必要になったら避難してください!」と言われて避難の準備はしたんです。ところがそれから何も連絡が来ませんでした。気軽に避難できる場所が近くにないし。そうこうするうち避難が遅れてしまったんです。(60代 女性 1人暮らし)
行動事例集「私たちはなぜうまく避難できないのだろう」 令和元年 広島県発行
「日頃から避難する意識を地域全体で持っていました」
竹原 茂さん
三原市在住。三原市にある防災14団体の連携強化を図る「三原市防災ネットワーク」会長。三原市中之町・下町の町内会防災会会長も務め、安全なまちづくりに向けて地域の啓発活動や防災訓練の支援、協力を行っている。
地域みんなで取り組む防災
「私たちの地域は、日頃から地域のみなさんと一緒に、防災について考える機会を設けています。ハザードマップをもとに、避難経路の確認をしながら町の危険な箇所を見て回る「まちあるき」や、地元の中学生たちと避難訓練などをしています。
その結果、平成30年7月豪雨災害の際には、地域で一人も残さず、全員が安全な場所へ避難することができました。高齢者の多い地域なので、危険が迫ったときの早めの声掛け、早めの避難ができたことは、日頃からみなさんが防災に対する高い意識を持っていたからだと思います。
自分の家のまわりが本当に安全かどうか普段から確認しておく、自分で安全に避難できるタイミングの目安を作っておく、複数の避難経路を確保・確認しておく、普段から近所同士で声掛けをするといった、それぞれの意識や行動が、命を救うことになるのです」
避難訓練や「まちあるき」などの防災訓練は、中学生からお年寄りまで、多くの地域住民が参加
(2019年9月の様子)
避難行動の3つのポイント
安全な場所にいる人は、避難する必要はありません
日頃から自分が住んでいる地域のハザードマップを見て、災害発生の可能性が高い場所かどうか確認しましょう。
避難する先は、市町が指定する避難所だけではありません
緊急時に身を寄せられる親戚や知人の家など、日頃からよく相談して、安全な避難先を確保しておきましょう。
警戒レベル3、4が出たら危険な場所から避難しましょう
台風の接近など、災害発生の可能性が高いと思われる場合は、発令される前でも早めに避難してください。
避難先で新型コロナウイルス感染症を予防するために
避難グッズに下記の3つを加えましょう
マスクがないときはハンカチ、アルコール消毒液がないときは、ウェットティッシュで代用できます。避難時にすぐ持ち出せるよう、生活用品、防災用品、感染症予防用品の準備をしておきましょう。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)