HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は,感染力が弱く性行為以外では日常の生活の中で感染する心配はありません。周りに感染した人がいても心配ありません。
主な感染経路は,(1)性的接触,(2)血液感染,(3)母子感染です。
日本国内で最も多い感染経路が,性的接触よるものです。
HIVは,血液や精液,膣分泌液に多く含まれており,性行為中に性器や肛門,口などの粘膜や傷口を通して感染します。
クラミジアや梅毒などの性感染症と同様に,コンドームを正しく使用することが,最も有効な手段です。
HIVが含まれる血液の輸血や依存性薬物(覚せい剤など)の使用における注射器具の共用(回し打ち)などが原因で感染します。
現在,献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全性が確保されています。
しかしながら,感染初期の血液からは,現在の技術では,感染の確認ができないことがあります。
また,過去問題となった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)の投与による感染は,現在加熱処理が行われており感染の心配はありません。
母親がHIVに感染している場合,妊娠や出産時,また授乳時に赤ちゃんに感染することがあります。
現在の日本では,適切な治療や帝王切開での出産,母乳を与えないことなどで,赤ちゃんへの感染を1%以下に抑えることができます。
HIVは感染力が弱く,日常生活においては性行為以外で感染することはありません。
※性行為による感染を予防するには,コンドームを正しく使用しましょう。
※コンドームを正しく使用しない性行為は,感染の機会を増やします。