ブラジルなど中南米を中心に,「ジカウイルス感染症」が流行しています。
ジカウイルス感染症はデング熱及びチクングニア熱と同様、蚊を介して感染します。また,ジカウイルス感染症は感染しても症状がないか,症状が軽いため気付きにくいこともあります。
また,妊娠中にジカウイルス感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあることから,妊婦及び妊娠の可能性がある方は,可能な限り流行地域への渡航を控えましょう。
「ジカウイルス感染症」とは
概要
- ジカウイルス感染症は,中南米を中心に流行しているウイルス性の感染症です。
- 原因となる病原体は,フラビウイルス科フラビウイルス属の「ジカウイルス」です。
症状
- 軽度の発熱,発疹,結膜炎,筋肉痛,関節痛,倦怠感,頭痛などが主な症状です。
- これらの症状は軽く,通常,2~7日続き,予後は比較的良好です。
治療法
- 対症療法となります。
- 通常は比較的症状が軽く,特別な治療を必要としません。
感染経路
- ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると,蚊の体内でウイルスが増殖し,その蚊が他者を吸血することで感染します。
- 潜伏期間は,2~12日(多くは2~7日)です。
- 基本的に,感染したヒトから他のヒトに直接感染することはありませんが,輸血や性行為によって感染する場合もあります。
- 感染しても,全員が発症するわけではなく,症状がないか,症状が軽いため気づかないこともあります。
- 妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性があります。
その他
- 日本国内で感染した症例はありません。
- 海外の流行地で感染し,発症した症例が,平成25年以降,国内でも見つかっています。
県民の皆様へ
全般
- ジカウイルス感染症は,デング熱及びチクングニア熱と同様,蚊を介して感染します。また,ジカウイルス感染症は感染しても症状がないか,症状が軽いため気付きにくいこともあります。
- 海外の流行地において,蚊に刺されてから数日後に,軽度の発熱,発疹,結膜炎,筋肉痛,関節痛,倦怠感,頭痛等の症状が見られた場合は,医療機関を受診してください。
- 海外の流行地へ出かける際は,できるだけ肌を露出せず,虫よけ剤を使用するなど,蚊に刺されないよう注意してください。
- ジカウイルスの流行地域(厚生労働省)
- マレーシアにおけるジカウイルス感染症の発生(外務省海外安全ホームページ)
妊婦と妊娠の可能性のある女性へ
- 妊娠中にジカウイルス感染すると,胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあることから,妊娠中又は妊娠を予定している方は,可能な限り流行地への渡航を控えてください。(世界保健機関(WHO)は,3月8日,妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告しています。)
ジカウイルス感染症に関する妊婦の電話相談窓口
ジカウイルス感染症に関する妊婦さんからの電話相談については,次の窓口で対応しています。
流行地から帰国された方へ
- 流行地域からの帰国者は,症状の有無にかかわらず,虫よけ剤の使用など蚊に刺されないための対策を少なくとも2週間程度は特に注意を払って行うことを推奨します。
- 性行為により,男性から女性パートナーへ,女性から男性パートナーへの感染事例が報告されています。
- 流行地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず,少なくとも6か月、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際に,コンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。
医療機関の皆様へ
- ジカウイルス感染症は,感染症法上の四類感染症に指定され,平成28年2月15日から医師の届出が義務となりました。ジカウイルス感染症と診断された場合には,直ちに,最寄りの保健所に届け出ていただきますようお願いします。
- なお,届出の際は,検体(全血(EDTA入り),尿 各6ml)を提供いただくよう,併せて御協力をお願いします。
ジカウイルス感染症を疑う症例の要件
次の1~3にすべて該当 し,かつ他の感染症又は病因によることが明らかでない場合,ジカウイルスへの感染が疑われるため,ジカウイルス感染症を鑑別診断の対象とします。ただし,医師がジカウイルス感染症を疑う例については,この限りではありません。
- 「発疹」又は「発熱(※)」を認める
- 「関節痛」,「関節炎」,又は「結膜炎(非滲出性,充血性)」のうち少なくとも1つ以上の症状を認める
- 流行地域の国から出国後2~13日以内に上記の症状を呈している
※発熱は,ほとんどの症例で38.5度以下との報告があります (http://www.wpro.who.int/mediacentre/factsheets/fs_05182015_zika/en/)
届出基準・届出様式など
関連情報
参考資料
関連リンク
相談窓口
御不明な点は,最寄りの保健所等へご相談ください。
保健所名等 |
管轄地域 |
連絡先 |
広島県西部保健所 |
大竹市、廿日市市 |
0829-32-1181 |
広島県西部保健所広島支所 |
府中町、海田町、熊野町、坂町、
安芸高田市、安芸太田町、北広島町 |
082-228-2111 |
広島県西部保健所呉支所 |
江田島市 |
0823-22-5400 |
広島県西部東保健所 |
竹原市、東広島市、大崎上島町 |
082-422-6911 |
広島県東部保健所 |
三原市、尾道市、世羅町 |
0848-25-2011 |
広島県東部保健所福山支所 |
府中市、神石高原町 |
084-921-1311 |
広島県北部保健所 |
三次市、庄原市 |
0824-63-5181 |
広島市中保健センター |
広島市中区 |
082-504-2528 |
広島市東保健センター |
広島市東区 |
082-568-7729 |
広島市南保健センター |
広島市南区 |
082-250-4108 |
広島市西保健センター |
広島市西区 |
082-294-6235 |
広島市安佐南保健センター |
広島市安佐南区 |
082-831-4942 |
広島市安佐北保健センター |
広島市安佐北区 |
082-819-0586 |
広島市安芸保健センター |
広島市安芸区 |
082-821-2808 |
広島市佐伯保健センター |
広島市佐伯区 |
082-943-9731 |
広島市健康推進課
|
広島市 |
082-504-2622
Fax 082-504-2622
休日・夜間 082-245-2111
|
福山市保健所 |
福山市 |
084-928-1127
Fax 084-921-6012
夜間 084-921-2130 |
呉市保健所 |
呉市 |
0823-25-3525
Fax 0823-24-6826
夜間 0823-25-3590 |
広島県感染症・疾病管理センター
|
県内 |
082-513-3068(夜間休日含む)
Fax 082-254-7114
|
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