エムポックスとは
※令和5年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。
- エムポックスウイルスによる動物由来感染症で、ヒトと動物が感染します。
- エムポックスウイルスは、オルソポックスウイルス属に分類されるDNAウイルスです。オルソポックスウイルス属にはそのほかに天然痘(痘そう)ウイルスなどが含まれますが、エムポックスウイルスと天然痘ウイルスは別のウイルスです。
- エムポックスウイルスは大きく分けてコンゴ盆地系統群と西アフリカ系統群の2種類の遺伝的系統群があり、西アフリカ系統群はコンゴ盆地系統群に比べて重症化しにくいと言われています。2022年5月以降のヨーロッパやアメリカ大陸などでの流行では、西アフリカ系統群が主に報告されています。
感染経路
- エムポックスが常在している中央アフリカや西アフリカ地域のげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がエムポックスウイルスを保有していると考えられています。これらの地域で感染している動物と接触したり、かまれたり、野生動物の肉を調理したり、加熱が不十分な肉を食べたりすることで動物からヒトへ感染する可能性があります。
- 感染している方の発疹、痂皮(「かひ」と読む。かさぶたのこと。)、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。
症状と経過
- 水ぶくれを伴う発疹に加え、多くの場合、発熱、寒気、倦怠感(だるさ)、リンパ節の腫れ、頭痛、筋肉痛などの全身の症状があらわれます。
- 発疹は、最初は平坦ですが、内部に液体や膿がたまって膨れてくることがあります。膨れた発疹は痂皮ができ、最終的には痂皮の下で新しい皮膚ができた後、痂皮が剥がれ落ちます。
- 多くの場合2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。
- 潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)は通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)とされています。
発生状況
- 県内では、1例のエムポックス患者の発生が確認されています(令和5年7月21日現在)
No. |
年代 |
性別 |
症状 |
医療機関受診日 |
居住自治体
(居住地)
|
海外渡航歴 |
その他 |
1※ |
30代 |
男性 |
発熱、発疹、頭痛、倦怠感 |
令和5年7月13日 |
広島市 |
なし |
患者の状態は安定している |
※ 広島市プレスリリース
- 国内の発生状況については,厚生労働省HPをご覧ください。
気を付けること
- エムポックスは、感染している方の発疹、痂皮、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。エムポックスに感染している方や感染が疑われる方とは、上記の接触を避けるようにしてください。
- エムポックスが常在する国や地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)に渡航する場合これらの国や地域は、動物がエムポックスウイルスを保有していることが知られています。現地では、野生動物、特にげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)との接触を避けてください。加熱が十分でない動物の肉を食べることも、避けてください。
エムポックスの症状が現れた場合
- ご自身にエムポックスの疑いがある症状があらわれた場合(特に、エムポックスに感染している方との接触や、不特定多数との性的接触があった後など)には、医療機関に「エムポックスの可能性がある」ことを伝えてご相談ください。
- なお、医療機関を受診する際には、マスクの着用、発疹部位をガーゼなどでおおうなどの対策をしてください。
- また、エムポックスの発疹が完全に治まり、痂皮が落ちるまでの間は、他の方に感染させてしまう可能性があります。医療機関や保健所の助言に従い、他の人との接触を避けるようにしてください。
参考情報
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