是正指導について-公立小・中学校における年間授業時数確保-
1 調査について
1 目的
一部の学校における総授業時数が,標準の総授業時数を大幅に下回る見込みであるという事態を受け,総授業時数の確保に向けて改善を図るため,授業時数に係る全県調査を実施した。
2 対象実施校数
小学校623校,中学校252校(政令市,中核市を含む)
3 対象期間
平成13年4月~平成13年12月
2 調査結果概要
1 授業の1単位時間について
項目 小学校 中学校 ア 恒常的に45分(50分)であり,45分(50分)以外の時間では実施していない 465校
(74.6%)58校
(23.0%)イ 特定の教科等については,1単位時間の弾力的運用を行っている 〈45分(50分)を分割するなど〉 21校
(3.4%)6校
(2.4%)ウ おおむね45分(50分)であるが,学校行事等がある場合は45分(50分)以外の時間で実施することもある 169校
(27.1%)192校
(76.2%)エ 特定の曜日に,恒常的に45分(50分)を下回って実施している 0校
(0.0%)1校
(0.4%)オ 恒常的に45分(50分)を下回って実施している
0校
(0.0%)0校
(0.0%)( )内は中学校
[単位:校(%)][複数回答]
2 小・中学校別授業の実施状況について
※ 実施率は,各学校が設定した4月から12月までの予定授業時数に対する,実際に実施された授業時数の割合
3 授業時数確保に向けた取組みについて
[単位:校(%)] [複数回答]
項目 小学校
(623校)中学校
(252校)1 教務主任等事務担当を決めて年間授業時数の確保について確認している 519校(83.3%) 227校(90.1%) 2 定期的(週ごと)に授業時数の過不足を調整し確保している 121校(19.4%) 66校(26.2%) 3 定期的(月ごと)に授業時数の過不足を調整し確保している 285校(45.7%) 147校(58.3%) 4 定期的(学期ごと)に授業時数の過不足を調整し確保している 441校(70.8%) 144校(57.1%) 5 学校行事を精選して,年間授業時数の確保に努めている 454校(72.9%) 171校(67.9%) 6 出張等がある場合も,授業時数確保の工夫をしている 456校(73.2%) 228校(90.5%) 7 45分(50分)を下回る時間がある場合,その月のうちに補完している 92校(14.8%) 46校(18.3%) 8 始業式・終業式の日に授業を行っている 342校(54.9%) 112校(44.4%) 9 家庭訪問のために授業カットはしていない 170校(27.3%) 69校(27.4%) 10 会議のために授業カットはしていない 544校(87.3%) 175校(69.4%) 11 その他 24校(3.9%) 23校(9.1%)
3 分析
1 授業の1単位時間について
○ 恒常的に単位時間を短縮していた学校は,福山市立東朋中学校1校のみである。
2 小・中学校別授業の実施状況について(12月末現在)
○ 小学校については,全校においてほぼ計画どおりの授業が実施されており,実施率の県平均は101.0%である。
○ 中学校については,多くの学校においては,おおむね計画どおり授業が実施されており,実施率の県平均は99.6%である。
しかしながら,平均授業実施時数について地域間でばらつきがあるとともに,中学校第3学年において,12月末での実施時数が県平均実施時数より20単位時間を超えて下回る学校が,5市1町44校ある。
○ 恒常的に授業カットを行っていた学校は,府中市立第一中学校1校のみである。
3 授業時数確保に向けた取組みについて
○ 大半の学校においては,教務主任等により,年間を見通した授業時数の管理や学校行事等の精選を行い,単位時間の短縮や授業カットを極力しない工夫をするとともに,これらを行った後においても,不足授業時数の補填に努めている。
○ 始業式,終業式当日に授業を行い,授業時数の確保に努めている学校が約半数ある。
○ 一部の学校においては,授業時数確保に向けた授業時数の管理が不十分である。
4 今後の対応方針
課題のある学校については,次により,当該市町教育委員会を通して校長に対する指導の徹底を図る。
1 3学期においては,各学校で総授業時数確保に向け綿密な指導計画を立て,標準の授業時数確保に向け努力すること。
2 教務主任等による総授業時数確保のための進行管理を徹底すること。
3 新教育課程が始まる来年度に向けて,早急に年間指導計画を立案すること。