平成27年度 第2回教育改革推進懇談会
平成27年度 第2回教育改革推進懇談会の概要
1 懇談会の趣旨
教育委員に現場の実情や課題,優れた取組等に関して幅広く把握していただき,教育委員会会議における審議をより充実させるため,第一線で活躍している有識者との意見交換会を実施する。
2 日時及び場所
平成28年1月25日(月曜日) 13時00分~14時30分
教育委員会室
3 出席者
広島県教育委員会委員 5人,教育長
有識者 2人
4 テーマ
特別支援学校における就職率向上を目指す取組の今後の課題について
5 主な意見の概要
〇 障害者雇用は人材不足を賄うという視点からみれば一つの源だが,これを「社会的貢献です」「いいことをしているので,別にいいでしょう」という流れには,社内的にしたくない。他の従業員の制度と同じように個性をどう生かすかということと,多様化することは組織強化に繋がると思って取り組んでいるので,特別なことをしているとは全く思っていない。そうでなければ,組織の中でうまく定着しないと思う。
〇 障害者の方と接点を持って感じることとして,出来ないことがたくさんあるかといえばそうでもないし,訓練をして出来ることが増えるという事実もある。現在,全店舗で80名近くの方を雇用しているが,もしいなければ恐らくそれだけで全店の売り上げは落ちる。それほど屋台骨になってきている。
〇 学校生活の中で,社会人となったときのために,耐性やコミュニケーション能力をもっと意識して学ばせる必要があると思う。
〇 保護者との関わりも大事だと思う。保護者とどう手を組んで子供を育て,支えていくのか。就労や就職率,定着率を上げていくためには,保護者も障害を持つ子供と一緒に育っていかなければならない。
〇 先天性の場合もあると思うが,時間がかかるかそうでないか,というぐらいの子供であれば,時間をかけてあげれば出来るようになる。学校の40分の授業の中でこれを経験させて欲しい。生徒本人たちが何かを取り組むとき,授業中に最後までやり遂げるということが時間の都合上できない。そのため,途中で先生が手伝い,完成形を作ってしまう。そうすると,いつまでたっても生徒本人の能力は伸びない。最後までやり遂げることがないため,ずっと中途半端なものになってしまっている。時間という枠の中でどうするかも,確かに重要だが,何かをやり遂げさせるということを一緒に体験させてあげるような機会も必要だと思う。
〇 特別支援学校を卒業される前に,情報交換をさせていただいているが,100%教えていただけないことがたくさんあって,入社いただいた後,びっくりするようなことがある。一生懸命就職をさせようと思われるところと,採用しようというところとのギャップが大きい。もっと情報をいただきたい。
〇 生徒が就職した後,すぐ辞めましたということを防がなければならない。この先,結局,離職を経験した企業があれば,そこは次からは採用しにくくなる。だから就職の入口のところに時間をどのくらいかけることが出来るか,それには,学校の先生や生徒の家族,JST等との情報交換が大切である。
〇 学校の段階では,まだ失敗しても誰も困らない範囲なので,どんどん失敗させてあげて欲しい。将来,企業に入って失敗すると,それがコストになり,その判断をされ始めると就職の定着も難しくなる。失敗する最大のチャンスが技能検定でもあるし,学校の通常の授業なのではないかと思う。
6 資料
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