平成29年度 教育改革推進懇談会
平成29年度 教育改革推進懇談会の概要
1 懇談会の趣旨
教育委員が現場の実情や課題,優れた取組等に関して幅広く把握することにより,教育委員会会議における審議をより充実させるため,第一線で活躍している有識者との意見交換会を実施する。
2 日時及び場所
平成29年12月20日(水曜日) 9時30分~11時03分
教育委員会室
3 出席者
4 テーマ
授業におけるICT活用について
5 主な意見の概要
〇 大昔から人は紙に書いて学習をしてきた。そのうち,OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)やビデオをどんどん使おうという時代があって,やがてインターネットが出てきた。しかし,長い歴史を見ても,ほとんど紙に勝てていない。だから,ずっと紙を使っている。そこで,タブレット端末は紙とどう違うのかという研究を行った。
〇 研究の結果,基礎的な知識といった,書かれている内容がしっかり理解できるのは,紙の方だった。一方,自分の考えを述べたりするような発展的な問題においては,タブレットの方が優れていた。現代は基礎・基本だけではなく,自分はどう考えるかということが重要なため,そういう面でタブレットは意味があるのではないか。
〇 「勉強した」,「本を読んだ」というような実感を得られるのは紙の方であるが,飽きやすい。しかし,決められた内容を記憶したり理解することは紙の方が有効なので,それは捨ててはいけない。一方で,タブレットは発展的に考えたりするのに有効であり,もう一度やってみたいという意欲がわく。結論的に言うと,併用することが大事である。
〇 タブレットを使って写真や動画を撮ったり,調べたりすることは,紙だけでは伝わらないことを伝えられたり,自分の意見に対するエビデンスをまとめようとする意欲がわいたりするので,児童生徒の表現の幅を広げ,自分の考えを伝える道具として活用できる。このことは,何も紙を否定して置き換えることではない。これからはそれをどうやってうまく活用していくか。そこには光と影があることを承知の上で,それを乗り越えていくことが,現代における教育の在り方だと考える。
〇 タブレットの使い方のノウハウは頭で考えるものではなく,実際に使っている現場に宝がある。教育センター等で実際に使っている様子の事例を集めてもらう。ただ,文字では伝わらないので,写真や動画であることが必要。そこにコメントを付ければ,こういう使い方もあるというメッセージは伝わる。
〇 結局はもうクラウドになるわけなので,学校におけるデバイスも家庭におけるデバイスも関係なくなるはずである。学校でデジタル化が進めば,将来,学校でここまで勉強をして,家庭では自分のデバイスでその続きをやるというように,学校と家庭というのがシームレスにつながっていく。もっと言うと,デジタル教科書が出てきたので,教科書と教材の区別もつかなくなるのではないか。教科書,教材,宿題,デバイス,あらゆるものがシームレスにつながっていく。
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