【第2回】「東大ROCKET in 広島」を開催しました!
10月30日(水)・31日(木)に,不登校を始めとする学校での学習になじめない児童生徒を対象に,ワクワクする体験的な学びの場を提供する新しいプロジェクト「東大ROCKET in 広島」を開催しました。第2回となる今回のテーマは,「饅頭を解剖して食せ!」。参加した児童生徒は,広島名物「もみじ饅頭」を解剖してデザインや構造を観察したり,実際に商品が製造されている現場を見学し,新たな商品を開発するための研究員としてプログラムに臨みました。
○1日目〈饅頭を解剖し,謎を解き明かす…〉
1日目は「にしき堂」の工場を見学し,もみじ饅頭が作られている現場を観察しました。普段,何気なく食べているものがどのように作られてるか観察し,機械や人の手によって大量に生産されている様子に子供たちは驚きの表情でした。
工場を見学した後は,自分たちの手で饅頭を解剖してみました。どのような構造になっているのか,生地と餡のバランスを調べたり,中身の入っていない饅頭に自分自身で餡を詰めてみたりして,もみじ饅頭の美味しさの秘密に迫りました。
午後からは小豆から餡を作ることに挑戦しました。
・もみじ饅頭一つ分に小豆がいくつ使われているのか
・小豆の皮を取り除き,銀色の餡をつくることはできるか
二つのミッションを与えられた子供たちは,小豆からどのように餡を作るのか,小豆の皮だけを取り除くにはどうしたらいいのか,試行錯誤しながら,自分自身で方法を考えて取り組みました。小豆を焦がしてしまったり,上手く皮を取り除けなかったり,たくさんの失敗を重ねましたが,その失敗の中から多くのことを学び,1日を終えました。
○2日目〈最新技術に触れ,新たな商品を開発…〉
2日目は精米機メーカーとして有名な「サタケ」の工場を見学しました。精米機や選別機など最新の機械を目の前にした子供たちは,「この機械を使ったら,こんなことができるんじゃないか」と様々なアイデアを出し合っていました。また,前日に大変苦労した小豆の皮むきを,サタケの研磨技術によってきれいに磨かれていくのを目の当たりにし,子供たちはとても感動した様子でした。
午後は再びにしき堂に戻り,もみじ饅頭一つにいくつの小豆が使われているか,どうすれば皮がむきやすくなるか,子供たちが考え出した答えについて,意見を出し合いました。(実際には,もみじ饅頭一つに47粒の小豆が使われているそうです!)
その後,サタケの機械で皮むきされた小豆を使って,にしき堂が実際に銀色の餡を使ったもみじ饅頭(名付けて「銀もみじ」)を作ってくれました。中身を見た子供たちは「本当に銀色になってる!」ととても感動した様子でした。通常のこし餡と食べ比べをしてみると,実際には小豆特有のコクがなかったり,銀もみじを作るには通常のこし餡とに比べて製造するのがとても難しかったりと,小豆の特性について学ぶことができました。
プログラムの講師である東京大学先端科学技術センターの福本 理恵特任助教は,プログラムを終えた児童生徒に対して,
「普段の生活の中でも疑問を持つことが大切です。浮かんできた疑問や興味があることはすぐにメモをして調べてみてください。今まで正しいと思っていたこととは違う何かが見つけられるかもしれません。偉大な研究者も最初は小さな疑問から研究が始まっています。この2日間で皆さんも何でなんだろうと思うことがたくさんあったと思います。これからも常に疑問を持ち,追求し続けてください。」
と伝えました。
自由な活動の中で自ら問いを立て,解決していく学びを体験した2日間でした。
「東大ROCKET」についてはコチラ→ https://rocket.tokyo/