東大ROCKET in広島「げ・ゲ・毛-毛からみる科学と伝統-」を開催しました!
12月9日(水)・10日(木)に,不登校を始めとする学校での学習になじめない児童生徒を対象に,ワクワクする体験的な学びの場を提供するプロジェクト「東大ROCKET in 広島」を開催しました。今年度第2回となるプログラムのテーマは,「げ・ゲ・毛-毛からみる科学と伝統-」です。身の回りにある毛を使った製品から毛の役割や機能を調べたり,毛の代表的な製品である筆を子供たち自身で採取した毛で作ってみたり,体験的な活動を通して,「毛」の科学と伝統を探究しました。
新型コロナウイルス感染症対策のため,1日目のプログラムはオンラインで実施しました。参加した子供たちは,身の回りにある毛を使った製品を集めてくるというミッションを与えられ,画面越しに毛布やはたきなどを見せてくれました。ものに触れながら,製品によって毛の種類が違うこと,どのような機能があるのかということをプログラムの講師と子供たちとで話し合いました。
2日目のプログラムは,広島県立西条農業高等学校で行いました。西条農業高校では,畜産科が牛や豚,鳥などの動物を飼育していたり,園芸科が数多くの植物を栽培しており,校内に自然があふれています。子供たちに与えられたミッションは「毛を集めて筆を作る」。西条農業高校の自然を生かして,筆の材料になりそうな「毛」を集めました。
園芸科の生徒が果樹園や校内で栽培している植物を案内してくれました。
筆になりそうな素材をたくさん集めました。
県内で鳥インフルエンザが発生したことから校内にある飼育施設に入ることができませんでしたが,畜産科の生徒がオンラインで牧場や飼育している動物の様子を紹介してくれました。
また,事前に動物の毛を採取してくれ,子供たちは実際に手に取りながら,動物によって毛の形や固さが違うことや,同じ動物でも部位によって触感が違うことに気付きました。
集めた植物や動物の毛を使って,自分たちで筆を作ってみました。
最初は筆の形にするのも難しい様子でしたが,違う毛を組み合わせてみたり,芯となる部分を作ったりと試行錯誤しながら,自分たちの筆を作っていきました。
それなりに筆らしくなりましたが,やはり普段使っている筆の使いやすさを再現するのは難しそうでした。
筆づくりの難しさを学んだ子供たちは,会場を変えて,「熊野筆 筆の里工房」で筆の歴史や作り方を学びました。職人の技を目の当たりにし,「1本の筆を作るのにたくさん工程があるんだなあ」と感心した様子でした。
実際に自分たちも筆づくりを体験。緻密で丁寧な作業を重ねることで,書き心地の良い筆ができていることを学びました。
学芸員の方から珍しい筆も紹介していただきました。植物でできた筆などもあり,「自分たちが作った筆に似ている?」と思うことも。
体験的な学びを通し,自然や科学,伝統文化と幅広く興味を広げ,理解を深めることができました。
参加した子供たちには,このプログラムで学んだことからさらに探究を深め,自ら学び続けることを期待しています。
過去のプログラムの様子などはコチラ→https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kyouiku17/rocket.html
「東大ROCKET」についてはコチラ→ https://rocket.tokyo/