今作は4月上旬の凍霜害による減収が予想されたものの,収穫時期に好天が続いているため登熟は進んでおり,適期播種を行えた圃場では充分な収穫量が確保できていると思われます。
現在,世羅町では,県の準奨励品種となっている「さやかぜ」の他にも,近年健康食品として注目されているもち麦の「きらりもち」,「ダイシモチ」の栽培や,「さやかぜ」よりも多収で凍霜害を受けにくい「関東皮98号」の試験栽培が行われています。「関東皮98号」は,国の研究機関である農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が育成した六条のカワムギで,発芽後茎が地面を這うように伸びていく匍匐性で,茎立ちも遅いため,春期の冷え込みによる凍霜害を受けにくいという特性を持っています。また平成30年産では,10aあたり550kgという高い収量性もみられ,試験栽培を行った(農)さわやか田打(組合員58名,代表理事:岡田以得(おかだ いとく))でも,今後の生産拡大に期待を寄せています。
世羅町で生産された大麦は,麦焼酎や麦茶などに加工されるほか,道の駅世羅でポン菓子や麦ごはん用として販売されています。
今後も関係機関と連携し,多収に向けた施肥体系の確立や新品種の生産拡大に向けて支援を行うこととしています。
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