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有給休暇関連法令(労働基準法第39条・115条・136条)|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年8月1日

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有給休暇 関係法令

労働基準法第39条

第1項 (年次有給休暇の付与)

使用者は,採用の日から6か月間継続して勤務し,かつ全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては,少なくとも10日の年次有給休暇を与えなければなりません。
休暇は,連続して与えても,分割して与えても,どちらでも構いません。取得単位は原則として1日ですが,半日単位でも可能とされています(昭和24年7月7日基収1428号,昭和63年3月14日150号)。

第2項 (年次有給休暇の加算)

年次有給休暇は,勤務年数が増えるに応じて,次表のとおり最高20日まで漸増していきます。
全労働日の8割以上出勤しているかどうかの要件は,採用された当初は,その6か月の継続勤務の期間で判断されますが,その後は,1年ごとの勤務状況で判断されます。

年次有給休暇の付与日数
継続勤務年数 6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

第3項 (パートタイム労働者などへの比例付与) 

「パートタイム労働者も有給休暇を取得できるか」の項を参照してください。

第4項 (時間単位年休) 

労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で書面による協定を結べば,年に5日を限度として,時間単位で年次有給休暇を与えることができます。

第5項 (年次有給休暇の取得時季)

労働者は,いつでも自由に年次有給休暇を取ることができます。
ただし,一度に多くの労働者が同じ時季に休暇を取り,代わりの人の配置も困難な場合など,「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り,会社は,その日の取得を認めず時季を変更することができます。

第6項 (計画的付与)

労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で書面による協定を結べば,時季を定めて計画的に年次有給休暇を与えることができます。もっとも,年次有給休暇のうち少なくとも5日間は,各労働者の自由取得に任され,計画休暇に組み入れることはできません。

第7項 (賃金の支払)

年次有給休暇の期間又は時間については,(1)平均賃金,(2)通常の賃金,(3)健康保険法による標準報酬日額(労使協定必要)のうち就業規則等において定めた賃金が支払われます。

第8項 (期間の算定)

「全労働日の8割以上出勤」した日数の算定に当たっては,労働者が業務上負傷し,又は病気にかかり療養のために休業した期間,育児休業・介護休業期間及び産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間は,出勤したものとして取り扱われます。
このほか,年次有給休暇取得で就労しなかった期間も出勤扱いすることとされています(昭和22年9月13日基発17号)。
しかし,正当なストライキで就労しなかった日,使用者の責めに帰すべき事由によって休業した日などについては,出勤扱いはされず,労働日からはずすこととされています(学説・行政解釈)。

 

労働基準法第115条 (時効)

労働基準法で規定されている労働者の年次有給休暇の請求権は,2年で時効にかかります。言い換えれば,与えられた休暇がその年度にすべて消化できなかったときは,翌年度に取得することができるということになります。

 

労働基準法第136条 (不利益取扱いの禁止)

使用者は,労働者が有給休暇を取得したことを理由として,皆勤手当や賞与の減額,不利な人事考課などの不利益な取扱いをしないようにしなければなりません(前掲沼津交通事件・最二小判参照)。