子育てインタビュー 助産師

助産師に相談をする親子

今回は実際に助産師をされている「夕陽ヶ丘助産院」の五影 靖子さんにお話を伺いました。

助産師インタビュー

五影 靖子さん

五影 靖子 さん

夕陽ヶ丘助産院 呉市

大阪の市立病院や総合医療センター等で28年間、助産師として勤務。2020年、呉市で「夕陽ヶ丘助産院」を開院。助産師・保健師・看護師免許を持つ。

自宅のリビング

目的に合わせて利用できる産後ケア

産後ケアには、医療機関や助産院でケアを受ける「宿泊型」「日帰り型」、助産師等の専門スタッフが自宅を訪れる「訪問型」があり、「夕陽ヶ丘助産院」ではその全てに対応しています。心身をしっかり休めたいときは宿泊型、上の子を保育所に預けている間だけ利用したい場合は日帰り型、出産して日が浅く外出が難しい人は訪問型…と、状況に合わせて使うこともできますよ。

どの形でご利用いただくにしても、まずは母子健康手帳で赤ちゃんの成長を確認し、授乳の様子を見ます。赤ちゃんの体重と母乳量をふまえてミルクの足し方や適切な授乳方法、乳房ケアを指導したのち、それぞれのお母さんの希望に沿ったサポートを行っていきます。

母子ともに負担の少ない抱き方、沐浴やベビーマッサージの方法、子どもが泣いているときの対応や心構え等をお伝えすることで、「これで合っているのかな?」「どうして泣き止まないのだろう…」といった育児の悩みを解消できるよう日々努めています。

夕方の海沿い

お母さんに寄り添ったサービスを提供

育児中のお母さんは、ゆっくり食事や睡眠をとることもままならないもの。宿泊型では朝・昼・夕食、日帰り型では昼食の提供があります。当院ではできるだけ多種類の食材を使ったおかずを品数豊富に用意し、栄養バランスの良い食事を楽しんでもらえるようにしています。

そして赤ちゃんを預かり、必ずお母さんだけでお昼寝をしてもらいます。ぐっすり眠ってもらった後、夕方のお散歩に誘います。海沿いに建ち、美しい夕陽が見える当院の周辺を歩くだけでも良い気分転換になるんですよ。

近年は訪問型の利用が増えています。入院中に赤ちゃんのお世話を一通り習ったとはいえ、産後間もないうちは正しく実践できているか心配ですよね。そんな不安に寄り添い、ご自宅に伺って授乳や沐浴、室温管理の指導、乳房トラブルのケア等を行っています。

子供との触れ合い方を相談する様子

自信を持って子育てをしてもらうために

SNSで手軽に子育て情報を入手できる世の中ですが、産後ケアの利点はやはりお母さんのお話を直接聞き、赤ちゃんの発育・発達を実際に見た上で、必要なサポートができるところ。当院は育児に困ったときの「駆け込み寺」を目指し、休日・夜間でも電話やメールで相談を受け付けています。

助産師として大切にしているのは、絶対に否定しないこと。「そのままでいいんだよ」「こうしたらもっとラクになるかもしれないね」と前向きな言葉をかけながら、お母さんが自信を持って、楽しく子育てができるよう手助けをしていきたいです。

産後ケアは広島県内全ての市町で利用できます。まずは、お住まいの市町の母子保健担当課(母子健康手帳に記載の窓口)へ連絡してくださいね。